第三十一話 地獄道4 / 救いのない極寒
指先は限界を迎え、血が出始める。
それでも頑張ってある程度の深さは掘れたが、上の雪の重さで中の雪が道具を使わないと掘れない硬さになっていた。
「あぁっクソ、これ以上無理だ。これじゃ二人どころかヨウすら入らねぇ」
「どう、するの?」
身体を擦りながらヨウはシンに問うが、極寒の中シンもこれと言った解決策を思い付かない。
そのときシンはキムワのことを思いだし名前を呼んだ。
すると雪の上に文字が現れた。
「ここら出る方法はねぇのか?畜生道みたいによ」
(ごめん、私もわからない)
「はぁ?」
「今まで何だかんだ方法はあったじゃん」
(そうなんだけど。ここは本当に灼熱と極寒が交互に続くだけで果てはないの)
「ってことは、一生ここにいるの……」
(……たぶん)
「ッザ、けんじゃねぇよ。これ以上いれねぇよ」
雪を蹴り飛ばす。吹雪きはその部分を一瞬で修復する。
そのときヨウが倒れた。
シンはすぐに駆け寄るが、ヨウの身体は冷えきっている。すぐにハグするがシンの身体も冷えきっていて暖めることができない。
クソクソクソクソクソ、なんとかしねぇとなんとか。
なにも思い浮かばず、なにもできない。
身体の不調もずっと前から出ているのに頑張っていた。なのに環境はそれらを一切気にせず、二人を叩き潰す。
シンはヨウを抱きながら背中を擦ることしかできない。
既に白い息は出ていない。擦っているともゆっくりになっていき、聞こえていたヨウの息遣いも徐々に聞こえなくなっていく。と言うよりシンの耳が機能しなくなっていっていた。
(ごめんなさい、なにもできなくて……)
それから数分経ち二人は抱き合いながら凍っていた――




