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悪役令嬢はしゃべりません  作者: 由畝 啓
第一部 悪役令嬢はしゃべりません
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10. 魔導士と謎 4


ライリー・ウィリアムズ・スリベグラードは魔導省からの報告書に目を通していた。決裁は宰相であるクラーク公爵が行っているが、王太子として全ての書類に目を通したいと言った結果、書類は一式そろえてライリーの手元にも届くようになった。


「自然発生的なもの、か――」


端正な眉を寄せてライリーは呟く。書類には魔導省長官ニコラス・バーグソンの署名もある。案件の重要度によって署名する役職に差は出るが、バーグソンがサインするということは重要度が最も高いことの証明だ。そして、報告内容の精度も高いと判断される。以前のライリーであれば、多少の疑念はあれど有識者の見解ということで納得していたに違いない。だが、国王である父親から祖父の“負の遺産”について聞いてからというもの、全てを疑いの目で見てしまう。


「自然発生じゃなかったらどうするつもりだ? このまま規模が拡大すれば被害は悪化の一途だろうに」


ライリーが読んでいたのは魔物襲撃(スタンピード)に関する報告書だった。魔導省からの報告は「自然発生的なものであり対処は困難」であり、対応策として決定された内容は「主要街道における騎士団あるいは衛兵の増強」である。

だが、魔物の出現ではなく魔物襲撃(スタンピード)の規模になると対抗できるのは専門の訓練を受けた騎士団だけだし、魔物討伐に特化した騎士団は現状王都にしか存在しない。各領地を治める諸侯たちが抱く騎士団から人員を出すよう要請したとしても、期限が区切られていない要請に反発を覚える貴族の方が多いだろう。それに、専門の騎士団を擁する貴族は数少ない。大多数の領地では、農民が騎士団団員を兼任している。彼らに農地を放り出して街道の魔物を警戒しろと命じるのは酷だし、不可能だ。


「これを、クラーク公爵(宰相)が了承したのか――?」


違和感が拭えない。一旦提案されている内容で貴族たちを了承させ、実際の対応は別に考えているのだと祈りたい。次に会ったときに確認しようと書類を卓上に置いたライリーは、小さく息を吐いて椅子から立ち上がった。

気分転換に剣の型を練習しようと、壁に掛けた愛剣を手に部屋を出る。騎士団に入ったせいか、オースティンは忙しいようでなかなかライリーとの鍛錬に付き合ってくれない。少しよそよそしさを感じて寂しいが、これも致し方のないこととライリーは自分を戒めていた。

ずっとオースティンとは本音で言い合って来たが、いつまでも甘えるわけにはいかない。それに、ライリー自身もオースティンに告白できていない悩みがある。祖父への憧れと父の言葉の間で揺れる心は、未だに落としどころが見つからない。解決の兆しすら見えない苦悩はライリーを苛むが、オースティンに告げていないせいで幼馴染には引け目すら感じていた。


ライリーが部屋を出ると、扉の前に立っていた護衛が無言でライリーの後ろから付いて来る。慣れてはいるものの、その護衛が近衛騎士となったオースティンであれば楽しいだろうにと思うと少し気鬱になった。

ふと、ライリーは目の前から回廊を歩いて来る人物に目を止めて歩調を緩めた。その人物は今年二十九歳になる国王の義弟だった。ライリーは内心で顔を顰めながらも、穏やかな微笑を浮かべてみせた。


「お珍しいですね、フランクリン叔父上。王宮にいらっしゃるのは随分と久方ぶりでは?」

「義兄上が病に伏されたと聞いてな。()()()()()()()()()()()、様子伺いに来たというわけさ」


女性にモテそうな甘い顔立ちにすらりとした長身だが、根っからの遊び人である彼は祖父から全く相手にされていなかった。一時期は騎士として一番隊に所属していたが、それも女性からちやほやされるためだったと言うから、根っからの実力主義集団である七番隊の面々には今でも非常に受けが悪い。


彼は先代国王の庶子であり、現在も独身のまま、王都から離れた王家直轄領の屋敷で大公の爵を得て悠々自適に暮らしている。昔馴染みに会いに来たとは、恐らく王都に暮らす昔の愛人と旧交を温めに来たということだろう。義理とはいえ兄である現国王をついでとは不敬にもほどがあるが、今更だった。溜息と僅かに湧き起こる苛立ちを堪えて、ライリーは「そうですか」と相槌を打つ。


「そのまま領地へお戻りになられるのですか?」

「戻った方がお前には都合が良いか?」


ライリーの質問に、フランクリンは意地悪く笑いながら質問で返す。

王位継承権の第一位はライリーだが、フランクリンも王位継承権を持っている。血筋の正当性を考えれば嫡出子であるライリーの方が貴族たちの支持を得られるが、齢九歳のライリーは国王となるには幼すぎると懸念する声もある。だからこそ、ライリーの地位を揺るがしかねない己が邪魔だろうと、フランクリンは言外に指摘したのだった。だが、ライリーは苦笑しながら、「まさか」と答える。


