ゼレアとの戦い
仲間たちは次々に立ち上がり、それぞれの準備に向かった
みづきはノートを手に取り、出発に備えて情報の整理を始める。瞳は回復のために、力を蓄えていた
俺も席を離れ、窓の外に目をやった
朝の光は穏やかで、空はどこまでも澄んでいた
だが、その下で俺たちを待ち構えているのは確実に地獄だ
「……よし」
俺は長い棍棒をホルダーに仕舞い、深く息を吐いた
純が近づいてくる
「滝、覚悟はできてるか?」
「……ああ、もう迷わない」
そう答えると、純はニヒルな笑いを見せた
「そうか……ならいい」
腕に巻かれた包帯はまだ痛々しいが、純自体の強さは変わらなかった
智嬉もやってきて、俺の背中を叩く
「お前の覚悟があれば、俺たちも戦える、だからちゃんと引っ張れよ、リーダー」
「分かってる」
智嬉の言葉が、後押ししてくれた
やがて全員が集まり、司令官から地下に行けとの指示があった
司令官は最後に俺を見て、低く言った
「滝。お前の決意が試される戦いになる。仲間を信じろ」
「はい」
俺は頷いた
次の瞬間、俺たちはテレポートでアジトの近くに立っていた。地面には黒い気配が漂っている。
「……来たな」
純が呟き、周りを睨みつける
俺たちは警戒しながら進む。石造りの廃墟のような通路を抜け、奥へと進んでいくと、やがて広間に辿り着いた
そこには、黒いオーラを背負うゼレアが立っていた
「おお……来たか、蒼山滝」
ゼレアの声は重く響き渡り、背筋に冷たいものが走る
「……ゼレア」
俺は棍棒を握り直し、前に出た
「滝!どうして来たんだ!」
純が焦ったように声を上げる
「お前たちを見殺しになんてできない!」
そう叫ぶ俺の声に、ゼレアが低く笑った
「ふははは! 愚かだな。お前が来た時点で、勝負はついている」
黒いオーラが広がり、空気が震えた
俺は前に出て言い放った
「ここで、すべての力を使い切る! 能力者でいられなくなったって構わない!」
純が驚き、目を見開く。
「何だって!? 滝、お前……」
俺は視線を外さずに続けた
「ゼレアを倒すまで、俺は絶対に諦めない!」
ゼレアが大きく両手を広げ、次の技を放った
「幻影呪縛!!」
俺も全力で棍棒を振り上げる
「天華乱舞!!」
竜巻が現れ、地響きが発生する
気がつくと、隣に純と智嬉が立っていた。俺の腕を掴み、共に踏ん張っている
「智嬉……純……!」
「飛ばされねえように支えてやる!」
「力を合わせるんだ、滝!」
三人の声が重なり、光と風と雷が一体となってゼレアに襲いかかる
轟音が広間を揺らし、壁が崩れ落ちる
「これで……終わりだあああ!!!」
光が収まったとき、ゼレアはボロボロの姿でまだ立っていた
「くっ…ははは……さすがだな、蒼山の血は…だが…カルテー二様との約束は……果たす……」
ゼレアの体が揺れ、血を吐きながらも再び俺たちへ近づく
「……まだ来るのかよ」
智嬉が身構えた
俺もギリギリで耐える
(……これ以上は……無理かもしれない……)
ゼレアが最後の力を振り絞って襲いかかる。
その時、純の声が響いた
「滝! ここで終わらせるんだ!」
俺は全身の力を振り絞り、棍棒を振り下ろした
「うおおおおお!!!」
仲間の声と共に放った一撃が、ゼレアを完全に打ち砕いた
黒いオーラが散り、ゼレアの身体は崩れ落ちる
「…蒼山……お前らが……」
最後に呟きを残し、ゼレアは動かなくなった
俺はその場に膝をつき、大きく深呼吸をした
「……終わったのか……」
智嬉が俺の肩を支え、純も隣に腰を下ろす。二人とも息が荒く、体中が傷だらけだ
それでも、こうして隣にいることが何より心強かった
「なんとか……倒せたな」
智嬉が力無くつぶやく
「……ああ」
だが俺の胸の奥には、冷たい予感が残っていた
(いや……これで終わりじゃない。ジェイク……そして、ディマイズ・ソード……)




