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 日が沈んだ後、帰り道にある自動販売機で缶ジュースを買おうとしていた。

 どれにしようかと指をかまえたまま、炭酸飲料とコーヒーが並んだ見本を前にして悩んでいると、俺の膝のあたりを何かがつついたような気がしたので反射的に下を向いた。

 いつの間にかそこには見知らぬ小さな女の子がいた。


「何をしてるの?」


 ほとんど真上を見上げるようにして白い服を着たその子供が聞いてきた。


「……ジュースを買ってるんだ。」

「どうして?」

「のどが渇いたから。」


 子供相手にすげなくするのも大人げないので、なるべく優しく答えてやると、女の子は両手をぽんとひとつ叩いて笑顔になった。


「ああ、それは飲むものなのね?」


 答えに詰まって、俺は女の子をまじまじと見つめた。変な子だな。

 白い服、というより布をぐるぐる巻きつけたようなデザインの妙な服だった。宗教画とかギリシア神話なんかに出てくるみたいな。

 にょっきり生えたように見えるむき出しの腕は夕闇の中でほの白い。寒くないのか。

 更によく見ると、女の子は素足だった。


「ゆうちゃーん!」


 呼びかける声がして、女の子は振り返った。

 つられて俺もそっちへ視線を走らせると、この子と同じように白く短い布に身を包んだ女の子が駆けてくるところだった。

 変な子が二人に増えてしまう、と頭の片隅で思った。

 ガチャン、と音がしてジュースが出てきた。俺はつい無意識にボタンを押してしまったらしい。

 はっと我に返ると、急いでたいして欲しくもなかった果汁入り野菜ジュースをつかみ取り、くるりと背を向けた。


「あっ、あなた、待って。」


 ところが、駆けつけた方の女の子が俺の服の裾をむんずとつかんだ。


「あなた下界の人でしょ。これあげる。向こうにあったのよ。」


 女の子は小さな手を突き出した。

 手の中にはマーガレットに似た一本の黄色い花。


「えっ、俺に?」


 女の子は無邪気に笑いながら、花を押し付けた。


「どうも……ありがとう」


 戸惑いながら小さく可愛い手から花を受け取ると、女の子は嬉しそうにはしゃいだ。


「どういたしまして。」


 それから、二人はそれぞれ俺の足にまとわりつきながらかわりばんこに話し出した。


「あのねぇ、お願いがあるの。」


「下界を案内してくれないかしら。私とあさちゃん、初めてなんだもの。」

「朝になる前まででいいのよ。」


 俺は、この子たちがふざけているかからかっているのだと思った。背を曲げて女の子たちの顔をのぞきこんだ。


「子供は早く帰んなさい。もう暗いんだから危ないぞ。」


 二人はとたんに悲しそうな顔をした。


「お願い。夜明け前までしかいられないの。」

「夜の間だけ、一緒に歩って欲しいの。」

「だめだよ。お花のお礼にお家までなら送ってあげるから。」


 女の子たちは目に見えてがっかりしたようだった。


「さあ、家はどこ?」


 たずねると、片方の女の子がつぶやいた。


「家はないもん。」

「……無いって、家出か?」

「違うよ。ないの。」


 俺は女の子たちと同じ高さにしゃがんで聞いた。


「じゃあ、どこに住んでるんだ。」

「雲の上。」


 二人はそろって空を指差した。

 俺はためいきをついて、これ以上つきあいきれないと思い、立ち上がった。


「ふざけてないで早く帰れよ。」


 そして、さっさと歩きだした。


 しばらく歩いていると後ろからパタパタと足音が聞こえてきた。

 まさか、と思いちょっと振り返ると、案の定さっきの子たちが一生懸命走ってきているところだった。

 俺は歩みを速めた。足音はまだついてくる。

 角を曲がって、路地に入る。

 もっと速く歩き続けたが、パタパタいう音はずっと離れたり近づいたりしながらもしっかりついてくる。

 とうとう、俺が自分の家の前にたどり着いてしまった時も、はあはあ息を切らせながら女の子たちは走って追いかけてきていた。

 なんだか俺はその様子を、まるで忠実な仔犬が主人を追って来ているようだ、と思った。

 そして、自分の考えに小さな笑いがこみ上げてくるのを感じた。

 あんなに必死で走って来るなんて。他に頼る人はいないのだろうか。……まあ、ここまで誰にも行き会わなかったし仕方ないか。

