第七話
良く見ると周囲のゾンビは姿を消したのでなく、浄化して消滅していた様だ。何故なら先程ゾンビがいたであろう場所に魔石が落ちているのが確認できた。
おそらく先程の剣から発生した、聖なる光で浄化出来たのだろうと思った。
そして神々しい光を放っていた剣が、いつの間にか無くなっているのに気が付いた。
「あれ?剣が無くなってる。何処いった?・・・もしかして力を込めすぎて一緒に消滅したのか・・・?』
たしかに両手に持っていたはずの剣が無くなり、キョロキョロと周りを見渡して剣を探していると、虹色に光輝く玉が目の前を横切って自分の頭上で浮遊している。
「あれ?以前これと似たような光景を見た様な?・・・」
不思議に思っていると、虹色に光輝く玉が突然語り掛けてきた。
『会いたかったよ。私の封印をといてくれた、運命のマスター!』
頭の中に声が響き。先程の虹色に光輝く玉の中から、紅の妖精のフレイとよく似た小さな少女の姿をした、妖精が姿をあらわし。
そして、ユウマの顔に抱きついてきた。
少し離れてクルリと一回転して自分の姿をよく見せて。
『マスター!私の名前は、虹の妖精のファル。またの名を精霊剣グランドファルシオンよ!私は剣に宿った七属性の守護を持つ精霊なの』
「なっ!なんですと?」
このときユウマは非常に驚いて、思わず声をあげた。
『わっ!びっくりした。マスター!急に大声出したら驚いちゃうよ。で、何で驚いてるの?』
「いやいや、驚くだろう!なにかあの剣は、君なのか?それとも君が剣だったのか?精霊と剣どっちが本来の君なのか?でもさっき剣に宿ったって言ってたよな。それにその姿は妖精だよな?」
『マスター!一気に質問しすぎ。今の私の姿は妖精だよ。でもマスターが望めば剣にだって、人間の姿にだってなれるよ!』
「ほほぅ、なら何で妖精なんだ?それに虹色の妖精とか言ってたな」
『うん!実際には虹色の妖精なんて種族はいないの、それに・・・・・』
簡単に言うとファルの話では実際こうだ。
むかし、ファルは守護短剣だったそうだ。
それである都市を不思議な力で守っていたので祠に納められていた。
それをどこかの馬鹿が祠に納められていた短剣を奪いさり、森の奥に捨ててしまった。
その後エルフに拾われて、とても大切に使われていた。
そして数年後、大切に使われていたがもう短剣としての役目を終え、精霊の泉に沈められた。
この精霊の泉には、代々エルフ達が大切に使っていた物を沈め供養してきた泉であり、エルフに伝えられてた神事だった
泉に沈められ数年後、元短剣だったものに自我が芽生え泉から光の玉の状態で飛び出した。
この時おそらく妖精になっていたのだろう。そしていつの間にか、今度は剣の姿になっていて勇者と共に戦っていた。
勇者はファルであるこの剣の事を、グランドファルシオンと呼んでいた。
何故かは解らない。
もともと短剣の時は、ファルシオンと大切に使ってくれていた、エルフに名付けられており、剣の時には不思議とグランドファルシオンと勇者に名付けられていたからである。
そして勇者は使命を果たして戦いを終えた。
でも、なぜかグランドファルシオンだけは、勇者の家系の家宝として大切に保管されていた。
また数年たったある日、その勇者の子孫が何を思ったのか、間違って家宝であった剣を売り払ってしまっていた。
その後、強力な剣であり何度か持ち主が代わり、ついにこの剣を悪用して最大の悲劇がおとずれた。
ファルは、この様な悲しい悲劇を起こさない為、自分自身に強力な封印を施した。
封印を施したのは良かったのだが、数年経っても封印の解除できる優しい心を持った者は現れず、また現れても力が無いか戦いを好まない人だったので、封印は解けずにいた。
そんな事を繰り返して、いつの間にかこの剣を使える者がいなくなっていた。
そしてファル自身も、何も考えなく自分で封印した為自分でもどうし様も無くなり、今までただの長剣の姿のままだったそうだ。
そして、やっとの事で運命のマスターが現れた。
それがユウマだった。
今まで何度も冒険者の人達にアプローチをして来たのだけど、そのほとんどが外れで封印まで解ける人達はいなかった。
しかしファルはユウマを近くで感じて、すごい安らぎと力のある気を感じていて、気付いて貰う為に必死でアプローチをした。
だがこの時ユウマは、刀の子を手にしていたので、この人も駄目かと諦めていた。
そしたら何故か自分を手にとって購入してくれた。このときは大いに喜んだ。しかも刀の子達と一緒に、これはもう運命としか思えないと思ったのだけど、実際そんなに甘くないよねと半分諦めていた。
そんな矢先にユウマは決闘をさせられて、武器を持たずに戦っていた。
その様子を彼の持つ水晶内のアイテムボックスからでも、何故か彼を感じる事ができ、何が起こっているのかが解っていた。
そしてさすがにそれはないとも思っていた。
できる事なら私か刀の子らを使ってくれれば、手助けが出来るのにと淡い期待を寄せていた。
だが彼はおそらく決闘している青年を、傷つけない様に戦っている事が解った。
やはりこの人は優しい心を持ち、強力な力をむやみに他人へ向けるような事をしない人なんだと思っていると、その相手の青年は卑劣にも卑怯な手を使ってきていた。
それなのに危険な状態に陥って自業自得な、その人を助ける為にわざわざ危険な場所に飛び込んでいき助けた。
そしてファルはこの人と一緒に戦いたい。
それも倒す為じゃなく、守る為にどうか私を使って欲しい、そして貴方と共にいさせてと願った。
すると私を、グランドファルシオンを取り出して使ってくれた。
そして今までに無いような魔力と聖なる力、それに何故か安らぎを感じる力を込めてくれた。
ついに封印が解けるかもと思ったのだが、一瞬彼が躊躇した何故かと思ったら私に、剣の表面に亀裂が入っていたのに気が付いた。
この時、ああ彼はこんなにも優しく、そして私に対しても気遣ってくれたのだ。
ここで止められたらもうチャンスが来ないかも知れない。
だから彼を守れるならこんな刀身なんていらない、私に貴方の力をと願った。
するとその願いが通じて今まで以上の優しいそして力強い力を感じて、私がと言うよりも今まで覆っていた何かが弾けて今まで以上の、そして過去で味わった事の無い力を感じて封印が解かれて完全に目覚めた。
この時、ああっ!やっと私の封印を解ける人が、私の新しいマスターが現れたと思いつつ意識が薄れていったとの事だ。
そして、あまりにも強力な力の目覚めであり。
そのうえ長い間、力を解放できなかった反動で、目覚めと共に先ほどまで違う意味で寝ていたそうだ。
そして、ユウマが【聖光気】を開放したと同時に目が覚めて現在に至るそうだ。
第四章:第八話につづく
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ファルからその様な話を聞いてから何気に考え事をしていると。




