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元覡、お嫁を探しに都会へゆく  作者: 取扱説明書
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俺と彼女の日常

はじめまして





……もぞっ……


 「あっちぃ……っけ!」


 俺に抱きつきながらいびきをかいて寝ているアホを蹴飛ばす。最悪な寝覚めに苦渋の顔を浮かべていると。


 「いたっ…ひどおはよ」


 こちら満面の笑みで、とてもアホみたいな挨拶をしてくる。ベットからは落ちずに済んだらしい。


 「こんなクソ暑いのにくっついてねんなよ。押入れの中に布団あんだろ」


 ベッドから身を起こそうとすると隣には彼女の体温が残っていることにドキッっとした。気持ち悪いな俺。


 「まだ七月よ。それに、私たちもうただならぬ関係でしょ」


となれないウィンクをしてくる。やっぱりこいつが気持ち悪いな。


 「この国じゃ30日はまだではなくもうの方が正しいし、おまえとやましいことは何もしてないし、する予定もない。」


 カーテンと窓を開けるとうだるような外の熱気とそれに負けじと立ち昇る入道雲が視界に入る。


 「おまえとってことは…まさか!2週間目にしてもう浮気!浮気なのね!この夏一緒に過ごそうっていってきたのはあなたなのに!!」


 ヨヨヨ…と嘘泣きを始める。


 「何がどう転んだらそれが告白のセリフに聞こえるんだ。それに俺は2週間前この夏1回くらい出かけませんかと言っただけだろ。」


 朝食を作り始める。


 「ねぇ……」


 「あ?」


 「私にもっとかまって!」


 なんだこいつ洗濯機に詰めてやろうか。





 この女の名前は、生野君。いくのきみとよむらしい。


 俺の二つ上で同じ経済学部でボランティアサークルで知り合った。


というか入学式の後、片田舎から1人上京し、友達もいないままサークル勧誘地帯をふらふらしていた俺を捕まえたのがこの女だった。


 開口一番、こいつは


 「きみかわいそうだね、友達になってあげようか?」


 こんなに善意という言葉が似合わない女がこの世にいるものかとひどくさつぃ……憤りを感じたのは忘れられない思い出である。


 ちなみに流れでサークルには入ったもののすでに幽霊部員として大活躍中。






 「かまって欲しかったら洗濯機を回せ。朝食は作ってやるから。」


 「私の手綺麗でしょ。水仕事したことないの」

 

 「おまえのバイト先居酒屋だよな?皿洗いくらいしてるだろ。それにほぼお前の服だ。」


 「私の下着をたっぷり拝めるチャンスなのに〜、はっ…もしかしてほとばしる若い欲情が爆発してしまうのを恐れギャンっ」


 パチンとベットの脇に落ちていたパンティーを投げつけた。


 「いつも脱ぎ散らかしているのを集めて洗濯機にぶち込んでいるのは誰だと思ってんだ。」


 まて、おかしい。昨日洗濯したはずなのになぜ床にあいつの下着が落ちている。


 そう思いあいつの姿を見る。


 全裸ではないが、ぶかぶかの大きめのTシャツを羽織るのみだ。まさか……てかあれ俺のじゃねぇか。なに勝手にきてんだ。


 「そんなジッと見ないでよ…もちろんはいてないよ。きゃっ………まって落ち着いて、ひとひとまるはまじで洒落にならない。謝る謝るから!」


 おっと、無意識にダイヤルしそうになっていた。危ない危ない、いや、危ないのはこいつの頭だな。


 「ったく……」


 こいつにかまってると時間がいくらあっても足りない。


 ベットの上で土下座を続ける彼女を無視して洗濯機を回し、朝食を作る。


 少しは反省したのか彼女はテレビをつけて大人しく眺めていた。



 もぐもぐ…カチャカチャ……



 「そういえば昨日鍵かけてたような」


 「勝手に合鍵作った」


 「それ犯罪じゃねぇの」


 おまわりさん!ここです!ここにいます!


プロローグ的な。


三日坊主だお

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