 家の前に立ったまま、俺は女の子たちがやってくるのを待った。

 やがて追いついて、肩で息をついている二人に言った。


「負けた。よく追いついてきたなあ。ちょっと待っててくれたら、一緒に行ってやるよ。」


 二人は歓声をあげた。


「そこ、あなたのおうちなの?」


 一方の女の子が大きな集合住宅を指差して聞いた。


「ちがう。そっちはアパートだ。俺ん家はその隣。」

「わあ、小さいねえ。」

「小さくてかわいい。」


 普通の一軒家なのだが、大きなアパートと比べたら小さく見えるに決まっている。

 俺はそこで待っているように言うと家の方へ向かった。

 苦笑いしながら家に戻り、机の上に未開封の缶ジュースを置き、とりあえずコップに水を入れてその中に花をさすと、すぐに取って返した。

 女の子たちは戻ってきた俺の両側に陣取り、それぞれが俺の手を握ってきた。警戒心のかけらも無く人懐こい。

 確か、公園の向こうに交番があったはずだ。

 俺はこの子たちはきっと迷子なんだろうな、と思った。だからそこへ連れて行ってやろうと考えた。


「あぁ、そうだ。君たちの名前は?」


 名前を聞くと、二人はかわるがわる答えた。


「わたし、ゆうちゃんだよ。夕焼けの夕ちゃん。」

「わたしはね、朝焼けの朝。あさちゃんよ。」

「わかった。じゃあ、行こうか。」




 公園に着くと、二人は広場を見て楽しそうに走りだした。元気な子たちだ。


「わあ、広いところだー。」

「待って、待ってー。」


 もう暗くなっていることもあって、門の中には他に誰もいない。

 この頃は夜になるとすっかり外気が冷たくなる。公園も寒かった。

 ただ、風が無いのが有難い。俺は両手をズボンのポケットに入れた。

 広場の中を走りながら笑いあう白い姿が二つ。

 その腰にぶらさげた瓶の中のきらきらしたビーズのような粒が、走るたびに光った。

 追いかけっこしながら走って一周してきた二人を見つつ、交番へは少し遊んでから行ってやってもいいか、と思ってしまった。

 そう思わせるくらいとても楽しそうにしているのだ。俺は心持ち歩みを遅くした。


 やがて、立ち入り禁止の立札のある花壇の前で、ゆうちゃんと名乗った女の子が立ち止まり、何かを拾った。

 先を走っていたあさちゃんといった方の女の子が、戻ってきてその手の中をのぞきこみ、わあ、と声を上げた。

 ゆっくり歩きながらそばに寄ってみると、俺に気付いたあさちゃんが言った。


「きれいなの。」


 鮮やかなオレンジ色に変わった葉っぱをくるくると回して見せてくれた。

 ゆうちゃんは他にもたくさん落ちている葉っぱに気付き、今度はかき集めだした。

 両手にいっぱいすくうと、それを高く放り上げる。


「きゃー!」


 頭から降ってきた枯葉にあさちゃんは大喜びした。

 それから二人は落葉のかけあいっこを始めた。

 この子たちは本当に楽しそうに笑う。

 そういや、うんと小さい頃こんな遊びをしたっけ、などと懐かしく思い返し、どこか微笑ましいじゃれあいが収まるのを待った。


 なんとなく空を見上げると、満月が綺麗に光っていた。

 ああ、月なんかをこんなに正面から見上げたのは一体何年振りだろう。


「空が高いねえ。」


 突然声をかけられて目を下に向けると、いつ側にきたのだろうか、ゆうちゃんが俺がしていたように空を見上げていた。


「お月さま、きれいだねえ。」


 あさちゃんもまたいつのまにかその隣に来ていて、一緒に空を見上げていた。


「そうだな。」


 相槌を打つ。しみじみそのまま月を見上げていると、二人は公園の中心を指して言った。


「ねえ、あっちにいこう!」


 そうして、俺の返事なんか待たずにまた駆け出した。


「見て見て、影が出来てる。」


 走りながらゆうちゃんが大発見のように足元を指差して叫んだ。

 目の前に月の投げかけた光で細く長い影が出来ていた。


「本当だ。あはは、面白い!」


 あさちゃんが手足を振り回して影にいろいろなポーズをとらせ、笑った。

 月光も影を作るんだな、などと思いながら俺は二人の後をゆっくり歩いた。

 公園の中央に続く並木道を、子供達はちょこまかと走り、時折興味を引いたものを観察したり笑いあったり、なかなか忙しい。

 並木道の木の枝にはまだ木の葉が残っていて、細い枝の間にまばらな濃い闇をかかげている。

