第十四話 修羅道3 / 出会った美人
「……あなたは、大丈夫?」
不意に現れた美人。だけどその言葉に違和感を覚える。
「あなたは?ってどういうことですか?」
「ここに来てから誰かに襲われてばっかで、だから……」
美人の発言とそれに伴う状況を理解したヨウは敵意はないと、アピールした。
それを知ると途端に崩れるかのように座り込んだ。
ヨウはその美人にかけよった。
「ごめんなさい、力が急に入らなくなって」
その美人は近寄っても美しさが変わらない。ヨウは綺麗な人は遠くでも近くでも綺麗なんだなと、思いより羨ましくなった。
美人は駆け寄ってきたヨウの手を掴みこう言った。
「誰かに暴力を振るわれそうでずっと怖くて……」
つかまれてる腕からも震えが感じ取れる。
ヨウもついさっき怖い思いをしたが、それ以上にこの美人は怖い思いをしたんだなと感じたヨウは美人の手を掴み返した。
「……名前、教えてくれませんか?」
唐突にそれを言われた美人。少し困惑しているようすだ。
「あ、すみませんいきなりで。だけどお互いがもっと知り合えば、その感情も和らぐと思って」
名前を聞かれた理由、それにフフッと微笑した美人は「レイよ」と名乗った。
それを聞いたヨウは聞いたことがあるような気がしたが、『気がする』程度なのでスルーして自分も名乗った。
その後レイはいままでの緊張が解れて抜けた力が少しずつ戻りゆっくりだが立ち上がった。
「なんだか心配かけすぎちゃったね。ヨウちゃんはいくつ?」
「十五歳です」
「へぇ~、十五歳ね……。しっかりしてるね私より」
「そんなことないですよ」
ヨウは満更でもない、感じですニコニコと笑みを浮かべる。
ここで私は不穏な空気をちゃんと感じ取るべきでした。
私は地獄でいくつかの思い出したくない経験をしました。はじめては――
二人はその後、意気投合したのか周囲に気を付けながらも和気藹々と話しながら歩いていました。
「レイさんって何でそんな美人なの?ほんと羨ましい」
「そんなことないよ」
「そんなことあるよ、私なんてほんと貧相な身体だし」
「ヨウちゃんはまだ成長期、これからよ。それに中学生が素で一番かわいい時期なんだからね」
「そうなのかな? けど私どれだけたってもレイさんに勝てるきしないよぉ」
「わたしの年齢は三十よ、結局年齢には勝てないから大丈夫」
そんな会話をしながら二人は森の奥へと進んでいく。
少し進んだ先に分かれ道があった。どっちに進もうかヨウが悩んでいるとレイはこっちに行きましょ、と言い分かれ道の右へと進んでいった。
ヨウは後ろに付いていこうとするとキムワが現れた。
(ヨウ、なんだか嫌な予感がする。レイとは離れて)
「んー、そんな感じはしないけどな」
(けど危なくなったらすぐに逃げるんだよ)
「うん...…わかった」
そのときレイからどうしたの?と言われヨウはすぐに後を追った。
付いて歩くがキムワの行ったことが気になりレイと先ほどのように話せない。
そういえばとヨウは思った。餓鬼道の時は出会う人全てが空腹と乾きに苦しんでいたが、ここで出会ったレイは修羅道の事象を受けていない。不思議に思いそれとなく聞こうとすると、とある洞穴が見えてきた。
少し先にある洞穴が気になり意識が逸れる。
「ヨウちゃんって若くていいよね」
突然の言葉に困惑する。驚きつつも、さっきと同じような反応を示した。
「それに肌も綺麗で、何と言っても可愛い」
言ってることがよくわからない。そのときヨウはレイの雰囲気が違うことに気付くのと同時に危険なムードな感じがした。
けれどどれも自身が勝手に感じてるだけで、危ないと決めるだけの材料としては直感だよりすぎると、考えたヨウは怪しみながらも付いていく。
洞穴がどんどんと近付いてくる。目の前に立ったとき奥は薄暗くてよく見えなかった。けれど目を凝らしてよーく見てみると奥にはヨウと同じくらいかそれ以上の女の子が何十人も倒れていた――




