一緒に祭り行こや
「明後日の夜、空いてる?」
「部活終わりでいいなら空いてんで」
「部活終わりなら18時くらい?」
「そやな、そんくらい」
「なら、一緒に祭り行こや」
「ええで。明後日の祭りやと、花火もあるし結構人おるんちゃん」
「多分、多いと思う。離れやんように手繋ごな」
「嫌やわ、汚い。なんでお前と手繋がなあかんねん」
「お前、まだ俺が小学校のときにトイレの後、手洗わんかったの引きずってるやろ。さすがにもう手洗ってるわ!」
「でも、今は手洗った後にハンカチで拭かんと、髪の毛直すのに丁度ええわって、髪の毛で拭いてるやろ」
「うん」
「穢らわしい」
「ディスが酷なってるやん」
「小学生のそれと比較したら軽蔑具合も増すやろ」
「ほんま、長谷川って口悪いよな。明後日が心配やわ」
「なんで明後日の心配されなあかんねん。お前とはいつもこんな感じやろ」
「明後日は3人や」
「聞いてない、話変わってくるぞ。誰やねん」
「えりちゃん」
「え?」
「り?」
「もうええてこのノリ。天丼なってるやん」
「お前が振るからやん。しかも、俺らといえばこのノリやろ?」
「いつからやねん」
「俺らとえりちゃんは関連するコンテンツとして紐付けされてるから」
「勝手に紐付けすんなよ」
「赤色の紐ならよかったのに、、」
「玉砕したお前の返り血で真っ赤に染めたるで」
「なんで玉砕前提やねん」
「記憶なくなったんかい。お前がすでに振られてるからやろ。玉砕過去形やねん」
「言い過ぎや!いてこますぞ!!!」
「ごめんごめん。てか、俺ら2人と行ける女子とか、渡邊さんやなくて、あずさしかおらんくない?」
「あー、あずさは生物学的な分類は女子やけど、俺的な分類でいうと女の子ちゃうから別や」
「あずさもお前は男ちゃう言うてたわ」
「あいつ、絶対いてこます」
「器小さ。お前が言うのはよくて、あずさが言うのはあかんのかい。プライドだけがデカなってきてるな」
「いや、俺身長もデカいから」
「昔はデカいなー感じたけど、今はそんなにやろ」
「今、173.8やで」
「一年のときは?」
「174.2」
「もう老化始まってるやん」
「ちゃうわ!誤差や誤差。だいたい、保健室のお姉さん、俺より身長低いのに正確に測れるわけないねん」
「保健室の先生、もう70手前やぞ。お姉さん呼びすんなよ」
「なんでやねん。レディーはいつまでも若いねん。てか、普通に綺麗じゃない?俺全然いけるねんけど」
「穢らわしい。年配の先生をそんなふうに見るな。これやから、猿みたいな男子高校生嫌いやねん。女の人ならなんでもええ思ってる」
「お前さっきから穢らわしいってなんやねん。流行ってんの?」
「俺の中で大流行してる」
「やばいやん、ポンデリングやん」
「パンデミックな」
「そうともいう」
「そうともしか言わんねん」
「ポンデリングa.k.a.パンデミックや」
「あー、お前やっと英語でas know as習ったんや」
「その返し腹立つ!いてこますぞ、ワレェ〜〜〜」
「あー、お前やっと音楽でビブラート習ったんや」
「なんで、全部のカリキュラムお前らが先行してんねん」
「人生とカリキュラムは一緒やねん。愚か者を置いてどんどん進んでいくんや」
「誰が愚か者や。お前の隣で大人の階段ちゃんと登ってるわ」
「……」
「なんやねんその目」
「一体いつから、俺とお前が同じ階層にいると錯覚していた?」
「あまり強い言葉を使うなよ??」
「大丈夫、何があっても俺がお前より弱く見えることはないから」
「お前ほんまに労わるぞ、われぇ!」
「いてこませよ。てか、話脱線しすぎたわ」
「それが会話の醍醐味やからええやん」
「ちょっとグッとくること言うやん」
「やろ」