弟としての気持ち
「兄貴…兄貴!!どうしちまったんだよ!!」
「う…」
俺は圭介の叫び声に反応したかったが、カルテー二の力で起き上がれなかった 幸いにも意識はある
「お前はこいつの弟なのか」
カルテー二は意外そうな顔をした
「ああ、お前の憎い蒼山家のな!!」
圭介がそういうと、カルテー二は不敵な笑みをした
「ふははは!!面白いことを言うな小僧」
「なにが可笑しい!!」
「今まで散々、こいつを裏切って、兄のメンバーには入らず別行動を取っていただろう、スパイとして」
敵に勘づかれた圭介は罰が悪かった
「――バレていたのか」
「司令官!俺は兄貴のことを嫌ってはいません!!」
「嫌っていたら滝を攻撃するだろうしな 一体、なにが目的で別行動を?」
司令官にも話さず、俺も理由を聞いていなかった
「兄貴を守るためなのは間違いないんですが… 今回、目的が終わったのでようやく兄貴と戦えるんです」
「話せないのか?」
「兄貴は親父が好きだったから、カルテー二が許せないんでしょう? カルテー二に親父が殺されたから」
司令官は怪訝な表情を浮かべる
「まさか、君は貴明を嫌っていて…?」
「正直、いつも家に帰って来ない親父を嫌ってはいました 俺はまだまだ子供…寂しかったんです いつも 兄貴とは、戦うベクトルも違う… だから、迷惑がかかるかな、と」
圭介は申し訳なさそうな顔をした
「それで、今はどんな風に戦っているんだ?1人か?」
「いえ、仲間がいます けれど、事情を話したら1人で戦って来ていいと言われました それでトヴァースさんとも合流して」
司令官は頭を抱えた
「あのな、トヴァースは…」
「知っています 親父の生まれ変わりですよね」
「圭介…」
「親父は親父 トヴァースはトヴァース… 別物として考えています トヴァースさんはそもそも、ロダ様を守る役目ですから」
カルテー二は圭介の言葉に反応した
「シルヴァの国だが… ロダ国王意外、仲間が倒れているな」
「なんだって!? 」
「滝…頼む、起き上がれ!!私だ、トヴァースだ!!」
カルテー二は笑いながら答える
「無駄だ 先程大量に私の力を浴びたのだ それで起き上がれたら 骨のある能力者だと褒めるがな」
「くそ、どうして…お前が死んだら、誰もこの世界を、守る者がいなくなるんだ!!」
トヴァースは必死に俺に呼びかける
しかし、意識はあるのに俺の体は起き上がれない
――助けて…司令官、みんな…――
必死に司令官の脳内に呼びかける
「これは、滝の声!?」
「私だけの力だけじゃ、こいつを起き上がらせることは出来ない… 」
圭介は走り出し、アジトの出口付近で立ち止まった
「歪んだ空間がある… 仲間を再び助けられるか…」
「貴様!!」
カルテー二は圭介に技を放つ
「"幻影呪縛"!!」
「"天華乱舞"!!」
俺は無意識に起き上がり、弟が技をかけられる、と思い立ち上がって棍棒なしで技を放った
「滝!!!」
「俺の大事な弟に…手を出すな!!」
青いオーラが再び俺の体を纏う
「兄貴!!」
「良かった無事か!!」
「仲間が力を注いでくれたのが分かったんだ… カルテー二!!もう惑わされない!!」
カルテー二は悔し紛れに小型のナイフを俺に投げかけるが、俺は瞬時に避けた
「さすが貴明の力を秘めた能力者だ 武器なしでも戦うとは」
「どんな状況でも、仲間を守ってみせる!!」
<挿絵>
能力のオーラが、更に力を増して溢れ出す
「おお、滝のオーラが…」
「カルテー二、仲間を返してもらおう」
トヴァースは右手を歪んだ空間へ翳し、強力な力で俺の仲間をアジトへ帰還させた
「ああっ!?」
「今まで、悪夢の空間にいたのに!?」
「悪い…夢を見ていたな」
俺は仲間の顔を見て一気に安心感が沸いた
「みんな!!」
「滝!!」
「ふ、仲間の友情か… 貴明の時は、誰も助けに来ないで最期を迎えていたな」
司令官は俺に近づいた
「滝 武器を奪ってすまなかった」
「司令官…」
「ここまで来たら、カルテー二を倒すだけだ 迷いを見せるな!!」
「はい!!」
棍棒には、司令官の力が加わっていた
「兄貴、俺も戦う!!」
「圭介!!」
カルテー二は城のオブジェを力強くで壊した
「ああっ!?」
「ロダ様!!」
「こんなものはただの飾りだ 本拠地はまだあるんだろう?トヴァース」
「ああ だから、俺が現代の世界にも行き来できるんだ」
「私の力が強くなれば、ロダ国王の国の破壊もそう難しくはない となればシルヴァも倒せる」
カルテー二は壁に立てかけていた金色の剣に、自らの力を加えた
「これで、シルヴァ・トラーズを倒す!!」
「司令官!!」
司令官は未だ黙ったままだった
「司令官!!!」




