表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元覡、お嫁を探しに都会へゆく  作者: 取扱説明書
4/14

こころのなかに

うっひょー



ガシッ



首根っこを掴まれる。


4限目の終了と共に帰路につこうとしたところを目撃され、そのまま捕獲の流れになった。


うっかり山を降りてしまい、街に出てきてしまった猪の気分。


そういえば、捕まえるまでは報道されるのに、捕まえたあと一切報道されないのはなんでだろ〜〜〜〜♪……晩飯は豚汁だな。


「また後でってあなたが言った気がするんだけど」


「だから今遭遇したじゃないですか。有言実行、初志貫徹ですよ。」


「それ使い方合ってるの?」


さぁ?しらん。


「で、まさか帰るつもりじゃないでしょうね」


「帰りますよ。まだ16時なんで」


授業もないのに3時間弱も学校では潰せない。その点、おうちに帰ればおねんねできる。そして


『ごっめーん。寝坊しちゃった!キャピ』


とメッセージのひとつでも送ればいいだろう。ま、連絡先は消したがな。


「帰るのはいいけど寝坊はダメよ」


こいつの異常な勘の良さはなんだろう。ここまで来ると第六感の存在を疑わざるを得ない。


「全身全霊を持って努力します」


「目覚ましかけなさいよ」


「うち時計ないんで」


「スマホの機能にあるでしょ」


「使い方わからないです」


「あんたネアンデルタール人なの?」


「せめて新人にしてください」


キリがないので止めていた足を再び動かし始める。立ち止まるな歩き続けろ。マナもそう言っていた。


するとどうだろう。後ろからずっと足音が聞こえてくるじゃあありませんか。


怖いなぁこわいなぁと思いながら振り返ると


「なにしてんすか」


「暇だからついて行こうかと思って」


きた道を戻る。確かあのあたりに交番が…


ガシッ


「俺猫じゃないんで、首根っこ掴まないでください」


「子猫のここを親猫が噛むのは、しつけの意味合いもあるらしいわよ」


いやぁ!調教されちゃう!!


「ついてきても何にも面白いのはないですよ」


「私あそこのクレープ食べたい」


おっと〜。ヘイパス!言葉のキャチボール。









奢ってもらった。ウマウマ



「へぇー、ここがきみんちか。まぁ普通だね。」


歩いて15分の距離なのに、今日は倍近くかかってしまった。クレープめ。


「それじゃあまた後で」


??なぜ首を傾げている??


「あがっていくけど?」


「Why」


「その顔殴りたくなるからやめなさい」


おっと俺の眠れる外国の血が。知らんけど。


純度100%とか聞いてないから多分数滴くらい入ってんだろ。果実100%ジュースもよくわからんの入ってるし


「入室料はさっき払ってあげたでしょ」


し、してやられた。こいつに慈愛の心があるわけないと知っていたのに!


「吐き出せばチャラになりますか」


「そうまでしてみられたくないものでもあるのかな??」


と俺をおちょくる姿勢に入る。


今どきの若者がエロ本など持っているわけないだろ。俺が今どきの若者とズレていることは最近思い知ったがな。


しかし、ご近所さんに部屋の前で女連れの姿はあまり見られたくはない。仕方ない。一宿一飯の恩ってやつだ。


ガチャりと鍵を開けたと同時に


「おっじゃましまーす!」


先に入られた。俺が家主なのに。


「意外と綺麗ね。きみのことだからゴミとか溜まってそうだなって思ってたんだけど」


「あながちハズレじゃないですよ。昨日がゴミの日だったんで」


「テレビにベットに冷蔵庫にテーブルがひとつって生活感皆無なんですけど」


怪訝な顔をされる。


「このゲーム機があれば事足りますからね」


「あたしもスマホゲームするけど、ゲーム機っていいきる人は初めて見たよ」


「じゃ俺もう寝るんで、テレビでもなんでも好きにしてください」


とそこまで言い切って、ベットにダイブする。これ以上コイツに貴重な睡眠時間をけずられるわけにはいかない。


「おーい」


「ぐぅ……zzz」




































「さて、エロ本は」


「やめろ!」





大切な物は心の中にしまっておけ!




がんばりぼん

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