第十八話
なら、今のうちに如何にかしないと思いフィリアに向き直った。
そして、ユウマが真面目な顔でフィリアに尋ねた。
「それってまずくないですか。早くその聖碑とやらを直しに行かないと」
「それがそう言う訳には、行かないのよ。その直す手段がと材料が無いのよ」
「えっ、でも何らかの方法と材料があれば出来るって事ですよね。それで必要な材料は何なんです」
早く聖碑を直すのに必要な物をユウマはフィリアに尋ね確認する事にした。
「えっとね、その聖碑を直す為には、最低でも魔導星石とミスリル鉱石が必要なのよ。そして、その二つとこの水晶球を一緒に錬金術で錬成を行い合成してた後に、聖なる水晶球の代替品を作る事ができるわ。でもそれらを錬成そして、合成できる錬金術専門のギルドか錬金術師に渡して、製作してもらう必要があるわね。でもまさか聖碑が壊されているとは思ってもなかっわ」
フィリアは、水晶球に関してひとしきり話した後に続けて。
「壊されてなかったらまだ如何にかなったのだけど、最初は聖なる力が弱くなっているかもと思って、聖紅玉で聖なる力のを補充しようと持ってきたのだけど」
「えっ、それならそれが代替品にならないのですか?」
「ダメよ、これはあくまで聖なる力を補充できる品物で放出ができる訳じゃないの。それにすぐ枯渇して再充填が必要なの」
「やっぱりそれじゃ駄目なんですね」
「そうですね。それにその聖碑に使ってた聖なる水晶球は、特殊で物で魔素を吸収して聖なる力に変換してましたから。それに聖紅玉は、弱まっている力を一時的に高める様にする物です。まあ、いわゆる起爆剤みたいに使う予定だったんですよ」
フィリアとヨーコの説明によれば、聖碑は独自で魔素を吸収して聖なる力に変換していたが、何らかの理由で魔素の吸収が弱くなったかもしれなと思い、聖紅玉を使い聖なる力を一時的に活性化させる様にしようとしてたらしい。
何故そうしようとしたか、尋ねたてみたら。
「過去にも何度かそう言う事態があったのよ。それで聖紅玉で一旦活性化させて、その後に職人や錬金術士の手によって補修していたのよ。基本的に殆ど聖紅玉で事無きを得ているのだけど」
などと教えてくれたが、どうも今回は、事情が違っていたようだ。
そして、そうこう話しているとやはり代替品を作って、それを変わり取り付け大量の魔素の発生を押さえる考えに至り。
「やはり代替品でここは乗り切るしかないわね。どうしようヨーコ」
「代替品と言っても聖玉が必要ですからね。それなりの魔素吸引と聖なる力をある程度放出できる物がいるから」
フィリアとヨーコがお互いに考えから、意見と提案を話してどうし様かと悩んでいた。
「それに、ここには必要な材料がないし、肝心の錬金術を使える者もいないようだし」
そのフィリアの言葉を聴いて。何か忘れている様な気がしたユウマだったが、なんだったか思い出せずに考えていた。
それからレオンが、フィリアが先程出した水晶球を見てから気になり、その水晶球では、如何にかならないのかを尋ねた。
「フィリア様、その先程だしていた水晶球では、代わりにはならないのですか。聖紅球とは違うようですし、一応その水晶球もマジックアイテムでしょう」
すると、フィリアが手持ちの水晶球の説明をした。
「これは駄目よ、ただの水晶の玉で若干は吸収できるけど何の効力はないのよ。さっきも説明した様に他のアイテムと合成すれば色んな能力のある物に変更も出来るし、何にでも利用できるの。現状はただの水晶玉だけども色々加工できる優れ物なの。これと予備に数個所持しているけど、実際使い物にならないのよ」
レオンはその話を聞き、そうなのですかと納得していた。
それから、またフィリアが周辺の様子を気にして話を続けた。
