1人にさせない
「全く…あの貴明が復活するとは この街に異変が起きなければいいが」
「司令官 今回の戦いで、色々聞きたいことがあるんですが」
司令官は俺の顔を見て全く休まないことに驚いていた
「いいのか? 具合悪くないのか?」
「多少疲れましたが、なんとか大丈夫です それより、トヴァースって、一体?」
「先程も話したが、君の父親の生まれ変わりだよ」
「親父は、俺を守るために生まれ変わりなんかを?」
司令官は首を横に振った
「少し違うな トヴァースは、私の住んでいる国を、守るために派遣した そして、私は君たちの国を守るためにここに来た」
「親父はその両方を守りたかったんですね」
「ああ… しかし、1人だけの力では守りきれなかった」
俺は腕組みをした
「司令官…親父に協力はしたんですか?」
「一緒に戦ったが、結局最後は1人で戦ってしまったのさ それで自爆した」
「……っ!!」
「滝 君は1人でなんか、戦わないでくれ 」
俺が答えに迷っていると一瞬のうちに亜空間に変わってしまった
「なっ!??」
「滝、カルテー二の仕業かもしれん!!気をつけろ!!」
「言われなくても分かってますよ!!」
瞬時に俺たちは戦う構えをしたが、中々敵が現れない
「くっ、なんのつもりで亜空間を…!!」
すると、俺が独りでに体が宙に浮かぶ
「うわっ!?」
「滝!!」
"嫌でも1人で戦わせる状況にしてやる…"
聞き覚えのある敵の声に、司令官は急いで仲間を呼び出す
「司令官!?今警報が…って、これはなんですか!?」
「暗い…まるでブラックホール…」
純は辺りを見渡す
「滝が大変なんだ!!敵に呼び出された!!」
「なんだって!?」
俺は、なぜか瞳の実家へ飛ばされた
瞳は今実家にいる
「うわああっ!!」
テレポートでちょうど瞳の部屋へ着いた
「えっ!?滝!?」
「瞳!! 驚かせてごめん!!」
「いや、それはいいんだけど、どうしたのよ?」
"嫌でも、お前1人で戦わせる、と言っただろう"
俺は敵の声がした方向に顔を向けるが、敵がいない
「くっ…どこにいる」
"小娘 お前がそやつと一緒に戦わないのは、蒼山家が憎いからか"
急に敵に話を振られ、焦る瞳
「違うわよ!!」
「瞳!騙されるな!!」
"なら…滝という小僧が好きか"
敵の心理作戦に、引っかかる瞳
「……っそれは」
「答えなくていい!! おい!!早く姿を見せろ!!」
俺は瞳の体を庇う
"貴様の反応を見れば分かるんだよ 憎い…幸せなど、こいつに与えられるはずがない!!"
「俺には、幸せなんてなくていい!!仲間が死ぬぐらいなら、俺は!!」
"な、に…!?"
敵の声に勘づいたのか、下から瞳の母親が現れた
「どうしたの、滝くん!!」
「峰子さん!?」
「……またあなた、こんなことしてるのね いい加減に姿を現しなさい」
峰子さんは能力がまだ高いままだった
観念して姿を表したのは、ドルクだった
「ドルク…貴様っ!!」
殴りかかろうとすると、峰子さんは止めた
「滝くん、やめなさい」
「どうして!?」
「……っくくく… 大切な人を殺して、あの時と同じように貴明の力を爆発させようとしたが…貴様には、大切な人がいないか」
俺はたまらず、棍棒でドルクに攻撃する
「それが狙いか!!」
<挿絵>
「大切な人がいないなら、死んでも、失うものはないなあ?」
「なに……?」
俺がためらうと、通信機が鳴り司令官の声がした
『滝!!今どこだ!!』
「今は瞳の実家です!!」
『良かった、無事だな 今から私たちもそちらへ向かう!!』
瞳は司令官の言葉に動揺した
「えっ!?お母さん、いいかしら!?」
「……シルヴァの声でしょ 今の 構わないわ 滝くんも危ないし」
「うちのチーム、5人いるんだけど」
瞳がそういうと、ドルクはニヤリと笑った
「滝… 大切な人がいないなら、仲間が死んでも悔いはないな」
「なんだと…!? 許さない!!俺だけを狙え!!」
「嫌でも1人で戦いたくなる、とはそういうことさ 来るがいい!!」
「待ちたまえ!!」
ドルクが俺を戦いに寄こす気でいたが、司令官が間に合って到着した
「……司令官…!!」




