国王 ロダ・クニドス
「くっ…ここで死ぬのか…俺は…」
朧気な目で城のオブジェをずっと見ていると、微かに声が聞こえる
"滝くん!!私の声が聞こえるか!!"
「……!?」
(ついに俺も幻聴が聞こえるか?)
俺はやっとの思いで気力が戻り、棍棒を強く握りしめて傍にあった椅子に座った
「はは、ついに俺も幻聴が聞こえるか」
"聞こえるんだね!?私の名前は、ロダ・クニドス、シルヴァトラーズを管理している者だ!!"
「……ロダ、クニドス…確かに聞こえる…」
"このオブジェは、カルテー二の物だが、私たち国がこのアジトを見張るオブジェでもあるんだ"
「大体、あなたは何者なんです?」
俺が気だるそうに聞くと、オブジェから声がした主のビジョンが映し出された
「これは、この城の映像?」
"滝くん、はじめまして"
「あなたが、ロダ・クニドスさん…?」
威厳のある出で立ちで、頭に冠をしている 司令官が守っている国の王が現れた
「滝くん ようやく君の顔が見れた」
「はじめまして…蒼山滝です」
「君は、能力者のチームのリーダーになったんだね ……私としては、複雑だ…これは運命なのか」
俺は司令官が話していたことを思い出した
「あなたが、親父が守ろうとしていた国の、王様?」
「そうだ蒼山貴明には…とても悲しい悲劇を…っ」
「司令官からもよく聞いていましたよ」
持っていた通信機から突然、司令官から突然通信が入った
『滝!!今どこにいる!!』
「司令官!?今、国王様と話してて…」
『なに!?ロダ様が?』
「アジトの中だけど、どうやらあちらの世界と距離が近い場所らしいんです」
司令官は頭を悩ませ、亜空間の中でまだ瞳で待機している
『どうにかして、私たちもそちらへ向かう』
『滝!!今仲間も集まってきてるわ!!』
「瞳!!」
俺は仲間の声を聞いて安心した
「瞳、必ず、生きて帰るから!!」
そういうと、カルテー二の気配がした
「貴様…ここがアジトだということを忘れていないか?」
「カルテー二…」
「ふ、ここは捕らえた能力者を眠らせ、力を吸い取る場所…よく話せる気力があるな」
体力が削れている中でも、カルテー二を睨みつける
「やはりさっきより疲れやすくなっているではないか 強がりはいかんな」
「許さない…親父も、ここにいたのか!?」
カルテー二は傍にある小さい城のオブジェを見ながら話す
「貴明が守ろうとしていたこの城…なぜか分かるか?」
「……!?」
「この地球を守る力どころか、破壊する力を持ってしまったんだ 力を発散したいがそれでは破壊してしまう それでシルヴァの国も守ろうとしたんだ」
俺は半信半疑でカルテー二の話を聞いていた
「異世界の国までも守ろうとした、それが後に私と出会い、戦う運命になってしまう っふ、哀れな父親」
「……っ」
カルテー二は俺の手首に腕を上げた状態で縄を縛りつけた
「なにをする!!」
「体力が半減になり抵抗もできまい しばらくそこで大人しくしていろ 貴様の仲間がもう到着しているな」
「えっ…?」
ここはアジトのいわゆる神殿の中、許された能力者でないと侵入出来ない場所らしいが
「私が1人残らずあいつらを倒す お前の力のおかげで、私のアジトは力を蓄えている 仲間を倒すにはそうそう時間のかからないこと」
俺は身体の奥から、じわじわ能力が復活してくることが分かった
(これは…ロダ様の力!?)
カルテー二が傍からいなくなると、再びロダ様のビジョンが現れた
"滝くん!!まだそこにいるんだろう!?"
「今、カルテー二が、仲間を倒すって言ってました けど…俺は縄で縛られて、仲間を助けられなくて」
"今シルヴァから連絡があった、もうすぐの辛抱だ 私も助けてあげたいが…私の国も、カルテー二に狙われて"
ロダ様の国もカルテー二に狙われている、と聞いて俺は更に怒りがふつふつと湧いてきた
「親父が守ろうとしていた国が、地球を破壊するために利用していただなんてそんなのあるわけないだろ!!カルテー二が親父の力を利用したかっただけに過ぎない!!」
俺は怒りの反動で縄を力強くで解き、いつの間にか普通に起き上がれた
「ロダ様…俺は…カルテー二を倒したいです」
"君なら倒せる 私が、君に力を与えたのだ 気づいていたか?"
やはり、俺に力を与えていたのはロダ様だった
「ロダ様…あなたも、能力者なんですよね」
"ああ はるか昔に異形のもの達が侵入してきて、それで私の国に能力者、が必要になったのだ"
「この地球にも、どうして能力者が」
"それは"
ロダ様が言いかけると、突然ビジョンが消えた
「ロダ様!?」
消した相手は、黒いクローク姿をまとった者が、何人も集まってきた
「誰だ…お前ら」
「コロス…アオヤマ…タキ…」
「かかってきな!! カルテー二の仕業だろうが、俺はお前らも倒してやる!!」
<挿絵>




