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お嬢様口調の分身は金髪縦ロールに

感想いただきました!

嬉しいですっ!

カナデの分身その2はお嬢様口調だった。


そこで金髪碧眼縦ロールにしてもらい、少し吊り目気味に顔を変えてもらう。


「これでいいのかしら?」

「ああ、似合ってるよ」

「そうじゃなくて、これでは本体のカナデ様に似すぎていませんこと?」

「いや、それで十分だよ」


マンガやアニメでも髪形や髪の色や目つきを変えただけでほとんど顔つきが同じなんてのもあるけど、別人って認識されているからな。


「それにしても、オドエちゃん。本当に麗華も恋人にして良かったのか?」

「ボ、ボクはいいけど、勝海さんこそ、恋人が一人の方がいいならボクを捨てたって…」

「捨てるわけないだろ!」


俺はぎゅっとオドエちゃんを抱きしめる。


「か、勝海さあん♡」


そっと抱き返してくるオドエちゃん。


「もう!わたくしというものがありながら、二人っきりでいちゃつかないでほしいですわ!」


で、お嬢様口調の彼女が上白石麗華。

お嬢様らしい名前を考えたらそうなった。


どうして苗字があるかというと戸籍に必要だからだ。


「わたくしの持っている忍術は偽装工作に関することですわ」


麗華のおかげで分身である二人は偽装された戸籍を取得し、俺と同じ学校、同じクラスに転校してくることとなった。


オドエちゃんは名前を『木崎きざき踊恵おどえ』とした。


「本当にこの名前で良かったのか?」

「う、うん。ボク、勝海さんに付けてもらった名前がいいから…」


なんて可愛いことを言ってくれている。


そんな二人と明日から一緒に登校するのが楽しみでならない。


「今日はカナデは遊びに来ないのかな?」


カナデが来たら素早く二人は隠れる手はずになっていたのだが、空振りのようだ。


ピンポーン


「はーい」


カナデかと思って出たら、カナデのお母さんだった。


よく考えたらカナデが玄関から来たことって無いよな。

家では良く遊ぶけど登校は別々だもんな。


「唐揚げたくさん作ったからお裾分けよ」

「ありがとうございます!」


俺は両親が海外出張で1人暮らし。

そのため、時々カナデのお母さんが差し入れをしてくれるのだ。


「カナデは?」

「任務でしばらく帰ってこないわよ」


学生でありながら名うての忍者。

また今日も強敵と戦っているのだろうか?


それでもカナデが苦労した依頼って無いらしいけどな。


「勝海くん」

「はい?」

「責任はちゃんと取るのよ」

「え?」

「じゃあねっ」


そう言ってカナデのお母さんは帰ってしまった。


責任って…まさか俺がカナデの分身二人を隠していることに気づいてる?!


まさかね。


「唐揚げももらったし、夜ご飯にしようか?」

「ボ、ボクも料理したけど、自信ないから出すのやめようかな…」

「え?いつの間に?」


さすが忍者だな。


そしてテーブルにはおいしそうな料理の数々がっ!


「か、勝海さん。ボクの作った夜ご飯、どうかな?」

「うん、おいしいよ」


おいしいな。

でも、どうしてカナデは俺に料理を作ってくれないんだろうか?


やっぱり俺の事をただの幼馴染、ゲーム仲間くらいにしか思ってないんだな。


「あれ?カナデのお母さんにもらったのと似た唐揚げがあるぞ?」

「そ、それはボクが作ったんだけど…お母さんのには負けるから…」

「どれどれ」


ぱく


「うまっ!」

「本当?!」

「ああ、オドエちゃんのから揚げのほうが好みだよ。俺好みの味の濃さだ」

「そ、それはずっと見てたから…」

「え?」

「ううん、何でもないよ」

「わたくしも褒めていただきたいですわ!」

「じゃあ麗華も料理をしたらどうだ?」

「わたくしはあまり家事は得意ではありませんの」


同じ分身なのに結構違うんだな。


「その代わり、違うことをさせていただきますわ」





とか言ってから結構立つけど、なかなか何かをしてくれないな。


というか、何をするつもりなんだろ?