「普段でしたら、王宮にも立ち寄らず真っ直ぐご自宅へお戻りになられますので。今回はどうなさるのか、と思ったまでですよ」


途端にフランクリンは気まずそうな顔になる。彼が王族の務めを放棄して遊び呆けているのは周知の事実だ。だからといって、仮にも王族である以上、それを指摘する者はいない。


「父上も居らず、義兄上もこのような状況ではな――お前も苦労するだろうと思って、まあ、俺でも居ないよりは居た方が助けになるんじゃないかと思ったまでだ。不要だったらとっとと領地に戻っても良いが――話を聞くくらいはできるだろう」

「お心遣い感謝申し上げます、叔父上。しかし私は大丈夫ですよ。優秀な臣下たちがおりますから」

「ふん、父上の代から政治を牛耳っている古狸どもがな」


フランクリンは鼻で笑う。ライリーはわずかに眉根を寄せただけで、特に何も言わない。フランクリンは手を背後で組んだまま、小馬鹿にしたような表情を保ち毒を吐く。


「奴らは王族の尊さというものを理解しておらん。自分たちが居れば十分だと確信して、俺たちを蔑ろにする。思い上がりも甚だしい。スリベグランディア王国を作ったのは俺たち王族の先祖だと言うのに敬意が足りん。先ほども、俺が決裁をすると言ったのに、あの愚鈍な男が不要だと切り捨てよった」

「――どなたにお会いになったのですか?」

「青炎の云々と呼ばれて調子に乗っているいけ好かないジジイだ」


ライリーは溜息を堪えた。青炎の宰相と呼ばれているクラーク公爵のことに違いない。ジジイと言うが、今年で四十になるはずである――それほど高齢でもない。その上、間違いなくクラーク公爵の王家と王国に対する貢献度はフランクリンよりも遥かに高い。貴族たちからの評価も比べるべくもないだろう。それに、突然ふらりと現れた王族が勝手に政治に首を突っ込み口を出されることほど迷惑なことはない。ライリーでさえ、その点には細心の注意を払っている。


「そうですか。それでは、叔父上は彼らにはできないお仕事をなされば宜しいのではないでしょうか」


ライリーは曖昧に微笑みながら、フランクリンの自尊心を傷つけないよう言葉を選ぶ。フランクリンは首を傾げた。


「俺にしかできない仕事、だと?」

「はい。例えば、市井に降りて情報を集めることは叔父上にしか出来ない事かと。ああ、ですが護衛は必ずお付けください。このような情勢ですと、御身に危険が迫ることもあるかもしれません」

「うむ、そうだな」


フランクリンは鷹揚に頷いた。どうやら“叔父上にしかできない仕事”という響きが気に入ったらしい。嬉しそうに頬を綻ばせている。

どのみち、彼にできることはそれほど多くない。“市井で情報を集める”ために彼がすることといえば、ほぼ間違いなく娼館に出向き娼婦に自慢話をすることくらいだ。だが、それであれば大して痛手はない。フランクリンは領地に引きこもっている上、領地経営は家宰に丸投げしている。外部に流出して困るような機密事項をそもそも知らないはずだ。間違いなくハニートラップに引っかかる類の男ではあるが、だからこそ成人前に祖父の手で政治の中枢から遠ざけられた。知らないのは本人だけである。

満足そうに頷くフランクリンは片手を挙げてライリーに「それではまた、何かあれば声を掛けろよ」と言い置き颯爽と立ち去る。その後ろ姿を表面上だけはにこやかに見送り、ライリーは内心で溜息を吐いた。背後の護衛二人が仏頂面の裏に不快感を隠しているのだろうことも容易に想像がつく。


「――リリアナは、またしばらく来る予定がなかったな」


無意識の言葉がライリーの口から零れる。呟いてからハッとしたように気が付き、ライリーは耳を赤く染めた。

幼馴染であるオースティンと時折過ごす時間は、ライリーにとって気安い空間だ。だが、それと同様か――もしかしたらそれ以上に、対等に議論を交わせるリリアナとの茶会は大切なものになっていた。



*****



王宮の兵舎では、その日も一番隊を除く騎士たちが訓練に明け暮れていた。エアルドレッド公爵家の一員であるオースティンは、見習いとして訓練を終わらせた後、雑用に走っていた。公爵家の次男であれば特別待遇を望むことも不可能ではないが、一番隊を望むのでなければ他の騎士たちと同様に下積みを経なければならない。オースティン自身も実力主義と名高い七番隊を目指しているだけあって、積極的に雑用をこなしていた。自分で考え積極的に動きコミュニケーション能力も高いオースティンは大多数の騎士たちとは良好な関係を築き上げていた。先輩からは可愛がられ、同期からは慕われている。中には彼の出自から妬む者もいたが、ごく少数であり、オースティン自身全く気に留めていない。


