表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/126

#96 前途多難なチーム始動

「次は私の番っすね! 先輩の幼馴染にして永遠のライバル、白金琥珀っす!」


 元気よく自己紹介しながら琥珀も立ち上がる。

 いや待て、お前も立つ必要はないだろ!

 嫌な予感しかしないが。


「この中じゃ先輩とは一番付き合いの長い、大の仲良しなので、左腕はもらうっすよ!」


 言いながら琥珀は俺の左腕に抱きついてきた。

 や、柔らかい。琥珀もなんだかんだで発育いいんだよな。

 ってイカン。キミも離れなさい。

 俺が文句の一つでも言おうかと思ったところで、膝の上に座ったままの光流が口を開いた。


「私も自己紹介させていただきます。お兄様の従妹の火神光流といいます。

 その昔、両親が海外に転勤することになったのですが、私がいないと寂しくて泣いちゃうー、ってお兄様に引き留められたので、日本に残って今は日向家でお世話になってます」


 待ってー、子供の頃の恥ずかしいエピソード今引っ張り出してこないでー!


「お兄様はホント寂しがり屋さんなので、私がいないと駄目なんですよ」


 ニコーっと微笑みながら光流は俺の胸に体重を預けて密着してくる。

 右手に水零、左手に琥珀、正面からは光流に抱きつかれた状態。

 頼む。そろそろ勘弁してくれ、流石に夜宵の視線が痛いんだよ。

 ほら、目を白黒させながらこっちを見てるし、絶対引いているよ!

 違うんだ夜宵。俺は夜宵一筋だから。

 そんな俺を見て、夜宵は控え目に言葉を吐き出した。


「えっと、ヒナってモテモテなんだね」

「違う! こいつらは俺をからかってるだけで――」

「えー、何が違うの?」


 否定の言葉は水零によって遮られる。


「私は太陽くんのこと、だーい好きだもん」


 言って、より一層右腕を強く抱きしめる水零。


「私も、お兄様のこと、だーい好きです」


 俺の胸にぐりぐりと頭を押し付けて甘えてくる光流。


「私も先輩のこと、大好きっすから」


 前の二人ほど積極的になれず、少し照れた様子ながら、琥珀も俺の左腕を抱き寄せる。


 お、おかしいぞ。

 俺はこのメンバーなら仲良く楽しく魔法人形(マドール)で遊べると思っていたのに。

 ひょっとしてとんでもなく面倒なチームを組んでしまったのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