表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

私のちょっとした夏の体験

作者: 高遠 時貴

 数年前の夏、私が体験したことについて二つ書こうと思います。

 体験といっても、当時の私にとっては怖い体験でしたが、今となっては本当に大したことない体験なので信じろという方が難しいし、夢でも見たんじゃないかと思ってくれても構いません。

 正直、体験した私でさえ夢でも見たんじゃないかと思うくらいの微かな記憶しか残っていないのです。だから、少し長い夢物語だと思って聞いてください。



 一つ目は、数年前の八月。小学四、五年生の頃だったと思います。祖母の家に泊まった時のことです。

 私たちは二階の階段近くの和室を借りました。

 部屋に入って正面の少し左にずれたところに襖があり、その襖に沿って布団を敷いて私は襖のすぐ隣を陣取りました。

 一階のリビングのテレビを見たり、叔母や従姉弟と話しているうちに十二時を回り、寝支度をして布団に潜るとすぐに眠気が襲ってきて母を待っていようとしましたが眠ってしまいました。


 夜中にふと目が覚めて、目の前の襖が少しだけ(手のひらが入るくらいの隙間が)空いているのに気づき、それから何気なく目線を上にあげてみると・・・二段目のところにおじいさんが一人、体育座り(膝を抱える座り方)で座って私を見下ろしていたのです。

 私はゾッとしてすぐに目線を外し、幸い金縛りには遭っていなかったので襖と反対方向に寝返りました。正直、その寝返った後も自分の後ろにいると思うと怖くてしばらく布団に顔を押し付けて震えていましたが・・・。


 翌朝、両親に話して襖を開けてもらいましたが、案の定おじいさんが座っていたところには敷布団が置かれていて、私が寝ていた位置から見える範囲には人が座るところなどどこにもありませんでした。もちろん、上に座ることも不可能です。天井ギリギリまでおかれていましたから。

 それから、もっと驚いたことは、夜中にあったことを話すと父は「もしかして」と言って、朝食後に一階にある仏壇の部屋で遺影を見せてくれました。

 すると、曾祖母、曽祖父、祖父の遺影の中にいたのです。昨晩見たおじいさんが。

 一番顔が似ていたのは確か、祖父だったと思います。

 父は「丁度お盆だし、家に帰ってきて○○(私)の様子を見に来たのかもね」と言って笑っていましたが、「そうかぁ・・・」と納得したものの、それ以来怖くて襖の隣で寝れていません・・・。




 二つ目は、小学五、六年生の頃、例年のようにお盆休みで家族総出(と言っても三人)で祖母の家に里帰りした時のことです。

 その年は渋滞にあまり引っかからずに進むことができたのは、いつもより早く家を出た所為で、その二日ほど早く家を出た関係から、滞在時間が少し伸びていつもは行けないところまで観光に行くことができました。

 それは、前から行ってみたかった山奥の湖。

 私は祖母が旅行などに行った時に撮った神社やお寺の写真を見るのが好きだったのですが、その湖に行きたかったのも、湖の近くに神社があることを祖母の写真で見て知ったからでした。

 大抵、写真で見る神社やお寺は旅行先とあって滅多なことでは行けないような遠いところだったので行くのを断念しましたが、この湖の近くなら里帰りする時に車で行ける範囲だし、今年は滞在時間も長いし行ってみようということになったのです。


 その湖はY湖と言って地元の人はもちろん、ガイドブックにも乗るような有名な場所らしく、山奥とは言えたくさんとは言わなくても観光客がいました。

 Y湖の近く(と言ってもすぐ隣)にお目当ての神社があり、カメラを片手に喜んで鳥居を潜りました。

 そこまで大きくはありませんでしたが、鳥居の近くに狛犬がいてその狛犬の写真を撮ったり、お御籤を引いたりなど両親も「よく飽きないねぇ」と呆れるくらい一人でウロウロしていました。

 どれくらい中でウロウロしていたのか分かりませんが、ふと思い出したのです。


 こんなに長い時間ウロウロ出来るほど境内は広くなかったはず・・・。


 ウロウロできるくらいの広さはありますが、外から見るとせいぜい十分二十分で全て見終えるほどの広さだったのです。なのに、付けていた時計を見ると一時間経っていたのです。

 おかしい、何かがおかしいと振り返ると鳥居が遠くに見え、境内の奥に視線を戻すと、何だかとても恐ろしくなって、慌てて踵を返して鳥居から出ました。

 そこには不思議そうな顔をした両親がいて、顔色が悪い私を気を遣って車まで父が負ぶさってくれました。その時に腕時計を見せてもらいましたが、一時間どころか二十分位しか経っていませんでした・・・。

 

 あとから聞いた話ですが、鳥居の中に入った私はあちこち写真を撮ったあと、ふとキョロキョロと辺りを見回し、鳥居と境内の奥を見た後慌てて戻ってきただけで一時間も経ってないとのことでした。

 暑さの所為で幻覚のでも見たのではないかと思い、去年の夏にまたあの神社を訪れてみましたが、やはり何ともありませんでした。

 

 一体あの不思議な体験は何だったのでしょうか・・・?

 

 今年もまたあの神社に訪れてみるつもりです・・・。


 初めまして、初投稿です。高遠(たかとお) 時貴(しき)といいます。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。

 ホラーのつもりでしたがあまり怖くない気が・・・

 因みに、一つ目は私が実際に体験したことを元に、二つ目は完全なオリジナルです。

 感想・誤字脱字などのご指導コメントをしていただけると幸いです・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この手の話は浦島太郎を始めとして逆なんですよ(^_^;)だから、あれー?って感じになったんだと思います(^_^;)
[良い点] やはり実話の方はリアリティがありますね(*゜▽゜)ノ [気になる点] フィクションの方はリアリティがイマイチでしたm(__)m [一言] 怪談話って同じ話でも書く人や語り手によってぜんぜん…
[一言] ま、自分はフィクションしか書いてませんけどね!!(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