挿話11 ハミルトン・ケニス辺境伯の追憶
――――約三十年前。
扉を開けた執事の、蒼褪めた顔に私は気が付いた。普段は飄々として態度を変えぬ男なのに、珍しいこともあるものだ。
「どうした」
「エアルドレッド公爵家から早馬が」
「早馬? 何かあったのか」
尋ねれば、執事は僅かに震える手で手紙を差し出した。封は開けられていない。受け取り封を開けながら、早馬の男は誰だったのか問う。私も聞いたことのある名だった。確か、ベルナルド殿の腹心であった。もしかしたら、既にその男から簡単に何があったのか聞いたのかもしれない。
封を開けて便箋を取り出す。そこに書かれていた文章は、ベルナルド殿の筆跡ではなかった。しかし私にも記憶がある。間違いなく、ベルナルド殿が信を置いている執事の手だ。礼を尽くした手紙でないことを謝罪した上で、手短に用件を告げている。
「――なんということだ」
思わず苦い声が漏れた。執事は蒼白な顔で、私を窺っている。どうするか、と私の指示を待っているのだろう。だが、さすがに私も判断が付かない。だから代わりに、執事に尋ねることにした。
「エイダ殿が亡くなったらしい。事故、ということで片付けられたらしいが――誰の手も関わっていないと思うか?」
「確証はありませんが――」
蒼白だった顔は既に血の気が失せている。しかし、辺境伯家に勤めるということは、今後もっと厳しい現実を目にすることになる。この程度のこと、と言えば厳しいかもしれないが、知人が死んだからと言って狼狽えるようではこの先が心配だ。
「――可能性としては、高いと思います。エイダ様は私も良く存じておりますが、豪快ではありながらも無謀な方ではありませんでした。自ら死を選ぶような方でもなく、ユリシーズ様もお生まれになったばかり。乳飲み子を残すようなことは決してなさいますまい」
私の考えと寸分違わぬことを言う。私だけでなく、この執事もベルナルド殿の妻エイダ殿のことを良く知っている。家族ぐるみでの付き合いがあったのだから当然だ。先日生まれたばかりの嫡男ユリシーズは当然乳母に育てさせているが、ベルナルド殿もエイダ殿も、可愛らしい子供だと心から喜んでいるとの知らせがあった。生真面目な言葉下手のベルナルド殿が、その性格に似合わず分厚い手紙を送って来たことは忘れられぬ、ユリシーズが大きくなったら酒の肴にでも語って聞かせてやろうと思っていたところだったというのに。
手紙では、ベルナルド殿は酷く意気消沈しているらしい。それも当然だろう。エイダ殿は、正直なところその家柄は辛うじてベルナルド殿に釣り合う程度のものだった。他にもベルナルド殿に相応しいとされる家の、そして関係性の令嬢はいたが、ベルナルド殿にはどうしてもエイダ殿以外考えられなかったらしい。結婚すると決まった時も、珍しく話をしたいと連絡をして来た。勿論だと答えれば、喜々として珍しい葡萄酒を持って来て、嬉しいことがあった時に開けようと思っていたと打ち明けてくれた。
「何でも構わん。小さなことでも、たとえば年端もいかぬ子供の証言でも良い。可能性のある証言と証拠を片っ端から集めろ」
「御意」
私の命令に、執事は表情を引き締めて部屋を出る。
ベルナルド殿は、しばらくは使い物になるまい。あれほどエイダ殿を愛していたのだ。私も含め周囲が驚くほどの天才ではあったが、少し精神的に弱いところがあった。陛下の覚えも目出度く、王都でも何かしらの重要な地位を占めるようになるのではないかと思っていたというのに。このままでは、ベルナルド殿は中央から姿を消してしまうだろう。
「もしかしたら――いや、その可能性はある。ベルナルド殿の政敵は複数いるが、実際に手を下せるだけの貴族はそれほど多くはない。となると」
数人の心当たりを脳裏に浮かべる。
「チェノウェス侯爵家、クラーク公爵家、もしくはアルカシア派の有力貴族」
その中に犯人がいるかどうかも現時点では分からない。仮に私の予想した中にいたとしても、特定できる可能性は限りなく低いだろう。どの家門も、暗殺をするからには徹底的に証拠を隠滅できるだけの力がある。尤も、アルカシア派の有力貴族は多少、尾を掴みやすいかもしれない。
「――仕方あるまい」
今後のことを考えれば、他に方策はない。気が重く、堪えようと思った溜息が口の端から漏れる。
「王都に出るか」
辺境伯領に籠り、表向きには中央からは距離を置いていた武骨な武人ではあるが、ベルナルド殿が中央から退くとなれば権力の均衡が崩れかねない。ユナティアン皇国は今なお虎視眈々と我が国を狙っている。特に奴らが一番手に入れたいエベーネ平原は、我が国の農業の要でもある。下手に中央で政争を起こされては、国境の守りにも影響が出てしまう。
