ジェイクとの決着
俺は息を整えながら立ち上がろうとした。体が重い。だが休む暇なんてない
「……はぁ、はぁ……」
純が隣で頭を押さえながら呟く
「……やっと、終わったのかよ」
智嬉も壁に手をついて、汗を流しながら言った
「倒したのは確かだ……でも…妙に静かすぎる」
その言葉に俺は頷いた。胸の奥に、まだ不安が残っていた。
(いや……これで終わりじゃない。ジェイク……そして、ディマイズ・ソード……)
その時だった。広間の奥から、ゆっくりとした足音が響いてきた
俺たちは一斉に顔を向ける
暗がりから現れたのは、―ジェイクだった
「……ゼレアがやられたか。ふん、こいつらの前では所詮無力か」
ジェイクの声は落ち着いていて、むしろ楽しんでいるように聞こえた
「ジェイク……!」
俺は棍棒を握り直す
「お前が黒幕か!」
ジェイクはニヤリと笑い、指先でゼレアの倒れた体を指す
「黒い血族はしぶとい。だが、所詮は過去の遺物だ 必要なのは、お前のその貴明の力」
純が立ち上がり、視線を向ける
「親父さんの力だと…!?お前がやってるのは破滅にしか見えねえ!」
ジェイクはゆっくりと歩を進め、俺たちとの距離に近づいた
「破滅の果てにしか新しい秩序は生まれない。ディマイズ・ソードさえ手に入れば……な」
その言葉に、俺の背筋が凍る。
「……やっぱり、剣を狙ってるのか」
智嬉が一歩前に出て、拳を構える
「てめぇに剣は渡さねぇ! ここでぶっ倒す!」
ジェイクは小さく笑った
「ほう……ゼレアを倒した直後で、その体でまだ戦うつもりか?」
その挑発に、俺は怒りが芽生えた
「俺たちは諦めない。ロダ様も……仲間も……守ってみせる!」
その名を出すと、ジェイクの表情がわずかに歪んだ
「王か……確かにまだ生きている。だが、囚われの王がどれほど役に立つ?」
純が叫ぶ
「ロダ様をどこにやった!?」
ジェイクはわざとらしく肩をすくめる
「知りたければ来るがいい。だがその前に私を越えねばならん」
ジェイクの全身を黒いオーラが包む
空気が一瞬で重くなり、呼吸すら苦しい
「っ……くそ、ゼレアの比じゃねえ……!」
智嬉が顔をしかめる
俺は棍棒を構えた
「ジェイク……! お前だけは絶対に倒す!」
ジェイクが片手を振り上げた瞬間、地面が揺れた。闇の波が広がり、広間全体を飲み込むように迫ってくる
「これが……“能力制御”の力だ。お前たちの力、封じてやろう」
俺は全身に走る重圧に耐えながら叫ぶ
「負けるか……俺たちの力は、そんなもんじゃねえ!!」
純が雷を纏わせようとするが、すぐに顔を歪めた
「っ……雷が……制御されてる……!」
智嬉も氷の力を出そうとしたが、力が不安定に弾けて消えた
「やべぇ……これじゃ能力が……」
ジェイクが薄く笑った
「無駄だ。能力者である限り、私には逆らえん」
俺は歯を食いしばり、棍棒を強く握った
「……なら、力が使えなくても……俺は戦う!」
その瞬間、背中に仲間の視線を感じた
智嬉が拳を握り、純が荒い息を吐きながらも立ち上がる
「滝、やれるもんならやってみろ!」
「俺たちも……まだ折れてねぇ!」
ジェイクの黒いオーラが渦を巻き、広間が闇に包まれていく
俺は棍棒を高く掲げ、踏み出した。
(ここで負けたら終わりだ。ロダ様も、剣も、未来も……全部奪われる)
「行くぞ……! 俺たちの戦いは、まだこれからだ!」




