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悪役令嬢はしゃべりません  作者: 由畝 啓
第一部 悪役令嬢はしゃべりません
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16. 黒い風 8


その日、オースティン・エアルドレッドは久々に騎士団の制服に袖を通していた。

魔物の折れた毒牙が貫通した左腕はまだ本調子ではない。しかし、いつまでも休むわけにもいかず、そしてオースティン自身もそんな自分を良しとはしなかった。最初こそ、瞼の裏に焼き付いた魔物の異様な姿や見るも無残な姿になった先輩騎士たちの姿を夢に見た。眠りが浅く、治癒魔導士に精神魔術を掛けて貰った方が良いのではないかと医師に言われもした。だがオースティンは騎士になる。今後、戦い終える度に治癒魔導士の世話になるわけにはいかないのだと断った。それでも、まだ悪夢は消えていない。多少は眠れるようになったものの、魔物襲撃(スタンピード)の討伐隊に加わる以前には戻れないのだと分かった。

兵舎に向かい、部屋に入る。同室の同期がオースティンを見て声を上げた。


「なんだ、もう復帰できるのか? 先に教えといてくれよ、そしたら美味いお菓子でも買って来てさ、盛大に祝ったのに」


調子の良いことを口にしながら笑う同期に、オースティンは苦笑した。肩を竦めて首を振る。


「やめとけ、ミック。一々任務で負った怪我から復帰する度に歓迎会を開く騎士なんていないだろ」

「それもそうか」


ミックは年齢の割には大柄な少年だった。無表情になれば威圧感もあるが、普段はころころと変わる表情のお陰で取っつき易い。今もミックは目をくるりと回して納得したように頷いた。剽軽な仕草に、オースティンも表情を緩める。


「それで、どうだった? 魔物襲撃(スタンピード)の討伐なんて滅多に行けるもんじゃないよな。さすがお前だって思ったんだぜ。でも怪我したんだもんな、団長も隊長も重傷だったって聞いた。やっぱりヤバいんだろ?」

「ああ、なんていうか――習ったことを考える余裕もなかった。取り敢えず生き残ることに必死で、周りも見えなかったよ」

「お前でもそんなになんのか」


オースティンは口を噤む。魔物襲撃(スタンピード)の最中のことは、どれだけ言葉を尽くしても伝えられない気がした。

間近に迫る恐怖、どれだけ撃退しても終わらない攻撃。どこから来るかも分からない魔物の存在、そしてただ削られていくばかりの体力と気力、そして魔力。目の前で倒れていく仲間たち。自分よりも強いはずの存在が呆気なくただの肉塊になっていく。

聖魔導士か二番隊でなければ魔物襲撃(スタンピード)の討伐には向かないと言われる理由に、オースティンは触れた気がしていた。

魔物も一頭いれば討伐に難儀すると言われているが、魔物襲撃(スタンピード)はその数が何倍にも膨れ上がっている。頭では理解していたつもりだったが、その実全く分かっていなかったのだ。オースティンは恥ずかしくも、現場に赴いて気が付いた。

魔物襲撃(スタンピード)の制圧には、勇猛果敢さだけでなく、類まれなる精神力と武術、そして魔術の才が必要だ。努力だけでは補えない()()――しかし、オースティンにはその“何か”が分からない。


ただ、魔物襲撃(スタンピード)で最後に自分が取った行動は誤りだったと、オースティンはずっと考えていた。ダンヒル隊長が魔物に襲われ倒れた時、咄嗟に駆け寄ってしまった。ずっと自分を助けて来てくれた人を守ろうと思った。反射的な行動でもあった。だが、そのせいでオースティンは無防備になった。自分を守ったヘガティ団長は重傷を負った。騎士団の被害を拡大させたのは、間違いなくオースティンだった。


「もしかして、落ち込んでる?」


ミックがオースティンの顔を覗き込む。オースティンは小さく首を振った。


「いや、自分の不甲斐なさを改めて感じているところだ」

「それを落ち込んでるって言うんじゃないのかよ」


お前面白いな、とミックが笑う。多少空気が読めない男ではあるが、オースティンはその雰囲気に救われる気がした。

朝食は今朝も世話になった診療所で食べて来た。食堂に行くというミックを送り出し、オースティンは剣を腰に下げ訓練所に向かった。途中、廊下ですれ違う騎士たちの視線を感じる。二人組は少年の背中を見送った後、「あれが討伐隊に加わった騎士見習いの――」と噂していた。どうやら先輩騎士たちを差し置いて、騎士見習いが魔物襲撃(スタンピード)の制圧部隊に加わったことが気に入らないらしい。しかし、オースティンは唇を引き結ぶだけで何も言わなかった。