陛下にも散々、王宮に参じるよう言われていた。それを、国境の警戒を理由に断り続けて来たが、頃合いというものなのだろう。尤も、陛下が私に声を掛けた理由は決して前向きなものではないのは間違いがない。陛下は常に、謀反を警戒なされている。私が叛意を持っていないか、手近に置いておけば分かるとお考えに違いあるまい。
「あのような魔窟は好きではないが」
王都のような場所よりも、我が領土の方が好みに合う。王宮に入り浸る、戦うことも知らぬ貴族など私が粗野だと眉を顰めるだろうが、その程度の誹りなど大した傷にはならぬ。我が辺境伯領があるからこそ、奴らもただぬくぬくとその恩恵を受けることができるのだ。
次に顧問会議が開かれるのは、およそ一月後。今から準備を整え向かえば、十分に間に合う。これまでは委任状を託し部下に任せていたが、私が直接顔を出すのも良かろう。
これから忙しくなるのは、間違いない。
*****
――――十二年前。
顧問会議が終わり、やれ館に帰ろうかと廊下を歩いている時。護衛騎士の一人が、私に声をかけて来た。一体どうしたのかと問えば、ホレイシオ王子殿下が私を呼んでいるという。
殿下は王族にしては珍しく恋愛結婚をしたものの、王子妃となられたアデライン様は産褥の際に体調を崩し、そのまま崩御なされた。その後の意気消沈振りはすさまじく、陛下も精神が軟弱だと快い顔をしていない。順当に行けば立太子なさるはずだったが、その先行きも不透明となってしまった。
尤も、次期国王として適当な方は正直思いつかない。陛下には妾が数人いらっしゃるが、その間に出来た子の内、年齢が適切とされている方々はホレイシオ殿下とフランクリン殿下を除いて皆、女児だ。昨年には、二歳となられたライリー殿下と、生まれたばかりではあるが、クラーク公爵の娘リリアナ嬢が婚姻する運びとなった。陛下は乗り気であられるが、エイブラム殿の方があまり乗り気ではないらしく、あくまでも婚約者候補であるらしい。
陛下はまだ現役を貫かれるおつもりであろうし、万が一の場合があったとしても、ライリー殿下であれば後ろ盾としてエイブラム殿が立てる。血筋としては妾腹の子より正統であるため、最適解だとお考えになられているようだ。
実際にライリー殿下は二歳でありながら利発な御子であり、陛下も可愛がっていらっしゃるように見受けられる。
そこまでの状況を鑑みた上で、普通の貴族であればホレイシオ殿下の誘いになど応じないだろう。殿下と関わり、それが陛下の耳に入れば、下手な勘繰りを受ける可能性がある。もし謀反を企んでいると思われでもしたら、チェノウェス侯爵家の二の舞になる――そんな認識が、チェノウェス侯爵家の取り潰しの真相に勘付いている高位貴族の間では暗黙の了解として存在していた。
チェノウェス侯爵家の一件を知らぬ下位貴族は流石に王子の誘いともなれば断れぬだろうが、それでも権力争いからほぼ脱落したと思しき殿下からは極力距離を取ろうとするはずである。
しかし、ケニス辺境伯となり顧問会議でも発言権を得、隣国ヴェルクへの出征の際に一翼を担った私は、幸いにも陛下の信が厚い。尤も、気を使われているという可能性は否定できないが――いずれにせよ、ホレイシオ殿下の呼び出しを拒否する理由は特になかった。
「失礼致します」
廊下を歩き、本来であれば王族と近衛騎士しか入れぬ場所へと足を踏み入れる。殿下がお暮しになられている私室の周囲は暗く、人影も少なかった。本当に王子が住まわれているのかと疑いたくなるほどだ。
部屋に入った時、ホレイシオ殿下は私の顔を見てほっとした表情をされた。しかし同時に、罪悪感を覚えられているようにも見える。
「お呼びと伺い参上仕りました」
「あ――うん、そうだよ。確かに僕が呼んだ。良かったら、そこに座ってくれないかな」
指し示されたソファーに、私は座る。対面には殿下が御座すが、中々口を開こうとはなされない。一体何用なのかと訝しく思うが、ようやく殿下が口になさったお言葉は、私には理解し難いものだった。
「貴殿に、頼みたいことがあってね」
妙な殿下の様子に、私は眉根を寄せた。これまでの殿下も、確かに自信がなさそうな言動を取られることはあった。英雄と名高い父王が居れば確かに居心地も悪かろうと、どこかで同情の気持ちも抱いていた。
だが、今の殿下は明らかに、何かに怯えていらっしゃる。
