第一話
この物語の主人公は、ごく平凡な青年である鳳 ユウマが、ひょんなことに異世界召喚に巻き込まれてしまった。
ことの始まりは、ほんの少し前・・・。
ユウマがちょっとした気まぐれで、いつも帰宅に使っている電車には乗らずに、駅前のスーパーで買い物を済ましてから、むかし通っていた中学校の近くの通学路を徒歩で帰宅していた。
すると突然後ろの方で悲鳴と車のスキール音がしたので、ユウマがうしろを振り返ったら、従姉妹の未菜ちゃんと結愛ちゃんの双子と、その双子の親友である唯香ちゃんの三人に、軽自動車がコントロールを失い迫って来ているのを目撃した。
三人は慌てて逃げようとしていたが唯香ちゃんが転倒して逃げ遅れていたのを、ユウマは目撃して助けようと急いで駆け出した。
その瞬間・・・!。
ユウマは、自分の目に映る周りの景色が停止・・?と、言うよりもコマ送りのように遅くなった感覚にとらわれ、自分でも信じられないくらいに素早く動け、視界に入るものすべてが遅くなりよく観察ができた。
そしてとっさにユウマは、自分の持っていたカバンを車に向け投げ込んで、車に接触する前の唯香ちゃんの側を通過しながら抱上げた、その時に奇跡みたいな状態が起こった。
それは接触寸前の車が運よくカバンを踏み、著しく方向が変わりユウマの横をかすめて行ったので、その車の横に蹴りをいれ勢いを付けて完全に車を交わした。
しかし勢いがつき過ぎていたので、双子ちゃんがいた近くの壁に唯香ちゃんを抱えたまま背中から壁に激突した。
「うっ!」と声を出し・・・・さすがに背中が痛いとユウマは思った。
そして、向きの変わった軽自動車は、帰宅中の人々がいる方で無い反対側の電柱に激突した。
ユウマは、唯香ちゃんを抱えたまま車の方を見たらエアバックが膨らんでいるのが確認できた。
この時、軽自動車の運転手は幸いシートベルトをしていて、エアバックも動作していたので無事だった。
そして、帰宅時間中だったのに関わらず大勢いた人達も被害はない本当に奇跡みたいだとユウマが思っていると、双子ちゃんが近づいてきてから。
「「大丈夫、唯っち!」」
双子の未菜と結愛が心配して近づいて来てからユウマを見て。
「えっ!ユウ兄ぃ!」
未菜が、唯香を助け出したのがユウマと気が付き声をあげ。
「二人とも大丈夫ですか?」
結愛が、ユウマと唯香が声を掛けてきたので、見上げてからユウマは唯香の方を見て声をかけた。
「痛いところは無い?唯香ちゃん!」
ユウマが唯香の身体に異常が無いかを尋ねた時に、少し離れた場所で爆発音かした。
その爆発音と同時くらいに、視界がまばゆい光に包まれ、目を開けていられなくなり目をつぶった。
そして、そっと目を開けると、ただ真っ白いだけの部屋の中でユウマを含めた八人がいた。
なぜ!こんな場所にさっきまで帰宅途中の道路にいたはずだ、そして事故はどうなったのか?とユウマは考えて、さらにここは何処だと周囲を見渡して確認をしていると、俺の腕の中にいた唯香がもぞもぞと動きユウマの方に顔を上げて。
「あっ!ユ、ユウ兄さま大丈夫です。 助けてくれてありがとうございます」
唯香が頬を赤くしてからユウマに御礼を言った。
そしてユウマと双子の方を見てから声をかけた。
「どうしたのですか・?」
「「ここ、どこ・・?」」
未菜と結愛の双子がを白い部屋を見渡して言葉を出して、その言葉を聞いた唯香が、不思議そうに周りを見てから。
「何処ですの?ここ!辺り一面真っ白ですね?」
周囲をもう一度見渡しその言葉を語った。
そして、三人の声を聞いてユウマも周りを確認したところ、この空間にいるのは自分の近くに未菜と結愛と唯香と、チョット離れた場所に女子高生がいる。
よく見ると後輩の鈴香であることが確認でき、あとOL風の女性と少し遠くに学生らしきの少年が2人の計八人だ。
たぶん軽自動車を運転していたのはOL風の女性だろう、何故か座った状態の姿勢であたりを見回して驚いている。
鈴香はユウマたちに気が付き、周りを見ながら近づいて来ている。
そして、学生らしき少年の一人は中学生ぐらいでオロオロしており、もう一人は高校生だろうか、何故かこちらをガン見って言うより、睨んでいるなぜだ?とユウマは思っていた。
ユウマが状況を確認して三人に向けて言葉をかけた。
「う~ん、何処だろうね?ここ、唯香ちゃん大丈夫立てる?」
唯香に立てるかを聞いた後に、立たせて自分の体を起こしていると。
上の方を見ていた未菜が何かに気が付き。
「なに?あの子、天使?」
ユウマの服の裾を引きながら聞いてきたので、ユウマもつられて上て見上げてみると、翼の生えた少女が羽ばたきながら舞降りて来た。
すると何故か、その少女は空中に静止して首を傾け可愛らしく口の下に人差し指をあてがえて、頭上にハテナマークを出していそうな感じで八人全員を見渡し小声で何かを言った。
「あれ、転生者って七人だったよね?・・・ ま、いっか」
そして、八人全員をもう一度見渡してから姿勢を正して語りだした。
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第二話につづく
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「えーと!あなたたちは、地球の現世で不幸にも・・・・?」