SSS級モンガイジの俺(ポカン)は無能だと蔑まれて追放されました。 〜今更実力がわかったからって擦り寄ってきてももう遅い。俺はハーレム作って楽しくやっています。〜
「ポカン、お前をモンガイジ協会から追放する!」
突拍子も無くそんなことを言われ彼が面食らっている所にモンガイジ協会会長のジュンパ・クノミコ・ギルが立て続けに言う。
「大体、貴様の様な無能がSSS級モンガイジという事がおかしいのだ!貴様に二度とモンガイジを名乗る資格は無い!貴様をモンガイジ協会から永久追放する!更にこれまでに得た財産も押収させてもらう!グフフフ....今頃私の部下が貴様の家から金目のものを持ち出している頃だろう。」
「なっ!?い、いいいい幾らなんでもやり過ぎだ!しかも追放される意味がわからない!ちゃんと説明しろ!」
流石の処遇に流石のポカンも大きな声を出してしまった。
しかし、ジュンパ・クノミコ・ギルはそれを嘲笑いながら手を叩き一言、
「つまみ出せ。」
すると屈強な男達が現れポカンはモンガイジ協会の敷地外に放り出された。
「う、ううう.........」
突然の追放によるショックと放り出された際の衝撃でふらつきながらも帰路に着く。そして家に帰って目に入った光景を見てポカンは紡ぐ言葉を見失った。
そう、何も無かったのである。今まではSSS級モンガイジの証としてのXFLAGのシンボルが大きく飾られていた大きな黒い豪邸は焼き尽くされ、残っているのは焼けくずになった気と立ち込める煙のみだった。
「そ、そんな......俺が一体何をしたって言うんだ......うぅ.........」
幾ら思い返しても追放される理由、家が燃やされている訳が見当たらず泣き伏せる。
そうして三日三晩が経った頃だろうか。
涙も枯れ果て感情を全てが洗い流されたポカンは果ての無い旅をすることに決めた。
今まではモンストをする事が全てだったがモンガイジ協会を追放された今公共の場でモンストをする事は出来ない。
モンストはモンガイジ協会によるライセンスがないと使用は出来ないとされており、もしライセンス非所持者がモンストをしている事が発覚した場合、全世界に指名手配と賞金がかけられ即時死刑となるのだ。
しかしこの世にはライセンスを持っていないのにも関わらずモンストをしている集団がいる。人は彼らのことを恐怖を込めて『障害児』と呼んだ。彼らとポカンが邂逅しモンガイジ協会に対し革命を起こすのはまた別の話である。
旅に出たポカンだが友達も居ないので頼れる相手もおらず、ふらふらと当てもなく彷徨っていた所にそれは聞こえた。
「キャーーーー!!!!!」
音の方に猛ダッシュしてみると一人の少女がモンスターに襲われていた。
今ここで少女を助けるにはモンストの力が必要だがそれを使ってしまえば自分が指名手配される可能性が極めて高くなる。
しかしポカンは迷わなかった。
「行けゴッホ!ストライクショット!」
ちゅどーん
モンスターは一撃で木っ端微塵になった。
「えっ......」
少女はポカンのあまりの強さに言葉が出ない。
「だっだだだだだ大丈夫だったぁ....?」
ポカンは陰キャ過ぎた為女と喋るとどもってしまうのだ。
「は、はい....助けて頂きありがとうございました。差し支えなければお名前を教えて貰ってもよろしいでしょうか?
私はB級モンガイジのナー・テヤシィと申します。気軽にテヤシィとお呼びください。」
「わ、わわわわかったよテヤシィ。ぼぼぼ僕はポカン、旅人だ。」
「ポカン様、改めて御礼申し上げます。お礼なのですが....」
「いいよ、たまたま通りがかっただけだし。」
「そ、そうですか..../////(キュン)」
(なんて強くて優しい方なの、この人を見ていると胸が熱くなってくる....もしかして私、この方に恋しているのかしら...いえ、きっと恋しているのね...)
(こうなったら意地でもポカン様について行くのよ!)
「ポ、ポカン様!私を連れて行ってくれませんか?最低限は戦えますし家事等も出来ます!」
「えっえええ!?!?」
あまりの出来事に驚きを隠せないポカン。今まで女性と関わってこなかったので余計に驚いてしまう。
ポカンは一人旅ということもあり寂しさを感じることもあったのでテヤシィの申し出を受けることにした。
そこからは速くテヤシィとポカンが男女の仲になるのはすぐだった。
こんな事があと4回くらいあり、ポカンの旅の同行者は4人まで増えた。
テヤシィ。そして新たに入ったヤミ。ベユゥ。ラァル。この4人をポカンは旅を楽しんでいた。
一方、モンガイジ協会では騒然とした雰囲気に包まれていた。
「何故だっ!何故あの無能なポカンがの余裕で勝てるクエストに勝てないのだ!バイバニラよッ!!!!!!貴様がポカンは無能であると言い追い出し、後任として貴様をSSS級モンガイジにしたのであろう!どういう事じゃっ!!!!」
「グッ....こんな筈じゃ....」
「もういい!貴様のせいでモンスターが暴れだし此方へ向かってきておるのじゃぞ!!!」
ばーん
モンスターが協会の中に入ってきてバイバニラに攻撃する。
「グワーッ!!!!!!」
そんな叫び声を残しバイバニラの意識は永遠に失われた。
「も、もう無理じゃ....ポカンを呼び戻さねば....」
プルルルルルルルルルルルガチャ
「もしもし、なんですか?モンガイジ協会の会長さん」
ポカンはモンガイジ協会からの電話に出るか迷ったが結局出ることにした。
「ワシが悪かった!昔のようにワシとモンガイジ協会を引っ張って行かないか?頼む!地位も戻す。金も幾らでも出そう!だから.....だから助けてくれぇ....」
「断る。俺は今可愛い彼女達といて幸せなんだ。二度とかけてくるな」
「そ、そんなぁ〜や、辞めろ!!!ウ、ウワーッ!!!!!!」
ツーツーツー.....
'電話が切れてしまったようだがおそらく何者かに襲われたのだろう。
復讐する価値すらないと思っていたが死んだと思うとやはり胸はスッキリとする。
そんな時、誰かから声をかけられる。
「君がポカンだね」
「誰だい?君は」
声がした方に目を向けるとそこには1人の男がいた。、そして...
「君を倒させて貰うッ!!!我が名はこのもりあむ!魔王にして最強のモンガイジ!貴様の命貰い受ける!!!!」
目にも留まらぬ速さで繰り出される攻撃にポカンは手も足も出ずにやられてしまう。
「グワーッ!!!!!!!!!!!!!!」
ドカーン!ボコッ!バキッ!
ポカンは死にかけながらも彼女達を守ろうとした。しかし...
「「「「キャー!!!かっこいい〜!!!キュンキュン」」」」
あろう事かヤミとラァルとベユゥ、そしてテヤシィでさえもこのもりあむに惚れてしまっていた。
それを見たポカンは絶望し、繊維を喪失してしまった。
そこにこのもりあむがトドメを指し、ポカンは苦渋の表情を浮かべながら死んで行った。
おしまい