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第十四話

 そして、ユウマの胸でひとしきり泣いた後、ミーアは事情を説明してくれた。

 ミーアの話の内容では、どうもミーアの住んでいた村が魔物(モンスター)の群れに襲われたらしい。

 その魔物(モンスター)は、どうも意図的に連れてこられた様であり。

 群れを引き連れて来たのは、黒服の大男と白い服を着た男の2人組みだったそうだ。


 それでその男達はミーアの村きて住人達に、抵抗をせずに実験台になれと理不尽にもそう言ってきて、魔物(モンスター)に村人全員を襲わせ捕らえられてしまった。


 流石に捕えられる前、村の若者と屈強な戦士の男達は抵抗しようとしていたが、呆気なく気絶させられ、立ち向かった者達の様子を見ていた他の者は、抵抗しても無駄と判断して大人しく捕まっていたそうだ。


 それからミーアと村人達は、その2人組み男の住処というより、実験施設みたいなところに連れて行かれた。

 その施設には、色んな場所の村から多種多様の種族が集められていた。


 そこの捕らわれた人達の中には、ミーアよりも小さな子達も沢山いたのだが、大人達はその子達を人質にされて手を出せなく、いやいや実験に付き合わされてる状態だった。


 その実験とは、多種多様の種族から細胞を採取して、新種の魔物(モンスター)を作り上げる事と人を魔物(モンスター)に改造したりして、作り上げた新種の魔物(モンスター)と戦わせているところを見たと教えてくれた。


 それから、ミーア達子供にも何らかの注射をされて実験体されていのだが、そんな状況から逃げ出すチャンスがめぐってきたのでみんなで逃げ出したそうだ。


 しかし実際に逃げ出せたのはミーアを含め20名だけだった。その中にミーアと同年代以下の子供達も5名ほどいたが、5名の中で人族はミーアだけだったらしい。


 その中には、何故かミーアに懐いていた白王狼(ハクオウロウ)のランが一緒について逃げてきたそうだ。


 そしてその逃げ出した20名を捕らえる為に、2人組みの男達は、新種の魔物(モンスター)10体を追っ手に放ち捕らえるか、始末する様に命令を出していた。


 何故そのような事が解ったかと尋ねてみると、どうも子供は生きて捕らえろ、その他は抵抗したら始末して構わないと魔物(モンスター)が喋っているのを聞いたみたいだった。


「ところで、魔物(モンスター)て喋れるのですか?」

 そうユウマが不思議に思ってシルフィーに尋ねてみた。


「いえ、そのような話は聞いた事ありませんね。フレイは知ってますか?」

『聞いた事ないし、いないと思うけど?あっ、でも魔族か魔人族なら話せるかも』


「「えっ、魔族か魔人族なんているの?」」

 二人が驚いてフレイに聞き返すと、今度はファルが答え。

『大昔はここの大陸にもいたけど。今はこの大陸には、もう存在してないはずだよ』


『て、事はこの大陸以外にはいるって事なのか』

 ユウマが首をかかげて考えていると。

「あれは魔物(モンスター)に改造された人だったの。人族か獣人族の人で改造されて新種の魔物(モンスター)にされた人なの。元の人の自我を失っていても言葉は喋っていたし、2人組みの命令はちゃんと聞いてたの」

 ミーアがそう答え教えてくれ、さらに話を続けた。


「その他にも、死霊使い(ネクロマンサー)魔物(モンスター)がいて、しかも言葉を話す奴だったの。その死霊使い(ネクロマンサー)魔物(モンスター)は、抵抗する者は、殺して自分の眷属にすると言って、アンデッド系の魔物(モンスター)を沢山出して襲ってきたの」

 ミーアは、よほど怖い思いをしたのか興奮気味で喋っていたが身体が震えて顔は若干青ざめていた。


 何故そんなに沢山のアンデッドが現れたのか不思議に思ったのだが、どうも過去にあの山のふもとで戦があり沢山の死人が出て墓地みたいなのもあるらしい。


 そして、その死者の弔う為に聖碑が立てられ清められている。

 なのでその周りには、むかしからの複数の遺体が土の中に埋まっているらしい。


 そこには聖碑があるので死者もアンデッド化せずに、その周りも聖なる力で守られている。


 その聖碑を代々守っていたのがミーアの村の住人だったようだ。

 しかし旅人か、もしくは冒険者のどちらかは解らないが、住人のいなくなった村を訪れ、聖碑を壊して中に埋まっていた筈の聖なる水晶球が奪われたみたいだと、教えてくれた。


 何故そこまで解ったのか聞いてみたら。

「複数の足跡が聖墓標の前に残っていたし魔物(モンスター)の死骸が散乱していたの。聖碑は魔素の発生と死者の魂を沈め遺体がアンデッド化するのをおさえる効果が会ったの。でも、それが壊されいたので魔素が異常発生してたの。それに昨日、死者が夜になりゾンビとなって蘇えって沢山出てきてしまったの」


「しかし、普通はそんなに早くアンデッド化しないのに何故そんなに早くアンデッドになったの。それに何故そんなに詳しいの」

 そうシルフィーがミーアに尋ねたら。


「それは死霊使い(ネクロマンサー)魔物(モンスター)が聞いていないのに大声で、自分の力で活性かさせてゾンビを出現させてたと、語ってたの。それに聖碑が壊されたのが解ったのは魔物(モンスター)から逃げて自分の村に逃げ込んだの。でも直ぐに追いつかれて・・・・」

「ミーア、辛いならもう話さなくていいよ」

「ええ、そうですよ。後はこちらで何とかしますから」

 そうユウマとシルフィーが言うと、少し暗い顔になっていたミーアが首を左右に振りつづきを話してくれた。


「そして逃げるのに残っていた数名は、その現れたゾンビ達の餌食になって連れて行かれちゃったの。ミーアを含めて5人ほどが、ちりじりに逃げ出してたの。でも周りを囲まれだしたて、みんなを逃がすためにおとりになってゾンビ達と戦ったのだけど・・・・最後は力尽きて意識が無くなってしまったの。でも気絶する前魔物(モンスター)が何か言ってたの」


 どうやらミーアは、あの丘付近で数百体を越えるゾンビとグールなどアンデッド系の魔物(モンスター)に立ち向かい。

 もうだめだと思いながらも、何とか白王狼(ハクオウロウ)のランと一緒に浄化の光でゾンビ達を倒していたみたいだ。

 でも、ランがゾンビにやられて、ついにはミーア自身も傷を負い、最後は魔力が尽きて気絶してしまったそうだ。


 その後にユウマが現れ、ミーアとランを助けたのだろう。ただ魔物(モンスター)は去る前に何か言っていたみたいだ。

第四章:第十五話につづく

その前にそういえば一緒に逃げていた人の事を聞いてみる事にした。

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