 枝はまるでモザイク状に空を縁取るように広がっており、星を支えているかのようだ。

 一か所、月の光がちょうどスポットライトのように射し込んでいる場所を見つけ、あさちゃんがそこへ手のひらを広げてみせた。


「ほら、ここ。光を乗せてるよ!」

「すごい。私もやりたい!」


 かわるがわる手をかざし、光の筋の中で手のひらを握ったり開いたりして遊んでいる。

 俺は両手をポケットの中に突っ込んでただそれを見ていたが、たぶん笑っていたのだと思う。


 ゆうちゃんがにこにこしながら俺に言った。


「楽しいことがいっぱい。」


 それから、俺の腕を強引に引っ張って催促した。


「もっと色々見たい。」

「早く行こう。夜が明ける前に。」


 あさちゃんも一緒に引っ張ったので、俺の手はポケットから引きずり出され、子供二人にひかれるように走るはめになった。


「おい、ちょっと待て。」


 抗議すると子供達はすぐに手を離し、並木道をひらりと抜けて噴水の前に出た。


「こっちに行ってみようよ。」


 俺も後を追ってそちらへ行ってみた。

 日中ずっとリズムを変えて噴き出している噴水は、止まっていた。

 昼間、うるさいほどいる鳩や憩う人々の影も無い。そこには不思議な静けさがあった。

 二人は噴水の前のひらけた場所で影踏みをはじめた。

 少し細長い影は忙しく駆ける女の子たちの足元から生えて、忠実についてまわる。

 あさちゃんが振り返る。影も振り返る。

 ゆうちゃんが石をける。影も石を蹴る。

 二人は別々の方向から走って来て、噴水の影の中に入った。

 影はもういない。

 いや、あった。

 静かな水面の上の満月の白い影。

 冷たさなど気にしないのか、ゆうちゃんは水をすくった。

 手の中にも月が宿る。

 きゃあきゃあ言いながら水を振り撒くと、ゆるやかな円がいくつも水面にできた。

 あさちゃんもぴちゃぴちゃやりだした。

 水面の満月はゆらゆらと揺れた。

 あさちゃんの服の間にでも挟まっていたのだろう、落葉が一枚はらりと水の上に落ちた。

 揺れて出来た波に流され、落葉は動き出した。

 二人はすぐに気付いて大きな波を作ってやる。

 葉は沈みそうで沈まない。ゆっくり揺られながら向こうへ流れていく。

 無邪気な子供の遊びを見ながら、こんなふうに夢中になって遊んだ幼い日のことを思い出していた。

 子供につき合ってやりながら、最近のんびりした時間を持てていなかったことに気づく。

 反対岸に落葉の船が着いた時、二人は水から手を出した。


 その時気づいた。不思議なことに濡れていない手。

 あれほど水を撒いていたのに、服も濡れていない。

 いや、それよりも。

 さっきより気温が下がってきているのが感じられるのに、むき出しの手足を晒しながら一言も寒いと言わない女の子たち。

 なんだか変じゃないか。


 何もかもが珍しくて楽しいみたいにはしゃぎまわっている。

 それに、暗くなってから子供だけで出歩いて、夜の間だけ一緒にいてほしい、なんて冗談でも言ったりするだろうか。


「どうして、どこも濡れていないんだ。」

「えっ、なあに?」

「お前たち……どこかおかしい。」


 俺は自分の胸が奇妙な緊張でどきどきいっているのがわかった。


「ゆうちゃん、私おかしいかな?」

「ううん。あさちゃんはおかしくないよ。私は?」

「ううん。」


 いいや、やっぱりおかしいだろう。だいたい、親はどうしたんだ。小さな子なのに何故帰りたいと泣かないんだ。


「一体、お前達は何なんだ。迷子じゃないのか。」


 あさちゃんとゆうちゃんは、首を振った。


「違うよ。迷子じゃないよ。遊びに来たんだよ。」

「だから、どこから来たんだ。」

「雲の上から。下界ははじめてだって言ったでしょ。」

「忘れんぼさんだなあ。」


 二人はあきれたように笑うと、噴水から離れて公園の主のように扱われている大きな樹の方へ走って行った。

 樹を見上げて心底感心したようにあさちゃんが言った。


「すごく大きいねえ。」

「うん、大きいねえ。」


 ゆうちゃんが木の幹に手をまわすと、あさちゃんもその隣に立って同じように手を伸ばした。

 あとひと組子供が腕を広げても、周りを囲めないほど大きな樹木だ。

 俺は大木のそばまで来ると、下から空を仰いだ。