「詳細はその、私にも分からないのだけれど――どうやら毒蛇が紛れ込んでいるようで。父上もお気付きではないのだ」
毒蛇という言葉が、その単語通りでないことは明らかだ。どうやら殿下は私に危機を伝えようとしているようだが、あまりにも抽象的過ぎて、どのような脅威かも分からない。それに、殿下が気が付いていて陛下が知らぬということがあり得るのか。陛下は寧ろ疑心暗鬼に駆られチェノウェス侯爵家の取り潰しを考えるほど、周囲に疑惑の目を向けている。
「なるほど、毒蛇が」
「そうだ。私もこの目で――見た、のだが」
辛うじて私にだけ聞こえる声で、殿下は囁く。決定的な場面を見たのであれば陛下に奏上すれば良いではないかと思ったが、ホレイシオ殿下は既に陛下からの信頼を失っている。気軽に声を届けることすら出来ぬのだろう。
案の定、殿下は情けない顔で仰った。
「僕には力も能力もない。だから、陛下も僕の話を聞き届けてはくださらないだろう。だから、貴殿に頼みたいのだ」
「――お話は理解致しました。しかしながら、もう少し詳細をお聞かせ願えませんかな?」
毒蛇――恐らくは裏切り者――が居ると言われても、ただそれだけの情報では捜査も何も進められない。だが、殿下は大した情報をお持ちではないようだった――否。
たった一瞬、茶のお代わりを注ぐために侍従が姿を消した瞬間、殿下は早口で仰られた。
「そう――、その毒蛇はね、僕の子供と婚約者にも噛みつこうとしているように思えてならないんだ。ライリーはまだ、王宮に居るし護れると思う。でも、婚約者は――」
まだ婚約者ではなく“候補”であるはずだが、殿下が仰っているのがクラーク公爵の娘リリアナのことであるとは察せられる。一体何故、と思ったが、侍従が戻って来た瞬間に陛下は「頼めるかな」と眉を情けなく垂れさせて仰られた。
どうやら、その毒蛇は抜け目なく、監視の目を殿下に着けているようだ――私に分かるのは、その程度のことだった。
「お話は承りました。しかしながら、私も辺境に住まう武骨者。ご期待に沿えぬやもしれませぬが、ご容赦頂きたく」
敢えて冷たく、私はそう言い放つ。それでも殿下はほっとしたように頷かれた。
「――ああ、それで構わない。そう言ってくれるだけで助かるよ」
つくづく腹芸の出来ないお方である。
だが、殿下の御前を失礼した後、私は自宅に向かう馬車の中で深く考えた。殿下はクラーク公爵エイブラム殿のことを良くご存知のはずである。そして、チェノウェス侯爵家が失われた後、三大公爵家となったクラーク公爵が娘の命を奪わせるようなことをするはずがない。その程度のことは、さしもの殿下もお分かりだ。
「つまり、エイブラム殿が実の娘を護らないとお考えか――?」
その時脳裏に過ったのは、二十年近く前の出来事――エアルドレッド公爵ベルナルド殿の前妻エイダが亡くなった時、他殺を考えた私は候補にエイブラム殿を挙げた。結局は他殺である証拠もなく、事故であるという結論を覆すことはできなかった。
「いや――まさか。そんなはずはあるまい。今のエイブラム殿は見事に国内有数の権力を手にしている。陛下の覚えも目出度く、彼の出した法案はほぼ全てが受け入れられているのだ。この上で娘をライリー殿下の妃とすれば、先も安泰、他に何を望むものがある?」
ベルナルド殿を蹴落とす動機はあっても、陛下やホレイシオ殿下、ライリー殿下、そして実の娘に手を掛ける動機はない。
理性では分かっていても、嫌な感覚はどうしても拭えなかった。
王族の周囲に置く人間を選別できる人間でなければ、ホレイシオ殿下を監視することなどできない。当然、そのような権力を持つ人間は限られる。そしてエイブラム殿は間違いなく、その権力を有していた。
「――リリアナ嬢は、今年で三歳だったな。マリアンヌが十二か」
十二歳ならば、奉公に出せる年齢だ。尤も、辺境伯の娘が侍女として他家に働きに行くことはない。しかし、我がケニス辺境伯家であれば、どこの貴族も納得するだけの素地が整っている。元々我が一族は徹底した実力主義だ。たとえ辺境伯家の実子であろうと、人を統率するだけの能力がなければケニス騎士団の団長にはなれぬ。それは男に限らず、女でも同様だ。
マリアンヌは、人の役に立ち喜ばせることに嬉しさを見出す性質だ。だが、それだけではない。武術の腕はからきしだが、兵法に関しては既に長兄ルシアンを唸らせる。チェスもその実力は兄弟の中で一、二を争うほどだ。
ただし、性質の優しさ故か、戦には向かぬ。果たして彼女の能力を最大限に生かせる場所はどこかと、ずっと頭を悩ましていた。