訓練所の端に到着すると、準備運動を始める。まだ早いせいか、他に人は居なかった。静謐な空間と、涼やかな風は心地良い。遠くに響く騎士たちの喧騒を背景に、淡々と決められた準備運動をこなしていく。ある程度怪我が回復した段階で、病室でも軽めの運動をしていたが、体力は落ちたように感じた。


「復帰早々、精が出るな」


声を掛けられて、オースティンはハッと顔を上げる。振り返れば、そこには七番隊隊長のブレンドン・ケアリーが腕を組んで立っていた。オースティンは額から流れる汗を拭ってブレンドンに向き直る。その様子を眺めていたブレンドンは一瞬だけ目を細めた。


「団長が呼んでる、付いて来い」

「はい」


オースティンは頷くと、さっさと歩きだしたブレンドンの後を追った。廊下を歩いて兵舎の奥まった場所にある団長室に向かう。


「失礼します」


声を掛けて扉を変えると、中にはヘガティ団長とマイルズ・スペンサー副団長、そして二番隊隊長のダンヒルが居た。執務椅子に腰かけた団長の横にマイルズ副団長が立ち、ダンヒルは入り口の左側に控えている。ブレンドンはダンヒルの隣に立ったが、オースティンはヘガティ団長に対面するように立った。


「オースティン・エアルドレッド、参りました」

「ああ」


騎士の礼をすると、ヘガティ団長が頷く。そして卓上に置いた二枚の紙を受け取るように言った。首を傾げたオースティンだったが、素直に前に出る。しかし、卓上に置かれた紙を手に取る前に、そこに書かれた文字列を目にして絶句した。思わず動作が止まる。


「どうした?」


平然とした団長の言葉に顔を上げれば、ヘガティは仏頂面の中で楽し気な光を両眼に浮かべていた。


「いえ――あの、これは」

「先だっての魔物襲撃(スタンピード)でのお前の働きは現役騎士に匹敵するものだった。異例の早さだが、お前は騎士見習いは卒業だ。そこで、各隊から要望を募った結果、お前を欲しいという隊が二つあった。いずれもお前の資質に見合う隊だ。だから、お前の意見を訊こうということになった」


通常、騎士として正式に認められ隊に配属されるためには、騎士見習いを三年以上経験しなければならない。だが、オースティンは入団してから二年を経過したところだ。間違いなく異例の人事だ。その上、提示された隊が問題だった。


「二番隊か七番隊――ですか」


だからここにダンヒルとブレンドンが居るのだと、ようやくオースティンは納得した。

魔導騎士を擁する二番隊と、実力主義の七番隊。いずれも騎士たちの間では目標とされる部隊である。見習いたちの間でも、魔術に自信がある者には二番隊が、剣技を自負する者には七番隊が人気だ。その上、二人の隊長はオースティンの尊敬であり憧憬の対象だった。嬉しくないわけがない。しかし、そのどちらかを選べと言われると困る。

オースティンが目標とするのはライリー専属の近衛騎士であり、そのためには騎士団を退団することになる。王太子専属を望むのでなければ王族の護衛を担当する一番隊が候補に挙がる。だがオースティンは王族の近衛騎士になりたいわけではなかった。その目標を達成するためには、二番隊か七番隊に配属されるのが一番の近道だとは分かっている。ただ、そのどちらかを選ぶようにと言われても戸惑うばかりだ。それに気にかかることもあった。


「――魔導騎士の成り手は少ないと聞きます。それであれば、二番隊が優先されるのではありませんか」


二番隊か七番隊を選べと言われても、魔導騎士の希少性を考えれば実質的に選択肢はないはずだ。オースティンの疑問は尤もであるはずだったが、ヘガティ団長はわずかに口角を上げて首を振った。


「いや、二番隊を蹴って七番隊に所属した前例もある。基本的に二番隊を優先するが、例外がないわけではない」

「前例?」


オースティンは目を瞬かせた。聞いたことがない。だが、オースティン以外は皆知っている話のようだった。ヘガティは静かに頷く。


「ああ。私だ」


驚くオースティンに向けて笑みを零し、団長は淡々と事情を説明する。


「その当時私は七番隊に所属していた。私に魔導騎士の資質があると分かったのは配属後だった。判明後、二番隊隊長に任命される予定だったが、その前に七番隊隊長が殉職した。そこで、二番隊への配属はなくなり七番隊隊長に任命された」


あっさりと語られた内容は重いものだった。詳細は分からないが、ヘガティが二番隊に異動しなかった理由は明らかに七番隊隊長の殉職という如何ともしがたい出来事だ。その上、魔導騎士の適性があると判明したのは配属後だ。配属前から適性が判明しているオースティンとは全く状況が違う。