「でも流石に、ミスリル鉱石ならまだしも魔導星石は希少鉱石だから直ぐには手に入る様な品物でもないし、どうしたものかしらね。引き返して調達して来ようかしら」
一旦トライアに戻ろうかとフィリアが考えていた。
するとファルが念話で話しかけてきた。
『ねぇ、マスター。昨日の鉱石の中にミスリル鉱石と魔導星石がいくつか無かったけ?』
ユウマの頭の上でみんなの話しているのを聞いていたファルが思い出して、ユウマに尋ねて声をきた。
その念話での言葉を聞き、考え事をしていたユウマは、《はっ!》としてから。
「ああっ、確か何個かあったよな!」
そう言って直ぐに目の前の広い場所に、鉱石部類をまとめていた【空間収納箱】をアイテムボックスから取り出した。
するとフィリアとレオンは溜息を吐き、クライスは驚いていた。
何せ今みんなの目の前に、大量の鉱石等の色々な物が出されたからだ。
そんな大量の鉱石と魔導星石そして何かの素材をみて二人は呆れて、もう一人は腰を抜かし口をパクパクさせていた。
「はぁ、ユウマこのレアアイテム等の鉱石の山は、なんなのかしら?」
「えっ、ああ、これですか。昨日の夜に倒したゾンビが落とした魔石と一緒に落ちていた物なんですけど?」
「はぁっ、まあ、いいわ。必要な物以外は、収納して頂戴。それとそのアイテムは、シルフォードに着いたらギルドに提出しなさい。それ相応の報酬と鑑定をしてあげるから」
なんか呆れられてしまって、シルフォードに着いたら提出する様に言われた。
「解りました。着いたらギルドに行って提出しますよ」
そう言って、ミスリル鉱石と魔導星石を取り出して。
その他は、また【空間収納箱】を唱えアイテムボックス内に収納した。
そして、その二つを持ってフィリアが、一旦トライアに戻ろうと準備をしていたその時に、「ああっ!」と、ユウマが何かを思い出し大きな声を上げた。
「どっ、どうしたの?ユウマ。突然大きな声をだして」
「あっ、はい、あのですね。俺、錬金術使えるの忘れてました」
たははっと笑って答えた。
するとフィリアに呆れられて、また溜息を吐かれた。
「ふぅっ!もう、何を聞いても驚かないわ。貴方は規格外すぎるもの。それならこれを錬成と合成して貰えるかしら」
先程フィリアが自分のアイテムボックス内に収納していたミスリル鉱石と魔導星石、そして水晶球を取り出してユウマの目の前に置いた。
そして、そのアイテムを見てからユウマは、どうやって錬成と合成しようか考えて。
とりあえず【超級解析】のスキルを使用して確認する事にした。
まずは、ミスリル鉱石の解析を行なうと、希少な鉱石で銀色の輝きと鋼をしのぐ強さを持ち、魔力を吸収及び放出をしやすい鉱石。これをしのぐ銀色に輝く鉱石で上位鉱石はクレリア鉱石である。
次に魔導星石を解析してみると、数千個の魔石及び複数の魔晶石を一つに圧縮された品物で、魔星石より魔力は強く、そして強大な魔力を蓄積させる為の物であり。この魔導星石を加工して作ったアイテムは、まれに???を持ち???等になる場合がある。
なんだ、解析できない文章が出てきた。まだ解析する為の条件が出来ていないと言う事かと思い、引き続き水晶球を解析してみた。
水晶球を解析したら、合成又は付与にて素材をあわせる物で主に媒体の基本になる魔導具であると解析できた。
『と、言う事はこの水晶球があれば何となく合成は出来ると言う事か。なら、ミスリル鉱石をクレリア鉱石に変えたらどうなるのかな・・・・』
何故か好奇心をくすぐられ色々試したくなってきた。
第四章:第十九話につづく
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そんな、何となく高まった感情が抑えきれなくなり、色々と考えていると。