一通りの雑用を終えたオースティンは汗を拭い、稽古に使った道具の整理をするため倉庫に向かう。雑用や訓練に専念している間は良いが、少しでも余裕が出ると無意識に溜息を吐いてしまう。その理由は自覚していた。


「一番の友だと、思っていたんだけどな」


思わず零れた独白に苦笑する。脳裏に浮かぶのは、最近会う頻度を減らした幼馴染だ。彼は王太子という重責を負いながらも、常に前を向き自分のなすべきことを着実にこなす自慢の親友だった。

ライリー・ウィリアムズ・スリベグラードとオースティンが出会ったのは、まだ一人で座ることすらできないほど小さい時だった。国王の末弟とオースティンの伯母が結婚したこともあり、王家とエアルドレッド公爵家は頻繁に交流を持っていた。特に同じ年に生まれたライリーとオースティンは、共に過ごす時間が長かった。成長するに従い互いの家族には言えないことも増えたが、二人の間に隠し事はなかった。


それが、初めて――ライリーがオースティンに隠し事をした。他の誰に対しても抜かりなく取り繕うライリーだが、オースティンを前に酷く狼狽し憔悴していた。自分には隠し事をして欲しくなかったが、ライリーが胸の内を明かしたくないのだろうことも分かった。

だからこそ、大人ぶって「誰か信頼できる人間にその荷物を分けろ」と助言したのだが――その結果が()()だ。

自嘲が浮かぶ。

他の誰よりも多くの雑用と訓練を積極的にこなす。真面目と言えば聞こえは良い。だが、その実態はただ考える時間を極力減らしたいだけだ。

ライリーに会えば、頼って貰えなかった時のことを思い出し八つ当たりしそうになる。だから、騎士団に入ってばかりで余裕がないと言い訳をつけて、あれほど好んでいたライリーとの鍛錬も避けるようになった。やろうと思えば、全く問題なく時間の都合も付けられるというのに。


もう今日はこれ以上することもない。自主的に剣の稽古でもしようかとオースティンが逡巡していると、離れた場所から「おい、オースティン!」と自分を呼ぶ声が聞こえた。振り向くと、倉庫の近くの木陰に腰を下ろし雑談をしていた二人の騎士がオースティンを見て片手を挙げている。


「オースティン、雑用は終わったのか」


先に声を掛けたのは、細身の男だった。細身とはいえ、騎士として鍛えているだけあってしっかりとした体つきをしている。茶髪に茶色の目と色合いだけを見れば地味だが、顔の造作は整っていた。人好きのする笑顔で取っつき易く、王宮勤めの侍女たちからも人気がある。


「お疲れ様です、カルヴァート隊長。あとはこれだけです」

「働き者だな。俺が見習いだった時とは大違いだ。ちょっと頑張りすぎじゃないか?」

「お前はサボりすぎだった」


低く突っ込みを入れたのはもう一人の黒髪の騎士だった。それほど背は高くないものの、がっしりとした体つきをしている。鋭い目は彼の真面目さを良く表していた。だが、カルヴァート隊長と呼ばれた男は素早く言い返す。


「黙れ、ブレンドン。後輩の前では俺の顔を立てろよ」

「それなら少しは真面目に働け。だが、オースティン。ダンヒルの言うことは俺も同感だ。全力で取り組むのも悪いことではないが、お前は遮二無二すぎる」

「遮二無二――ですか」


そこまでがむしゃらに見えたのだろうか、とオースティンが微妙な顔をしていると、ダンヒルは「うんうん」と腕を組んで頷いた。

二番隊隊長のダンヒル・カルヴァートと七番隊隊長のブレンドン・ケアリーは、一見正反対だ。しかし気が合うらしく頻繁に二人で話している。カルヴァートは辺境伯家次男でありケアリーは平民出身だが、二人が地位の差を気にしている様子は見られない。むしろ、ブレンドンがダンヒルのさぼり癖を見咎めている場面を良く見る。


そして、この二人はオースティンが入団してから事あるごとに目を掛けてくれていた。コミュニケーション能力が高く何でも卒なくこなすオースティンが、同期たちの悩み事を聞くばかりだったのを見かねた二人が声を掛けてくれたのが切っ掛けだった。悩みがあるならその荷物を誰かに分けろ、と助言してくれたのもダンヒルとブレンドンである。


