燃え上がる思い
「司令官!!」
「滝 間に合って良かった」
「さすがシルヴァだなあ 王族を守ってきただけのことはある」
司令官はドルクに言われ、拳を強く握る
「貴明の次はこの子を狙うとはな この世界を破滅に導くなど、許さない!!」
「俺も、絶対に力を解放したりしない!!」
俺も再び武器を構える
「っく、ははは…!! 嫌でも力を解放したくなるさ」
司令官の体を力で持ち上げるドルク
「なに!?」
「司令官!?」
俺は動揺して躊躇っていると、ドルクは亜空間から司令官を追い出した
「滝――っ!!」
「司令官!!」
「っはははは!! 上司がいなくても、戦ってみせろ、滝!!」
「……許さない、許さない、ドルク!!」
俺は棍棒を振り上げ、必殺技を放つ
「"地よ砕け、天よ、我に力を!!"」
「"幻影呪縛"!!」
「"天華乱舞"!!」
<挿絵>
ほぼ同時に2人の技がぶつかり合った
「はあ、はあ…… どうして、効かないんだ…」
俺は体がふらつきはじめた
「くく… 私のこの亜空間の中では、何もかもが無力!!」
「親父…力を、貸してくれ…みんな…」
「そのみんなは、道を閉ざされてお前に会う術もない」
俺は技に耐えられず、亜空間の中で倒れてしまった
「くっ、みんな…!!」
亜空間と激闘している最中、司令官は瞳の実家へ飛ばされていた
「シルヴァ、久しぶりね」
「峰子 」
「司令官とお母さんは確か仲間同士だったのよね」
「ええ、そうよ そして、シルヴァは私のことが好きだった…って噂もあるわ」
それを聞いて、瞳は驚愕した
「えっ!? 司令官が、お母さんを?」
「峰子…そんなことを言ってる場合じゃないだろう」
「航介が昔言っていたのよ」
「うちの親父じゃねーか」
智嬉がぼそりと言う
「あら、あなたが航介さんの息子さん?」
「はじめまして、根口智嬉です」
根口、と聞いて峰子さんは体を強ばらせた
「根口…そう、 あの父親は、貴明さんをあまり好いてはいなかったのよね」
「はい、俺は親父が半分、滝を殺す気でいたのを、必死に食い止めていました」
「辛かったわね」
智嬉は首を横に振る
「いいえ… 俺が滝を守る、親友だからこそ 当たり前のことをしたまでです」
「たくましいわ」
「滝は、どこにいるんです!!」
峰子さんは客間にある司令官室と同じモニターを開いた
「滝くんは、今亜空間にいるのよ」
「助けにいかないと!!」
「どこにも亜空間への道は通じていないわ… 滝くん自身が、なんとか自力で脱出するしかないわよ」
峰子さんも、昔は情報支部でサポートにまわっていたらしい
まだその名残が残っている
「くそっ…俺はなにもできない…!!こんな時に…!!」
「シルヴァ 滝くんを、どう救出する気?」
峰子さんがそう言うと、司令官は頭を抱えた
「道が通じない、か… ならば、無理やりにでもこじ開けるか」
「そんなことしたら、我が家は」
「大丈夫だ 用事が終われば、直ぐに閉じるさ」
司令官は特殊な力を使い、能力で亜空間へ通じる道を作り出した
「純 智嬉 万が一の為に、ここで待機していてくれ 私と瞳で滝を助ける」
「なっ…戦う能力者がいなくていいんですか!?」
「……私も、怒りで燃え上がっているのだよ やられっぱなしでいる私ではない」
司令官はクロークのフードを取り、銀髪を見せた
「私も、滝を助けに行きます 力は弱いかもしれませんが」
「回復してくれ、滝を ……いくぞ!!」
そうして再び司令官は瞳を連れて俺がいる亜空間へ走り出した
「はあ、はあ…力が、抜ける…」
「私の亜空間が、お前の力を吸い取り、最強のアジトに生まれ変わる 私はまた、この街を、破滅に…!!」
「そうはさせない!!」
うつろな目で、俺は司令官の声がする方向へ目を向けた
「司令官……?」