「帰ったら、マリアンヌに訊いてみるかな」
三歳になる公爵家の娘の侍女となり、主を護りながら脅威となる可能性のあるエイブラム殿についても逐一報告させる。そしてゆくゆくは王宮に上がって王子妃付きの女官を目指してはどうかと。血みどろの争いには恐怖を抱くが、戦略を練ることに関しては随一の才能を持つ娘には、そのような立場が最適ではないかと――そう思ったことも事実である。
*****
――――十一年前。
その知らせに、王宮は揺れた。
「陛下が、御逝去なされたと――?」
一旦領地に戻っていた私は、早馬からの連絡を聞き我が耳を疑った。最後にお会いした時も、陛下はまだ矍鑠としお元気だった。病など得ていないという顔で、変わらず我々にも厳しいお言葉を掛けていらした。
早馬を飛ばして来た部下は、疲労の隠しきれない顔で仔細を述べた。
「狩りに出られた際間諜に狙われ、肩口に傷を受けられたのが先日。侍医の治療により一時は持ち直したようですが、数日後、容体が悪化しお亡くなりになられたとのことです」
「――そうか」
何故、暗殺が成功したのか――それを考えると、嫌な予感しかしない。陛下の狩りには厳戒態勢が敷かれる。その隙をついて怪我を負わせるなど、余程のことでは出来まい。
一つには、警護も含めた行程を決める立場に居る者が、暗殺に関わっている可能性が考えられる。しかし、それもないとするならば――。
「大禍の一族か」
件の一族は、ヴェルクの反乱にも関わっていたという噂がある。非常に優秀な暗殺集団であり、その姿を見た者はないとの話だ。その一族が陛下を狙った可能性は否定しきれない。
いずれにせよ、王太子が決まっていない現状は不味い。ヴェルクの反乱を抑える際に我が国が手を貸した故、今はまだ隣国も友好的な態度を保っている。しかし、国王の不在期間が長引けば皇国は我が国に牙を剥くだろう。
「フランクリン殿下はあり得ぬ。大公の地位をちらつかせ、ホレイシオ殿下に御即位いただかねば」
ただ一つの懸念は、宰相となったクラーク公爵エイブラムの存在だ。奴の考えは、どうしても読めない。万が一にも、エイブラムがフランクリン殿下を推すとなれば顧問会議は紛糾するだろう。
事前の根回しもしたいが、辺境伯領から王都ヒュードルは距離がある。今すぐ私も馬を出すが、先に早馬を走らせる他なかった。
だが、私の懸念をよそに、ホレイシオ殿下に御即位頂くことが、顧問会議にて直ぐに決まった。エアルドレッド公爵家の名代、二大辺境伯、そしてクラーク公爵エイブラム殿が賛成に回ったことが大きい。
安心したのも束の間、どうにか即位の儀を執り行われた陛下は、体調を崩された。侍医が診察をしても、魔導士が治療を施しても、原因不明故に回復はしないという。
それでも、御即位から二年の間は、体調の良い時には顧問会議に御臨席なされていた。部屋から出る時、一度だけ陛下は偶然、頭を下げた私の横を通られた事がある。その際、陛下は私にだけ聞こえる声で囁かれた。
「どうやら毒蛇に噛まれたようだよ」
私にしか通じぬ、言葉。自嘲に満ちた陛下の言葉に、私は自分の表情が強張るのを感じていた。
辺境伯として国を護る責を負った私は、この国の頂点に立つ護るべきお方さえ、お護りできなかった。悔しさに両手を握りしめる。しかし、その毒蛇はなかなか姿を現さぬ。どれほど調べても、薄っすらつかめたと思った影が、次の瞬間には掻き消える。その上、徐々に不穏になる国境の護りも固めねばならず、歯痒い思いをしながらも、月日は過ぎて行った。
*****
――――現在。
殿下方が、我が辺境伯領から王都に向けご出発なさった。ブレンドン・ケアリーも、まだ幼い少年としか思っていなかったが、随分と立派な青年になった。真面目なところは、昔から変わりない。王立騎士団では隊長を務め、このまま行けば騎士爵も得られることだろう。
確か、我が娘マリアンヌとも幼少時より仲が良かった。マリアンヌにも、今後どうするか決めさせねばならぬ。リリアナ嬢の側にいるにしても、伴侶を迎えることも考えた方が良かろう。
ブレンドンには手紙を言付けたが、果たしてどうなるか。
陛下も雲隠れなさったまま、殿下も大公派との一戦を控えられている。隣国の様子もきな臭い。
果たしてこの国の未来がどうなるのか。少なからず分かることは、今この時が、まさに我が国の分かれ道であることだ。
――もし彼が――ベルナルド殿が存命であったならば。今の状況を見て何を語るのか、是非酒を酌み交わしながら語ってみたかった。
33-15
53-7
53-8