なんてひとり考え込んでいたらふいに扉が開く。


「勝海様、お背中をお流ししますわ」

「ちょっ、いきなり入ってくるなよ!」


麗華はバスタオル1枚で入ってきて微笑む。


「さあ、後ろを向いてくださいな」

「ここはトイレだっ!お風呂じゃないっ!」

「トイレとお風呂は同じ部屋ではありませんの?」

「ユニットバスかよ!というか、カナデの家もうちとほとんど同じ造りだろ!」


同じ業者の建て売り住宅を買ったらしいから、俺の家とカナデの家はほとんど同じ造りだ。


「ふふふ。実はわざとですわ」

「何だって?!」

「わたくしはこの体で勝海様を喜ばせて差し上げますわ」

「や、やめろっ!今、用を足している最中だぞ!」

「ズボンを上げて用が足せますの?」

「うっ」


俺は考え事をするとき、用を足さないのにトイレに籠る癖がある。

親が海外出張になってからはあまりやらなくなったが、今はオドエちゃんと麗華が居るからついトイレに籠ってしまった。


「20分も出てこないから、きっと考え事をされていると思いましたわ」

「そうだよ!だから一人にしてくれ!」

「何の考え事か教えていただけるかしら?」

「…」

「言えないならこうですわ」


すとんと、俺の膝の上に座る麗華。

バスタオル越しにお尻の感触が伝わる。


「おいっ!」

「教えて下さらないならタオルを取ってもよろしいですわよ」

「うっ」

「さあ、白状してくださいまし」


俺が悩んでいたのは、夕べはオドエちゃんの可愛らしさについ添い寝をしてしまったが、どちらかと言えば美人の部類でありカナデに似てオドエちゃんよりも豊満である麗華と添い寝するのが怖かったのだ。


万が一にも間違いがあったら困るからな。


「カウントダウンしますわよ。20、19、18、」


まずい、これがゼロになるとバスタオルを取られてしまう!


「9、8、7、6、」


これは言うしかないか?!


「ごおー、よーーーん、さああああああああん、」


え?


「にいいいいいいいいいいいいい、いちいいいいいい、0.9、0.8、」

「おい、麗華」

「はい」

「お前、脱ぐ気ないだろ」

「そんなことありませんわ。おほほほ」

「よく考えたら、遊園地で食事をしたとき、俺から口移しでパンケーキを奪うのすら恥ずかしがっていただろ」

「そうでしたかしら?」

「つまり!その下は普通に服を着ているわけだっ!たあっ!」


勝ち誇った俺はバスタオルを奪い取った。


「……」

「…きゃああああああああっ!」


ドーンっと扉を吹き飛ばすくらいの勢いで逃げて行った『下着姿』の麗華。


「胸、思ったより大きかったな。着痩せするのかな?」


とりあえず、あとで謝ろう。






ばっちーん!


顔に手形を付けた俺は恥ずかしいので、一人で眠ることにした。


もそもそもそ


眠ろうとしてそんなに経っていないのに布団の足元から誰かが潜り込んできた。


「誰だ?」


オドエちゃんはオドオドして布団に入れないだろうな。


麗華は俺に対して怒っているだろうから…じゃあ誰?


足元から入ってきた誰かは…両側に別れて顔を出してきた。


「勝海様、添い寝いたしますわ」

「あ、あの、ボクも一緒に寝たいな」


まさかの二人同時侵攻だった。


「二人なら心強いですわ」

「う、うん。そうだよね」

「麗華、もう怒って無いのか?」

「あれはわたくしにも落ち度がありましたもの」


それならいいけど…狭いよな。

これ、シングルベッドなんだけど。


夕べは背中同士向けて寝ていたけど、今は真上を向くしかない。


いや、意外と二人とも俺に背を向けて寝ているので俺はどっちを向いてもセーフみたいだ。


とりあえず慣れている右を向いて寝るか。


俺はオドエちゃんの方を向こうとすると…

もにゅ

もにゅううん


お、おしりっ?!


ベッドが狭いから背中とお尻が押し付けられる格好になる。


これでは横を向いたら俺の股間とオドエちゃんのお尻が『こんにちは』してしまう。

いや、夜だから『こんばんは』か。


そこで麗華の方を向こうとすると、


むにゅうん


いつの間にかこっちを向いていた麗華のぽよぽよが俺の腕に押し当てられている。


うううっ、これではどっちも向けないっ!


仕方ない。

上向きは寝慣れていないけど、何とか眠らないとっ!


「勝海さん…そこはだめれすう…」

「勝海様…そこがいいですわあ…」


ふ、二人ともどんな夢見てるの?!



結局その晩も深夜になるまで寝付けないのだった。



≪次回予告≫


「何だアイツ。あんな美少女を両脇に侍らしやがって!」

「くそっ!あいつは忍者娘とデキているんじゃなかったのかよっ?!」


オドエちゃんと麗華と一緒に登校して周りからうらやましがられる勝海。



「オドエちゃんの持っている忍術は何なんだ?」

「ボ、ボクは近接格闘術だよ」


そして勝海の部屋に転がり込んでくるカナデ。


「どうしたカナデ?!大けがしてるじゃないかっ!」

「ははは。失敗したでござる。最近、近接格闘が苦手になって…」


まさかそのケガは分身を失ったせいなのか?!


「ボク…本体の所に帰らないといけないよね?」


オドエちゃんを失うのか?それともカナデを見殺しにするのか?


勝海が選んだのは…



次回も乞うご期待っ!

お読みいただきありがとうございます!

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