となると、オースティンに選択肢を与えようとしている現状が一層理解し難いものになる。眉根を寄せた騎士見習いに、ヘガティは声を潜めた。


「お前の将来の希望はここに居る者全員が知っている。だからお前に選ばせようと言うことになった」

「つまり、二番隊ではなく七番隊の方が適しているということですか」

「どちらも適している。だが、知っての通り二番隊は万年人手不足だ。一度配属された者は滅多なことでは他の隊に異動することもない。その点、七番隊は二番隊と比べてまだ異動の自由が利く。二番隊に入ってしまえば、お前が別のことをしたいと思ったとしても、そのタイミングで異動が認められるとは限らない」


七番隊も簡単に異動が認められるわけではないが、縛りは二番隊の方が強い――その説明を聞いたオースティンは、頭の中で情報を整理しながら静かに頷いた。

オースティンがいずれの隊にも高い適性があると看做されたのだろう。そうでなければ、たとえオースティンの未来を慮っていたのだとしても、選ばせるという手段には出ないはずだ。その程度には、団長たちのことを信頼している。


「一方で、魔導騎士としての経験を積めば間違いなく王族専属の近衛騎士として候補に挙がるだろう。()()()()()()()()()()()


その言葉が、オースティンの決意を後押しした。


「時期に多少の差があろうと、問題はありません。私は後悔のないよう、守るべきものを守れるだけの力と権利が欲しいのです」


ほう、とヘガティ団長は片眉を上げる。オースティンは真っ直ぐにその目を見返した。沈黙が落ちる。


「それなら話は決まりだ。良いな、ダンヒル隊長、ブレンドン隊長」


ヘガティは脇に控えていた二人の隊長に声を掛ける。二人とも、短く了承の返事を口にしただけで、それ以上何も言わなかった。オースティンの目の前で、ヘガティは七番隊と書かれた任命状を手に取り縦に切り裂く。紙片を隣に立つマイルズ副団長に手渡し、残った二番隊への配属を記した任命状をオースティンに差し出した。


「オースティン・エアルドレッドを()()()()()二番隊騎士に任命する」

「――謹んで拝命致します」


オースティンは両手で受け取り一礼した。あっさりと魔導騎士としての道が開けたことに、オースティンは内心驚きを隠せない。辛うじて表情を取り繕う若者を見たヘガティは頷く。


「それで、その――条件とは」


一体何なのかと尋ねるオースティンに、ヘガティ団長はあっさりと答えた。


「訓練を開始する前に、治癒魔導士の精神治癒を受けろ。その後、半年間の様子を見て精神的に耐え得るようであればそのまま二番隊所属とする」

「――承知いたしました」


どうやら寝れていないと気付かれていたようだ。オースティンは恥ずかしさから僅かに頬を紅潮させて頷いた。団長は更に言葉を続ける。


「叙任式の仔細については追って連絡する。今年配属になる者たちと同時に執り行うことになるだろう。他についてはダンヒル隊長に確認するように」

「はい」


退室すると、ダンヒルが近づいて来た。楽し気に笑いながら、「よろしくな」と軽く声を掛ける。オースティンが頭を下げると、ダンヒルはその肩を叩いた。


「お前、最初は七番隊に所属したがってたろ? 二番隊に欲しいなあと思ってはいたんだけど、まさか本当に来てくれるとは思わなかったよ」

「隊長は、もうお体は大丈夫なんですか」

「あれ、心配してくれてる? うっわー、嬉しいなあ。俺泣いちゃいそう」


オースティンがダンヒルと会うのは、魔物襲撃(スタンピード)を離脱してから初めてだった。自分よりも重傷だったと聞いているが、傍目から見れば元気そうだ。楽し気に笑うダンヒルからは、不調は感じられない。だが、横からブレンドンが口を出す。


「まだ本調子じゃないだろう。体力が戻り切っていないし、攻撃にも切れがない」

「おいブレンドン、黙っとけよ。新人の前で言うことじゃないだろ。それに真実でもない」

「怪我や不調を隠すことは隊のためにならない。むしろ害悪だ」

「オースティン、信じるなよ。あとで俺がどれだけ好調か見せてやる」


無表情でブレンドンはダンヒルの抗議を切り捨てた。オースティンはまじまじとダンヒルを眺める。不服そうに口をへの字に曲げて、オースティンに普段通りだと主張する様子は全く普段通りに見えるが、ブレンドンが言うからには本来の調子を取り戻してはいないのだろう。

そして、ブレンドンはダンヒルの軽口を無視してオースティンを見下ろす。


「こいつの言うことは話半分に聞いておけ。不調や怪我を押して実戦に出れば、必ず作戦に無理が出る。そうなると、その煽りを食らうのは他の騎士たちだ。他の騎士に皺寄せが行けば、最初は誤魔化せても後々その作戦自体が崩壊する」

