第十一話
「なんだ!この赤い光はなんか言ったようだけど?」
そういえば俺がここに呼ばれたのは、精霊か、妖精の可能性があるってフィーナ様が言っていたっけか?
ユウマの目の前で飛び交う赤色の光向かって。
「なんかいったか、良く聞こえない、もう一度、いってくれ」
『たすけて・・・・・・!』
そして草原の丘のほうに飛んで行きながらまた、声が聞こえてきた。
今度は、はっきりと念話と同じように、頭に直接語りかけてきた。
『お願いたすけて!シルフィーたちを魔獣からたすけて、早くお願い!』
先ほどまで赤い光だったのが、良く視ると羽の生えた小さい人みたいなシルエットがユウマの前を飛び去りながら語りかけて来たので、急いで追いかけた。
先ほどまでいた岩の場所からほんの少し離れた丘の上に向かって追いかけた。
そして駆け上がって行くと、そこは一面に広い草原が広がっていた。
目視で確認できるだけでもかなり広く、近くにはマップでも確認したように川も遠くに見えた。
それから丘の上から眼下を見下ろしたら、道のような場所の直ぐそばの広い空き地みたいな所で戦闘が行われていた。
よく見ると豪華な馬車の周りに鎧を纏った三人が必死に馬車を守っていた、そして周りには四人ほど倒れてる人がいた。
その馬車の周りには緑色の肌の小さな人の緑小鬼10体と、豚の顔の大男の豚亜人3体、そして一つ目の大男の単眼鬼人1体が襲っていたが、ユウマには一人の大男に見張られ、三人のデブと十人の子供に馬車と馬車を襲わせて、三人の人が必死に守っている様に視えていた。
目を凝らしその戦闘を見ていると、女神フィーナにもらったガントレットの水晶部分が青く光っているのに気が付いたのでそっと触れてみたら。
『【超級解析】+【状況理解/対策】の統合スキルで【真理眼】のスキルが発生しました。ただ今より、【真理眼】を発動します』
どうやらなんか新しいスキルが出来たみたいだ。
どういう仕組みでスキルが出来るのかは、この際考えずにいよう、でどの様なスキルかは後で確認するとして。
現状の戦闘状況はどうだろうと視てみたら、先ほどまで見えていなかった吹き出しみたいなのがあったので、意識をその吹き出しに向けたら。
戦闘を行っている人達の頭上に何かが表示された。
その表示を確認したら馬車を守っている人の頭上に人族:騎士と表示され、襲っていた子供には緑小鬼、デブには豚亜人、大男には単眼鬼人と、それぞれの頭上に名称とともに魔獣と表示された。
「へー、便利なスキルだな」
関心して良く吹き出しを見ると。
「あれ!魔獣の種類名称の下に格付けみたいな表記があるな、あっよく見ると騎士の人にもついてるぞ」
そうこの時ユウマの【真理眼】のスキルで見えていたのは、魔獣の緑小鬼の名称の下部分に格下の表示があり、それと同じく他の魔獣と騎士全員にも格下と表示されていた。
そいてよく見ると一匹の豚亜人は、豚亜人騎士と詳細が表示されていて、こいつは同格となっていた。
最後にサイクロプスが格上になっていた。
あと、倒れている騎士の四人が瀕死と大怪我と表記が出てたので、ユウマが吹き出しの情報を見て色々考えていると。
馬車から、軽装の女騎士が身なりの良い女性を伴い出て来て、そのうしろから執事姿の人が出て来て馬車から離れて行こうとしていた。
よく見ると二人は身なりの良い女性を、背中に守りながら必死で三体の緑小鬼と応戦していた。
その他の魔獣も騎士三人で必死に防いでいる様に見えるが、見た感じ相手の数が多すぎる。
その上まだ大男の単眼鬼人は、少し離れて仁王立ちして戦闘を監視しているようにも見える。
騎士たちの戦闘も劣勢に近いので、そのうち均衡が崩れてみんな倒されてしまうのも時間の問題だ。
そして、ユウマは武器がナイフしか無いけど格下の魔獣なら油断しなければ勝てるかなと思い。
同格の魔獣は、何とか必死に戦ったら勝てるかも知れない。
それにまだ、騎士たちが倒れていない今の内しか勝機が無いと、ユウマは考えていた。
格上はかなり必死で頑張らないといけないだろうが、まだ動ける人が多くいれば勝てるかも知れない、でも無傷での勝利は無理だろうけど、などと考え。
いそいで助けないと死人が出るかも知れない、そうならないように急ぐ必要があるな。
そういえばスキルに超加速ってのがあったなと思いながら、アイテムボックスから皮の鞘に入ったナイフを一本取り出しズボンのベルト着けてから。
「よし、スキルを使用しよう【超加速】」
言葉に出しながらスキルを思い浮かべると。
『【超加速】を起動、制限時間あり起動開始』
第十二話につづく
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超加速を使用して・・・?




