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第三十三話 天道1 / 開く記憶の扉

……あれ?なんでここに


 ヨウの隣にはショウがいる。後ろを見るとお父さんとお母さんがいる。

 その時ヨウは思い出した、夏休みに祖母の家に遊びに来たのだと――


なんであんなこと思ったんだろ……。


 今話の冒頭のヨウの思考、それを本人がなぜ思ったのかわからなかった。

その時ヨウとショウは同時に祖母のところまで走っていった。

 元気な姿の二人を見る祖母は微笑ましくしていて、そんな二人を軽々と受け止めた。


「大きくなったねぇ。いくつなんだいお二人さんは」


 ヨウとショウは同時に「はっさい」と年齢を言った。


「見ないうちに立派になって、おばあちゃんも鼻が高いよ」

「えー、そんな高くないじゃ」

「そうそう」


 その後、父と母は家の居間で寛いだ。

ヨウとショウは祖母の家を探検しにまわった。


「あいつらは本当に無限の体力だな、ここまでくるのにパパ疲れちゃったよ」

「そうね、私もかなり。けどここにいたらゆっくりできるわ」


 そこからまた少し時間が経ち、祖母の家をあらかた探検し終えた二人は外に出る。

居間からヨウとショウの姿をみた父は「あまり遠くに行くなよ」と言った。


「はーい」


 二人は息ぴったり、同時に発した。

にっこりと笑った父は玄関に向かった。


「どこ行くの?」

「一応着いていく」

「私も行こうか?」

「いや、いいよ。いつもの疲れをそこで癒してくれ」


 父はそれを言い残して家を出る。


「ほんといい人……」


 ヨウとショウはずっと走り続け、見たことのない場所に行きまくった。


「うわー、スゲー」


 いつもと違う景色なだけで、子供の好奇心を擽り探求心を求める。

 その時、狐がショウの視界に入った。

ショウは咄嗟に追いかけ、ヨウもその後を追った。

するとたどり着いた先は森の中にある川だった。

 人の気配が一切しない圧倒的自然。

ショウはその川を見るや否やそこへ走っていった。

ヨウもその後を追おうとしたが立ち止まった。


なんか嫌な感じがする……。

「ねぇショウ戻ろうよ」


 確かに聞こえた筈なのにショウはこっちを見ない。

おかしいと思ったヨウはショウのところへ走ったが一度、瞬きをしたそのつぎに見えた光景はショウが川で溺れていた。

 ヨウはすぐに助けに行こうとしたが、足場が悪く水の中に入ってすぐに足を滑らせた。

その瞬間ショウはヨウの足をつかみ川の中へ引きずり込んだ。

 故意ではない、溺れてれる人は浮き上がろうともがき掴めるものを掴んでしまう。それがたまたまヨウだっただけだ。

 すり鉢状になっているその川はいきなり深さが変わり、二人を底へ引きずり込む。

ヨウが溺れている最中、見た光景は父が汗って駆けつけているところ。次の瞬間には救急車にショウが乗せられている。

 ヨウは無意識的にショウに手を伸ばした。


ショウ……。




 気付けばショウの大きな写真があり、回りの人は全員黒いスーツを着ている。

目の前に棺がある。その中を恐る恐る見ると、そこにはショウがたくさん花のなかで眠っていた――


「全部思い出した……。ショウはもういない」

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