「はい」


ブレンドンの指摘は尤もで、オースティンは神妙に頷く。ダンヒルも分かっているのか、不満を表情に示したものの、文句を言うことはなかった。

そして、オースティンは気になっていたことをブレンドンに尋ねる。


「あの、今回の選択肢なんですが――何故、七番隊も候補に挙がったのでしょうか」


質問が意外だったのか、ブレンドンは珍しく僅かに目を見開いた。

オースティンは、自分の直感が間違えていないと確信していた。ヘガティ団長にどちらを選ぶか尋ねられた時、彼はどちらとも取れるような答え方をした。ライリーの近衛騎士になりたいと思った時に比較的自由があるのは七番隊だと示唆されても、オースティンは幼馴染を守れるだけの力が欲しいと譲らなかった。その結果、差し出されたのは二番隊の席だった。つまり、オースティンが七番隊に入りたいと明言しない限り、二番隊入りは確実だったのだ。

それでもなお、本来は提示されることすらない第二の選択肢を示された。通常、騎士団の人事に本人の希望はほとんど反映されない。辞令がおりたらそれに従うだけだ。団長の意図がオースティンには分からなかった。


しばらく黙っていたブレンドンだったが、やがて僅かに頬を緩める。聡い後輩に満足した様子だった。


「先だっての魔物襲撃(スタンピード)で、お前には魔導騎士の適性があると認められた。だが本来は、実戦経験がない内に魔物襲撃(スタンピード)討伐に乗り出すことはない。あまりにも精神的な打撃(ショック)が大きすぎるからだ」


人を相手にする戦よりも、魔物を相手にした討伐の方が精神を病みやすい。森の中を歩くことに恐怖を覚え、暗闇に魔物の目が光ったと怯え、そして最終的には剣も振るえず魔術も使えなくなる。そのような騎士が大勢居た。だからこそ、魔導騎士としての適性があっても精神的に耐性がないと判断された者は二番隊から外される。


「二番隊から外された者のうち、一部の者は七番隊に引き抜いた。魔物相手でなければ、その実力を発揮できる者はいるからな」


納得したようにオースティンは頷いた。魔物を相手に戦ったからこそ分かる。人であれば、一度斬り捨てれば立ち上がって来ることは滅多にない。立ち上がって来る者がいれば、それは斬った場所が問題だったか、斬り方が浅かったか――そのどちらかだ。

だが、魔物はそうではない。明らかに致命傷を与えたはずなのに、気にせずに襲い掛かって来るものが居る。それは、騎士たちの心を折るに十分な恐怖だった。


「まあ、逆のパターンもある。人間を斬るのは嫌だが、魔物を斬るのに躊躇いはない――という奴だ。そういう奴は、七番隊より二番隊の方が適性があると認められる」

「イーデンがそうだな。人間相手もできるけど、魔物相手の方が容赦がない」


ブレンドンの説明を黙って聞いていたダンヒルが口を挟む。二番隊副隊長は、人間を斬るのは出来るだけ避けたいらしい。確かに、イーデンは武骨でありながら優しい男だという印象が強かった。


「だから、今回はお前に選ばせることにした。二番隊と七番隊を提示し、お前の反応によっては七番隊に配属されることになっただろう。だが、お前に魔物を恐れる様子はなかった。それなら、配属先は二番隊だ」


ダンヒルはブレンドンの言葉に同意するように頷いている。ようやく、そこまで聞いたオースティンは納得した。実戦に出た結果、その働きから見習いを卒業させることになったものの、最初の実戦で()()()()精神的打撃(ショック)を受けたのか判断が付かなかったのだろう。診療所で医師の問診を受けたから、その結果も団長たちは把握しているのだろうが、実際に自分たちの目でも確認したかったに違いない。実際に、オースティンの不眠の原因は魔物そのものではなく実力ある先輩騎士たちの死だった。だが、それは他の隊でも経験することであり、二番隊に特異的ではない。だから二番隊が配属先の候補から外されなかった。

ようやく理解できたオースティンは小さく息を吐いた。蓋を開けてみれば、全く謎ではなかった。


「お心遣い、ありがとうございます。ダンヒル隊長、今後もご指導のほど、よろしくお願い致します」


オースティンの言葉を聞いたダンヒルは、少し驚いたように片眉を上げた。だが、すぐににこやかな笑みを浮かべて片手を差し出す。オースティンと握手を交わし、ダンヒルは「こちらこそ」と言った。


「これから存分にしごくから、覚悟しとけよ」

「はい」


訓練の開始まで時間は残っている。その間に、オースティンは部屋を二番隊専用宿舎に移し、そして二番隊の詳細について説明を受けることになった。きっと、ミックは驚くだろう――そう思いながら、オースティンはダンヒルと待ち合わせ場所を決めて走り出す。驚きが去ると、嬉しさが心に沸き起こる。

また一歩、ライリーの近衛騎士という夢に近づいた気がした。



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