 深い色の宇宙が枝の間から切れ切れに見えた。


「……何か言ってる。」


 ゆうちゃんが木の幹に耳を押し付けて言った。


「本当だ。何か言ってる。」


 先程まで無かった風がざわざわと梢を騒がせていた。

 あさちゃんも耳を木にくっつけて、目を閉じた。


「こんばんは。大きな木さん。…そう、そうよ。」

「雲の上から遊びに来たの。夕方の夕焼けの、ゆうちゃんよ。」

「私は朝方の朝焼けの、あさちゃんよ。」


 大木に二人がおかしな自己紹介をすると、さやさやと葉のこすれる音がした。


「何しにって、下界がどんなか見てみたかったの。」

「知っているのね。大丈夫、朝になる前に帰るから。」


 また妙なことを言っている、と思ったが、さっきの話のせいか俺は余計な口出しはいけないような気がして、黙って見ていた。


「下界はいいところね、面白いわ。」

「いっぱいきれい。いっぱい楽しい。」


 また枝のこすれる音。そして風の吹きぬけるひゅうという音。


「そう、これが下界の夜なのね。私、自分の仕事が嬉しい。」

「うん。今度は昼にも来てみたい。きっとまた面白いことがたくさんあるよね。」


 ざわざわ、ざわざわ。

 まるで会話をしているかのように、揺れる枝と風音。


「わかった。その時には必ずここに来るよ。待っててね。」

「うん、うん。絶対また来るから、そのときもお話ししてね。」


 その時、俺は何か言葉のようなものを聞いた。

 待っているよ、百年でも二百年でもな。小さな朝と夕の精たち。

 風がぴたりとやんで、樹は静かになった。

 空耳、だろうか。だが、あまりにも……。

 ゆうちゃんとあさちゃんは大樹から離れると、空を見た。

 もう月が西に傾きだしていた。気づかなかったがそんなに時間が経っていたのか。


「ねえ。私たち、そろそろ帰らなきゃ。」


 二人はそう言うと、ぐいぐいと俺を引っ張って月明かりの下まで連れてきた。

 帰るって、帰り道がわかるのだろうか。というより、この二人は本当に雲の上に帰るとでもいうのか。

 俺の疑問をよそに、子供達は足もとから見上げるようにして聞いてきた。


「ねえ、ねえ。私たちがまた今度遊びに来たら、もう一回会ってくれる?」


 俺はだいぶこの子たちに情が移っているらしい。自然にああ、と答えようと口を開きかけ、すぐ思い返してためらった。


「今度って、いつ来るつもりなの?」


 そう聞くと、ゆうちゃんはええと、と考えた。


「二百年ぐらい後に来るわ。今度はいっぱい遊べるように、主神さまにちゃんとおゆるしもらってからにする。」

「そうだね。きっとそれがいいよ。」


 神妙にあさちゃんがうなずいた。

 これはお伽噺か何かなのか?それともやはり、子供の冗談なのだろうか。


「その頃、俺は死んでる。」


 まだどちらとも判断できなくて、俺はとりあえずそう答えた。


「ええっ、そうなの?じゃあ、じゃあ、百年くらい後は?」


 あさちゃんが言った。


「やっぱり、死んでるだろうから無理だな。」

「それじゃあ、いつ来れば大丈夫なの?」

「そうだな、五十年ぐらいのうちに。」


 女の子たちは難しい顔になった。


「十年くらいなら、遅れてもいい?」


 まだ半信半疑なのだが、俺はうなずいた。

 二人は嬉しそうに笑った。


「きっとね。」

「絶対またくるから。」


 俺の両手をそれぞれがとって、手のひらに何かをのせて握らせた。


「待っててね。これ、約束のしるし。あずかっててね。そしたら多分おゆるしもらえるから。」

「使わないで持ってて。また遊ぼうね。忘れないでね。」


 それから、ゆうちゃんとあさちゃんは数歩後ろに下がるといきなり跳び上がった。

 白い姿がどんどん小さくなって吸い込まれるように空へ昇っていく。

 嘘だろう。空を飛んでいる……。

 途中で二人は手を振った。

 目をまるくして、その姿が消えた方向をしばらく見つめていた。

 だいぶ経って、握ったままだった両方の手をそっと開いてみると、中には小さなきらきら光る金の粒と銀の粒があった。

 それが、あの子たちの腰にぶらさげてあった小瓶の中身によく似ていることに思い当った。

 耳に二人の声が残っていた。


「きっとね。」「絶対またくるから。」


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