*Twitter*【#140字小説】No.291~300
No.291【#書簡をしたためる】
《あの頃の私は平常心を保てず癇癪を起こし、不満をぶつけてしまっていたと反省している。》久方ぶりに私は筆を執る。《ご容赦いただければ、再びそちらへ伺いたい。》よし、素直に許しを請うた。《妻とも話し合った。然れども、値引きの時間は早めてもらえると助かる。》うむ、ご意見箱に投函しよう。
No.292【#説得力】
「今のは聞き捨てならない。俺の娘を"こんな"呼ばわりしないでほしい。これでも大事に育ててきたんだ。成績が悪くても、挑戦もせずに諦める子にはなってほしくないと願っている!」熱いお父さんだ。「"こんな私なんて"など二度と言うな!」「ごめん…お父さん。」「わかったら素直に宿題やれ。」へい。
No.293【#アイスについて私の私による私のための選択】
私は、暑い日にはやっぱりアイスクリームが食べたいけどアイスといってもソフトクリームにジェラートはたまたシャーベットという選択肢もあるし実はかき氷も捨てがたくシロップは断然いちご派だけどブルーハワイもいい。ところでシャーベットとかき氷の違いはなんな「溶けるから早く食え。」「はい。」
No.294【#餃子タレについて俺の俺による俺のための正義】
俺は、ラーメンには餃子セットが基本と思うけど白飯やチャーハンにしたい気持ちもわからないわけではない。何より大事なのはタレで餃子はラー油酢醤油の王道で食べたいが酢コショウが好きと言う通もいるがあの辛味酸味塩味が挽き肉の肉汁との相乗効果で口の中はもう「熱いうちに早く食え。」「はい。」
No.295【#鏡よ鏡】
私は毎朝鏡の前に立ち、全身チェックを怠らない。顔も顎ラインも二の腕も完璧。お腹も見事に引き締まり…からの、この美脚!言うことなし!「んもぅ…見惚れちゃう♡」「鏡に貼ったモデル写真じゃなく、鏡に映った自分の現実を見なさい。」「お姉ちゃん!ノックしてよね!」「朝食抜く?」「食べる♡」
No.296【#待ってる】
まったく、この女はワガママで奔放で気分屋で相変わらず泣き虫だな。そんで今日は、いつにも増して綺麗な女神のようで見惚れて目が離せないから、瞳から溢れた涙を拭う役目も貰うんで、宇宙で一番輝く可愛い泣き笑いで、俺の元へ歩いて来てください。どんな君でも一生離さない。永遠に愛すると誓うよ。
No.297【#待ってて】
まったく、この男は気が利かなくて優柔不断で相変わらず呑気なものね。でも今日は、珍しく凛々しい王子のようで素敵な姿を見つめてしまうから、溺愛をお返しされる覚悟を決めて、宇宙で一番煌めく温和な泣き笑いで、祭壇の前で私を迎えてください。どんな君でも一生逃がさない。永遠に愛すると誓うよ。
No.298【#謎の風邪】
「#謎の風邪ってのが流行ってるらしいよ?」ドキッ。「…実は私、喉がイガイガするんだよね。ヤバイかな?」また流行り病みたいに、白い目で見られたりしたらマズイよね。事実、ダンナの顔が引いてっし。「え、ヤダ!大丈夫だって!」…たぶん。「それは、タバコと酒ヤケやんけ。」うるせぇ心配しろや。
No.299【#優秀なバカ】
「ねぇ、バカなのかな?」「あぁ、バカなんだろ。」「何それ!私はマジメに話してるのに。」「ちゃんと聞いてるよ。」「"嫌よ嫌よも好きのうち"って変換したら"好き農地"て、予測変換がバカなのは私がバカなんかな。ちなみに"嫌よ嫌よ"は"厭よ"とか出て読めんかった。」「や、"いやよ"て読んだだろ。」
No.300【#聞き上手】
ふぅ。「あ、ごめんね?凄い愚痴っちゃって…」「全然平気!私は聞くしかできないけど、何でも話してよ!」「ありがと!」やはり持つべきものは友だな!「話聞いてて思ってたんだけど…」右眉に人差し指を当てる友達。「眉のこの辺に、ずっと明太子ついてるよ?」それ気になって話聞いてなかったよな?