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さよなら
私の名前は、水田万麗(みずたまり)
その名の通り、雨上がりにできるみずたまりのようなじめじめして、みんなからは好かれてもいない存在だ。
ときには、存在を忘れられているときもある。
今日は小学校の卒業式。今日を機に、この町とさよならをすることになる。
父の転勤で、ここ福岡から、東京へ引越しすることになった。
どうせ、みんな私がいないということにも気付かず中学生になってしまうのだろう。
それでもいい。私は今までのイメージを捨てて、新たな生活を送ろうと思う。
今までの街、今までのみんなと中学校生活を送るよりかは、知らない街、知らない人と明るく楽しい中学
校生活を送ったほうが、私的にも身が軽いと思う。
新しい生活に不安なんてものはない。
ただただ平常心でいけば良い。