第二十五話 畜生道5 / 思い出す
黙々と食べ進める二人。その空気に少し気まずさを感じるシンは場を和まそうと色々な会話をするがほとんど「うん」や「そう」返され、シンの中で気まずさが加速した――
とっとと食って離れてぇけど、なんだかな。
シンはヨウと食べるペースを合わせる。かなり遅く食べているがシンはなにも気にしない。
その間もシンはずっとヨウに話しかけていたかま、少し間が空き滝の音しか聞こえない時間があった。
「……シンはなんで私と一緒にいてくれるの?」
突然、来たその質問に少し困ったがすぐに返答した。
「俺にも妹がいたんだよ、あんたと同じ年くらいのよ」
「そうなんだ。でも私はその子じゃないのになんでそんなに尽くしてくれるの?」
その時シンの顔が少し強ばったのがわかった。
「そう言うのは勘づいた方がいいぜ……」
「勘づくってな……」
「死んでんだよ、妹は。あんたを見てると思い出しちまう」
スープを口に運びながら話していたが、その手が一度止まる。
それを言わせてしまったことにものすごく悪く感じる。
ごめんなさい、とヨウは言った。
「別にまだガキだから気にしてねぇ。今、成長したんだしよ」
とは言っていたがシンの顔は強ばったままだ。
ヨウの中も気まずい空気が漂い、会話がまた止まる。その後、二人はなにも話さないまま食事を終える。
明らかに気まずい空気でもシンはヨウと同じペースで食事を取っていた。
ヨウから器を受け取りシンは洗いものをはじめる。
「ねぇキムワ」
(どうしたの?)
「シンさ傷ついたよね」
(傷ついたろうね、だって妹だもん)
「やっぱり辛いこと言わせちゃった」
ヨウはもっと身体を縮める。
(……シンが言ってたようにヨウはまだ子供なんだし、シンもそこはわかってると思うよ)
「でも……」
(あんまり自分を責めすぎないで。ちゃんと謝ったんだからあとは時間が解決するよ)
ヨウは少し涙を浮かべた。
またそこから時間経ちその間シンとヨウは一切喋っていない。けれどシンはちゃんと食事を作ってくれて近くで食べてくれる。ペースも合わせてくれる。けれどヨウはなにも話せなかった。
そしてシンはまた洗いものをはじめる。
ちゃんと話さないと、謝らないと。
このままじゃダメと思ったヨウはシンにちゃんと謝りに行こうとシンにの後ろにたった。
「ねぇシン……」
「なんや?」
謝らないと謝らないと……。
「さっきの件なんだけど」
「別に気にしてないからいいぞ」
「だけどちゃんと謝らないと辛いこと言わせたから」
「だから別にいいって……」
勢いでシンは振り返るとヨウの後ろに畜生がいた。その畜生は他とは違い棒を持っていて、服を着ていた。
「危ない」
咄嗟に動いたシンはヨウを庇い畜生に棒で頭を殴られ血を流して地面に倒れた。
ヨウは腰が抜けその場に座り込んだ。
シンも動けない状態、絶体絶命のヨウだったがその畜生はすぐに襲ってこない。
男性器も勃起しておらず、今までとは様子が違う。
震えるヨウを畜生が担ぎ上げどこかに連れていこうとした。
だけど畜生は足に違和感を覚えその場に止まる。足下を見る、するとシンが畜生の足を掴んでいた。
「待てやこのくそキショ野郎が」
畜生は持っていた棒をもう一度シンの頭目掛けて振りかざした。
その一撃でシンの手は緩み畜生は歩きだした。
「待てや……」
「シン」
助けを求めるヨウに手を伸ばすが届かない。
「ヒマ……」
目の前がボヤけてゆき、シンの意識はなくなった――




