能力者たちの対立
司令官達がいるアジトの入口付近では
俺が黒い姿の敵に囲まれているのと同じように司令官達も取り囲まれていた
「お前は!!」
智嬉が上を見ると、カルテー二がすぐ目の前にいた
「お前たちリメンバーズ共 リーダーの蒼山滝共々に共倒れになるがいい」
「滝がすぐそこにいるのか!?」
智嬉が真っ先に俺の事を心配した
「貴様は体がボロボロになってもリーダーを心配した仲間…」
「ああ、俺の体がどうなろうと、リーダーを守る!!」
「カルテー二、滝をどこへやった!!」
「貴様もいたのか 憎たらしい小僧共」
カルテー二は智嬉たちを能力でバリケードを作り出し、包囲した
「ああ!?」
「どこにも行かせん お前たちはそこで敵にやられてしまえばいい」
「滝を助けなきゃ…すぐ近くにいるっていうのに」
純は無数にいる敵を倒しながら俺のことを思っていた
「そんなにあいつのどこがいいのだ 地球を破壊する程の力を忍ばせているのは確かだ」
「お前には分からない…あいつは、自分なんかどうでもいいんだ、仲間を守るためなら」
<挿絵>
「――貴様…」
俺はなんとかギリギリ敵を倒すのに間に合い、カルテー二の後ろから棍棒を突き刺した
「あいつらなら倒したぜ? カルテー二」
「滝!!」
カルテー二は後ろに仰け反ると、腰に手を抑えながらアジトの中心部へ走り去っていった
「待て!!」
「追いかけるぞ!!」
カルテー二の中心部は天井から光が差していた
アジトは城のように内部が広い
「私は必ず…この街を…破壊する…」
「私が生きている限り、それは不可能だ」
「もう追いついたか シルヴァ」
俺は棍棒を再び構える
「親父が守りたかったこの街を破壊させるわけにはいかない!!」
「最後は自滅して能力で破壊したんだ 幸いにも小規模で済んだがな」
「もう悲しい悲劇は見たくない!!」
カルテー二はモニターで俺たちの街を見渡す
「貴明は最後この街共々消え去りたかったのだ 自分の能力の高さ故、大切な人を傷つけてきた シルヴァ、間違いないな」
「ああ…確かに間違いはない」
司令官も仕方なく首を縦に振った
「司令官!あんたがうなづいてどうするんだよ!」
傍にいた純が抵抗する
「純 お前も一時期は貴明のことを好いてはいなかっただろう?」
「……っぐ」
「どんな理由であれ、俺は悲劇をもう、見たくないんだ!!」
親父は街を破壊したくてしたんじゃない
最後は能力がコントロールできなくて自滅をしたんだ
「滝 この街を破壊すれば悲しい戦いも終わるぞ」
「カルテー二… 親父が倒せなかったお前を、親父の力を受け継いだ俺が倒す!!」
「そうしてまた悲劇が生まれるのか」
「!!」
カルテー二は右手を高く上げ、俺に技をかけた
「"幻影呪縛"!!」
「ああっ!!」
「さっきの仕返しだ 悲しい思い出に悶え苦しめ」
「お前が…親父を…っ! あぁぁぁ――っ!!」
「滝!?」
智嬉は俺に心配になり駆け寄ったが、俺は棍棒を負けじとカルテー二の腹に突き刺す
「なに!?」
「だから…今の俺がいるんだ…カルテー二… 親父がくれた力で強くなって、この街を…守りたい…」
司令官は俺の様子を見て焦っていたがジッとこらえていた
「司令官、周りにまた敵が!!」
瞳とみづきは力が弱い 敵に囲まれたら一大事である
「"制御解除"!!」
カルテー二はたたみかけて俺に再び技を放つ
「カルテー二…っあああ……っ!!」
「滝!?」
「これはまずい、滝が貴明の力を使えば」
「っふ そいつを使ったら所詮それまでの能力者だったってことよ」
カルテー二の言葉に怒りとなった司令官は勢いで走り出し、俺の体を庇った
「滝、滝!!」
「司令官… ごめん…やっぱり、約束…守れないや…」
視界も朧気で、立っているのがやっとだった
「しっかりしてくれ!!」
「それ、そいつの暴走がはじまり、街を破壊する」
体が言うことを聞かない 能力で仲間を次々殴り倒していく
「滝!!」
唯一止められたのは、純の存在だった
「なに…!?」
カルテー二は悔しそうに純に睨みつける
「俺も、お前が大事なんだ!! 」
「……!!」
「滝、構わん 倒せ」
「カルテー二、貴様は私が倒す!!」
司令官は俺が打撃を与えても耐えていた
「何年ぶりだろうな シルヴァと戦うのは」
「私とカルテー二の力がぶつかり合えば…滝も、みんな死ぬかもしれない…」
「なんだって!?」
純は俺を押さえつけながら仰天した
「純、智嬉、早めにアジトを退散してくれ」
「嫌です!! 司令官を置いてなんて!!」
カルテー二は不敵な笑みを浮かべた
「まるであの時と同じだな 貴明が死ぬ寸前を思い出したよ」
「貴様 いつまでこの戦いを続ける気だ 何年も…いや、何百年も!!」
「先代のあのお方の意思を私は継ぐ この世界を破壊する!!」
「そんなことさせるものか!!」
司令官はとうとう本気になり、衝撃波で俺たちを遠くへ吹き飛ばした
「うわぁぁっ!!」
「皆、ごめん 無事でいてくれ」
司令官は俺の気配に気づいた
「……君か」
「シルヴァ・トラーズ…貴様をコロス」
カルテー二は高笑いをした
「っはーははは!! 私の技が効いているな!!」
「やってみるがいい 滝 君が納得するまで、私は止めない」
「"蒼山滝"、シルヴァ・トラーズ排除!!」




