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3.アルバン村

俺は草原の中で一人ずるずると歩いている、どのくらい歩いたのか、地図を表示して見てみる。

やべぇこんなに歩いた感触があるのにまだ7キロしか進んでいない。必死に街へと進んでいたためか、結構汗だくになっていた。「フィールド広すぎだろ」と叫んだあとスキルを表示した、βテスト期間内は使えるスキルが限られていて全部使える訳じゃない

と言っても、約8割は使えるからそこまで不便にはならないと思う。それに、スキルのリセットは期間内であれば無償ですることができる。だが、移動スキルと言っても今の状況では良いスキルと言えるもの少なかった。

やはりテレポートに近しいスキルが何個かあるぐらいだ、基礎能力は元の世界とほぼ同じに設定されている。俺には体力が全くないためスキルを使い、高校1年生の平均的な体力と同じになるのがやっとだった。鍛えていけば全ての基礎能力は上がるらしい、上がり方にも個人差があり限界もあるそうだ。


全てのポイントを移動スキルに振ってしまうと、もしも敵に遭遇した時戦えない。まぁ、近くにβテストプレイヤーはいないと思う。

理由は二つ、ここまで歩いても見つからないのと、テレポートを選ぶ人が大半だろう。もしもいるとしたらモンスターがいるぐらいだ、そのモンスターがもしも強かった時に戦えなければ意味がない。万が一βテストプレイヤーと会ったとして、自分だけがレア度の高い武器を装着しているとは考えにくい。だから攻撃スキルにも少し振り分けている。


もうすぐ12キロだ、最初にここに来てからここまで結構頑張った気がする。多分元の世界で、一日で25キロも歩くことは生涯ないだろうと思った。変な満足感に浸る俺

暗くて見えづらかったが、何かあることに気づいた。俺は剣を抜いて少し構えながら歩くと

建物だな家っぽいもしかして、地図を表示して街にはついてないことがわかり、村に着いたらしい。

俺はそう思うと一気に全身の力が抜けた、それから少し息を吸って

「しゃあああああああああ」と思いっきり大きな声で叫んだ。


俺はまず最初に、村の中で泊まれそうなところを探すことにしたんだが、村は意外と広いそして今の時刻は3時、普通は誰も起きているはずもないから、村に到着できただけでもノルマ達成な気がしてくる。

歩いていると前の方から足音が聞こえた、隠れるか一瞬戸惑ったが多分村人なんだろう。

多分村に入る前に叫んだのが聞こえたんじゃないかと思う。


りゅんが説明していたがほとんどがNPCになっているらしい、例外もあるそうだが、村人だとしたら好都合だ泊まれる場所を聞ける。

「すみません、村人のかたですか?外から来た者なのですが泊まれる場所を探していて、良ければ教えてもらえますか?」

すると「良かったよ人みたいで、こんな夜遅くに村に来る人はほとんどいないからねぇ。モンスターだったらわしは死んでいたよホッとしたねぇ」歳は60ぐらいだろうかおじいさんだった


俺も敵ではなくて一安心した。「宿はあると思うが、この時間じゃ受け付けてはくれないだろう。良ければわしの家にでも泊まるかい?外にいるのはかなり厳しい季節だから無理せずわしの家に来なさいなぁ」優しく接してくれるおじいさんの言葉に温もりを感じた。俺はその言葉に甘えて朝まで止めてもらうことにした。


俺が歩いてた場所はたまたまおじいさんの家が近かったので、1分もかからず家に着いて、少し話してからご飯を食べずに5時間ほど経っていると言ったらおじいさんは軽いご飯を作ってくれて、ご飯もご馳走になり本当に感謝してもし足りないぐらいだった、腹が減っていて死ぬほどうまい。まぁ、もう死んでいるんだけど

その後は疲れていたのか部屋を一つ使わせてもらいすぐに寝た。


「ねぇ、助けてよなんで助けてくれないの?私はあなたのことをこんなにも!!」

うぉっ!?っと俺は一気に起き上がった、良くない夢を見てしまった、でもこの声は何処かで聞いたことがある気がする。でも、俺は覚えてはいない

りゅんに会ったときにも同じことがあったな…やはり記憶の一部が失われているのだろう、思い出せそうで思い出せないのが非常にもどかしい。


「おはよう、良く眠れたかな?今日もいい天気になりそうで1日頑張れそうだよ。まぁ、わしがやることなんて畑をいじるくらいなんだが」笑いながら元気におじいさんは挨拶してくれた。

そういえばまだ名前を言っていないな、ここまでしてくれたのにかなり失礼なことをしてしまった。

「すみませんおじいさん、俺はまだ名前を言っていませんでした。四熊 亜疑斗と言います。昨夜は本当にありがとうございました。感謝し足りないくらいです。何かやれることがあれば言って下さい、今日はまだこの村には滞在すると思うので」


俺はこの村で情報を集められれば良いと思っている。ついでに周りがどうなっているのかも知りたいし、街のことについても、知っておかなければならないからやることは多い。

「これはこれは名前を言ってくれるとは、孫がいるみたいで嬉しいなぁ、わしの名前は八木(やぎ) 新助(にいすけ)一応副村長をやっている。まぁそう見えんかもしれんがなぁ」

副村長だったのか、村のお偉いさんの家に泊めさせてもらっていたのか俺は…

少しでも友好を保てれば、色々な話が聞けるから名前を最初に言うべきだったな


「この村はアルバン村と言うのだ、そういえば街までの地図が欲しいと言っておったな。酒場の入り口に地図が張り出されているが、詳しくは記載されていないはずなのだ。それにこの村から街に出る村人達も少ないからあまり外のことには詳しくない

ただし、酒場に行ってわしの名前を言えばある程度の話が聞けるはず、いついっても開いているはずだ、あまり役に立てなくて申し訳ないなぁ」

「いえいえ、丁寧に説明して頂きありがとうございます。では、俺は酒場まで行ってきますね。昼にはまた戻ってこようと思うのですが、大丈夫ですか?」

八木さんは問題ないと答えてくれて、俺はそのまま酒場に向かった

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