第六話 その先……
見たもの全てがはじめての経験で訳もわからず舟にのせられた私は、怖くて、不安で、泣きそうで、崩壊しそうでした。
けれど何故かほんの少し誰かが私を支えてくれているような気がする、と。
それは船に乗っている間もずっと腕をつかんでる『ショウににたもの』ではありません。
それによって私は少しずつではあったものの冷静さを取り戻していきました。
そして私は恐怖に震えながらもどうにかしないといけないと考えました、けれど『ショウににたもの』握力は常に一定で舟に引き込まれたときから変わってなく振りほどこうにもほどけず、万が一振りほどけたとしても岸にはあの鬼がいる。文字通り八方塞がり。
私は舟がどこかに到着するのをただ待つことしかできませんでした。
どれくらいの時間はたまた日にちが経ったのかわかりません。一切の空腹や眠気もなくただボーッとしていると何かが見えてきて、近付くにつれ濃かったきりも晴れてゆき何なのかがわかった。それは大きな本当に大きな門。
私はそれを見たとき見覚えがある、と必死思い出そうとしてなんとか思い出しました。
そして出た答えは……あの世。
それで全てが繋がった。濃い霧の石場、岸での積み石をする子供達とそれを崩す鬼、小舟に乗って川を渡る、そして『ショウににたもの』の異様な冷たさ。
けれどそのときには何もかもが遅かった――
そう言えばおばあちゃん言ってたな、「この村の川は地獄に繋がってる」それをそのときに思い出しました。