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兄妹3

作者: 斉藤てん

これもまた続きのようなものです。やっぱり深夜のテンションあがった時の創作って怖いわぁ・・・朝になったら悶えるんだろうなぁ

くそ暑いなか自分が来たいわけでもないショッピングセンターにまで連れて行かれるってのは苦痛以外のなにものでもないな・・・これがせめて彼女の買い物に無理矢理付き合わされてるってんなら色気もあるってぇのになぁ・・・妹相手じゃ色気もなにもあったもんじゃないわ・・・


延々と脳内でぼやきつづけていたがショッピングセンター内の冷えた空気に包まれると少し気が楽になった。とはいえ楽しくなったわけではない、むしろ今からこの広い館内を延々と歩き続けなければならないのかと考えると鬱になりだ・・・

「さぁ!とりあえず1階で買い物よ!」

元気そうだなぁ・・・暑いなか歩いてきたのは変わらないのにこのテンションの差はなんだろうなぁ・・・とりあえず反論する元気すら沸いてこないのは確かだな・・・

しっかし電車とバスで片道40分か・・・微妙な近さがまた嫌な感じだな・・・

「何しょぼくれた顔してるのよ、辛気臭いわねぇ。私が誘ってやったんだから喜ぶところでしょう?」

全く同意できないことを当然のように言いやがって・・・今日は撮り溜めしたアニメを見る予定があったんだよ。誰が喜ぶんだよ・・・

「だからオタクは嫌いなのよ、一日中家に居るだけなんて不健康そのものじゃない!そんなのが家にいたら私にまでカビが生えそうでゾッとするわよ」

だから日干しして乾かそうってか?ほっといてくれりゃあいいのによ・・・そっちこそ俺といても楽しくないなら誘わなきゃいいだろうに・・・彼氏にでも付き合ってもらえばいいだろうが。

しかしそれを言った後の妹の顔は忘れられそうになかった

「・・・!?な、なによ!彼氏なんてこの前別れたわよ、文句あるの!」

いや・・・ないけどよ・・・悪かったな、つまらんことを言ったな・・・

頭をかきながら謝るが、やはり気まずい・・・

顔を見れないからどうしたものかと考える。あー、しょうもないこと言わなきゃよかったなー。

「ふん!まぁいいわとりあえず付き合いなさい。それでチャラにしてあげる」

おーけーおーけー、それでいいなら付き合ってやるよ。んじゃあ行こうぜ。

そう言って歩き出そうとしたとき呼び止められる

「どこ行こうってのよ。何買うかもわかってないのに先に行かないでよ。こういのは順番ってのがあるのよ」

へいへい、わかったよお前の好きなように行こうぜ。

とりあえず妹の後ろをついて行くがこの構図はあれだなストーカーじゃねぇが付きまとってるように見えたりするのかねぇ・・・だとしたら嫌な感じだな・・・

しかしどこ行くのかねぇ・・・いろんな店があるけどスルーじゃねぇか・・・あんなこと言った割に順番決めてないとかじゃないだろうなぁ

「うるさいわねぇ、先に服買っちゃうと荷物増えるでしょうが。こういったときは小物からって決めてるのよ」

さよか、まぁ黙って付いて行きますよっと

「黙ってないけどね。仕方ないから許したげるわ、反省なさい」

ちくしょうめ・・・好き勝手いいやがって・・・まぁ少しはいつもの調子に戻ってきたからよしとするか

しかしまぁこう見ると俺たちぐらいだろうよ男と女だってのにカップルじゃないのは・・・青春を謳歌したいってほど夢見ちゃいないが、さすがに寂しくなるな・・・

とぼんやりと考えていたらどうやら一軒目についたようだな。しかしまぁいつも思うが目がチカチカするなぁ・・・ファンシーグッズの店ってのは・・・

「よし、とりあえずここから行くからね。」

あいよ、んじゃあそこのベンチで待ってるから終わったら声かけてくれよ

そういってベンチに行こうとしたら思いっきり引っ張られる

「何言ってんのよ、さっきのお詫びをさせてあげる」

さっきの?あれ許してくれたんじゃないのか?

「保留にしただけよ、ここでなにかセンスのいいもの選んで買ってくれたら本当に許したげる」

わかったよ・・・だけど期待すんなよ、おまえも俺のセンスのなさ知ってるだろう?

言い訳をはさむも容赦なく一刀両断される

「そんなの関係ないわよ、しっかりといいもの選びなさいよ。そうでないと意味ないでしょう?」

はいはい、じゃあ一通り見てみますかね

目についた商品棚で良さげなものを探してみる・・・ふむ、このドクロの水晶の置物なんてかっこいいんじゃなかろうか・・・いや、俺ならツボだが妹に言った瞬間罵倒されそうだな、と考えていると後ろから声がかかる

「まさかそんな骸骨とか考えてるんじゃないでしょうね。本気でそんなものを選んだら投げつけるわよ」

ハハハ、マサカコンナモノエラビマセンヨ、ハハハ・・・

あぶないあぶない墓穴を掘るところだった、しかしまずいなまったく思いつかん・・・

まずは全商品を見ることからしてみよう・・・うんそうしよう!

そう思ってブラブラと店内を見て回る。本当にカップルか女子グループばっかりだな・・・

肩身が狭いな、と考えているとふと目に一つの商品が入ってきた。

綺麗なカップだな・・・そういえばこの前お気に入りのカップが割れたって嘆いてたな・・・なぜか俺のせいにされてキレられたが・・・

うっしこれにしてみるか値段も手ごろだし、気に入らなければ俺が使えばいいしな。

レジに並んでると妹が声をかけてきた

「決めたの?」

まぁな、これにしたよ。

そう言って妹にカップを見せる。

その時の妹の驚いた顔は少し面白かった・・・後日これを言ったら蹴られたがな・・・

「へぇ、期待なんて全くしてなかったけど少し見直したわ。あんたにしちゃあいいもの選んだじゃない」

ほめるときは素直にほめろよな・・・まぁ気に入ったんならいいわ、これにするぞ

「これでさっきのことは許してあげるから感謝しなさい」

機嫌が直ったんならええわい、大事に使ってくれよな

妙な満足感を感じながら会計をすます

「とりあえずそろそろお昼だし先に何か食べましょう。おなかすいたわ」

そうだな俺も腹減ったわ、何食べるんだ?

「んー、特に決めてないからフードコートにでも行きましょうか」

オッケー、それならなんかあるだろう。フードコートって何階だっけか?

「4階よ、エレベーター混んでるだろうしエスカレーターで行きましょう」

分かった、えーっとエスカは・・・あっちか、行こうぜ。

この後もごちゃごちゃともめるがそれはまた別のお話・・・


しかしこれでまだ一軒か・・・先が長いなぁ・・・

少しでも早く帰りたいが俺の意見なんぞ汲んでくれないだろうし・・・今日は諦めるか・・・

楽しい休日すら奪われる兄ってのはあれだな・・・泣けてくるな・・・心、折れそうだわ・・・

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