「頑張るのは良いことだけどな、後先考えずにがむしゃらに頑張りすぎても良いことないぞー? 短距離を駆け抜けるなら良いけど、人生って長いからな。ペース配分考えないと、後半へばっちまうぜ」


まぁ人生だし無茶しちゃう時期も必要だけどそれって今じゃないだろ、とダンヒルは笑う。

オースティンは返事をできなかった。ダンヒルの言葉は的を射ている。だが、だからといって「はい分かりました」と素直に頷くにはオースティンも精神的に追い詰められていた。

そんなオースティンをじっと見ていたダンヒルが、ふっと笑みを優しく緩める。


「悩み事があるならいつでも聞くぜ、少年。でもまあ、言えないってならその道具片付けた後俺たちに付き合えよ」

「――はい」

「明日、お前も休みだろ? せっかくだから飯、食いに行こうぜ。着替えたら門のところ集合な」

「分かりました。有難うございます」


先輩の気遣いには素直に頷き、オースティンは道具を倉庫に片付けた後、部屋に帰って着替える。急いで門のところに行けば、ブレンドンが既に立っていた。焦ったオースティンに「気にするな」とブレンドンは首を振る。それから少しして、ダンヒルもやって来た。


「遅いぞ」

「お前が早いんだって。先輩だったら後輩に気を使わせないように、少し遅めに行くのが気遣いってもんだぞ」

「――気にする必要はない」


ダンヒルの指摘に、ブレンドンはわずかに気まずげな表情を浮かべる。オースティンは苦笑を辛うじて堪えた。ブレンドンが「どこに行くんだ」と問えば、ダンヒルが二人を先導する。滅多に外食をしないブレンドンとは違い、ダンヒルは王都の飲食店を網羅する勢いで外食しているようだった。


「そういえば、大公が戻って来たって知ってる?」


ぴくり、とオースティンの眉が一瞬動く。彼は一歩ダンヒルに近づき、声を潜めて尋ねた。


「――どちらの大公ですか」

「遊び人の方」


今のスリベグランディア王国に大公と呼ばれる人物は二人いる。その内、遊び人と言えばフランクリン・スリベグラードその人だった。先代国王の庶子であり、一時期一番隊で騎士をしていたものの、実力はない。適性云々以前に、本人にやる気が全くなかった――というのが騎士団に今なお伝わる話だ。当時、騎士団に所属していた騎士で彼のことを良く言う人間はほとんど居ない。

オースティンは辛うじて舌打ちするのを堪えた。


「何のために――」

「本人は“昔馴染みに会いに来たついでに、義兄上の見舞い”って言ってたらしいぞ」


相変わらず耳が早いと、オースティンは内心で苦笑する。ダンヒルは以前から情報収集に掛けては一級品だった。たださぼっている訳ではないのだ、というのが本人の主張だが、真偽のほどは定かではない。


「普通は逆でしょう」

「だよなあ」


ダンヒルは苦笑する。ブレンドンは無言を貫いているが、不快だと思っていることは明らかだ。何となく、三人の周囲の空気が冷たくなっているような気がして、オースティンは小さく溜息を吐いた。


「昔馴染み、というのも気にかかるところですね」

()()()()()()だろうな?」


ダンヒルがニヤニヤと笑いながら言う一方で、オースティンは眉根を寄せる。

フランクリン・スリベグラードは、大公となる前は王都で浮き名を流していた。社交界では毎回違う花を侍らせ、見初めた相手は婚約者や夫が居ようが居るまいが気にせず手を伸ばす。花を摘み取り飽きれば捨てる、それを繰り返して来た。自分の思い通りにならなければ執着し、思い通りになればすぐに次を探す。見咎めた先代国王が早々に王都から離れた直轄地に飛ばしたため、大きな問題が起こることはなかったが、あのまま放置していれば社交界は大荒れに荒れただろう。


彼の頭の中に“政”という言葉はない。だからこそ、国王が動けず王位継承に関し皆が神経質になっている今、王都に戻ることで及ぼす影響を一切考えない。フランクリンが会うという昔馴染みが誰なのかによって、下手をすれば王国の行く末が大きく変わる。能力がないと先代国王に見捨てられた男ではあるが、王位継承権を持っている事実は変わらない。彼を引き立てようと企てる者が居ないとも限らなかった。


「で、飯屋はここ」


唐突に深刻な話が途切れ、ダンヒルがとある店の前で立ち止まる。そこは庶民が好むような大衆食堂だったが、良い香りが路上にまで漂っていた。


「お勧めはニシンのシチューだよ」


嬉し気に言うダンヒルの様子を見れば、オースティンも少し気持ちが明るくなる。もしかしたら、ここ最近ずっと落ち込んでいるオースティンを心配して食事処に連れて来てくれたのかもしれない。そう思うと、無意識のうちにオースティンの頬は笑みに緩んでいた。



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