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悪役令嬢はしゃべりません  作者: 由畝 啓
第一部 悪役令嬢はしゃべりません
223/563

33. 悪因悪果の実 5


王太子ライリー・ウィリアムズ・スリベグラードは、婚約者のリリアナと執務室で顔を突き合わせ、打ち合わせをしているところだった。緊張した面持ちで部屋に入って来たのは、王立騎士団の副団長マイルズ・スペンサーだ。


「どうした、スペンサー副団長。何かあったのか」

「殿下にご報告とご相談申し上げたいことが」


答えたスペンサーは、ちらりと部屋の隅に控えている侍従に目をやる。その目線に気が付いたライリーは、侍従に部屋を出るよう告げた。頭を下げて退室した侍従の気配が部屋の前から消えたところで、スペンサーはライリーに顔を向ける。


「この部屋に防音の結界を張っても?」

「防音の? 念入りなことだな」


ライリーは小さく笑みを浮かべて、さっさと防音の結果を張ってしまう。その素早さにスペンサーは一瞬目を瞠ったが何も言わず、早速用件を切り出した。


「実は――今朝、ニコラス・バーグソンが独房で死亡しているのが確認されました」

「なに?」


あまりにも予想外の報告だった。ライリーだけでなく、彼の隣に座ったリリアナも驚きに目を瞬かせている。


「バーグソンが死んだ?」

「はい。呪殺と思われます」


呪殺という言葉に、気付かずリリアナは息を飲む。ライリーはそっと手を伸ばして、婚約者の冷え切った手を握りしめる。リリアナは普段から泰然自若としていて、身の危険を感じるはずの場面でも一切の怯えを見せなかった。その彼女が“呪殺”という言葉に衝撃を受けている事実に違和感を覚えたが、ライリーは先にスペンサーの話を聞くことにした。


「呪殺といっても、騎士団の牢には魔術と呪術封じの陣が施されていたと思ったが」

「仰る通りです。しかしながら、その陣では通常の魔術と呪術のみ――つまり、体外に術を放った場合にのみ効果を発揮します」


スペンサーの解説は端的だが少し分かり辛い。ライリーは目を細めて副団長の説明を聞いていたが、冷たく華奢なリリアナの手がぴくりと動いたことに気が付いた。気遣わし気な視線をリリアナに向ける。


「リリアナ嬢、もし良かったら隣室で休んでおく?」

「いいえ、大丈夫ですわ」


リリアナは静かに首を振った。しかし顔色は僅かに青白い。気にはかかったが、毅然としたリリアナの表情を見てライリーは説得を諦める。一層リリアナの手を強く握ってスペンサーに顔を向けた。


「つまり、バーグソンの体内に呪術が仕掛けてあったということか」

「そう考えなければ辻褄が合いません。看守も持ち場を離れていないと言いますから暗殺者が侵入したとも考えにくいですし、そもそもあの遺体の状態は――魔術か呪術でなければあり得ません」


スペンサーは重々しく頷く。だが、騎士団での調査はそこで止まった。苦しそうに顔を歪め、スペンサーは小さく息を吐いた。


「――団長のご意向もあり、本件は伏せています。発見した看守には口止めをした上で、しばらくは団長付の仕事をして貰うことになりました。バーグソンの死亡を知っているのは、発見者の看守以外にはヘガティ団長と私だけです」

「見事な判断だな。しばらくは伏せておいてくれ」

「御意。しかしながら、殿下――死因を確定するためには、呪術に詳しい魔導士の協力が必要です」


捕縛したその日にニコラス・バーグソンの命を奪われたと広まれば、王家と騎士団を批判する者が必ず出て来る。表立っては口にしなくとも陰口は広がりやすい。大公派が徐々に力を付けて来ている今、魔導省という一大勢力は手に入れたかった。

ライリーは僅かに俯いて考える。しかし、一つの結論を出すのにそれほど時間は掛からなかった。


「それならばペトラ・ミューリュライネンに頼もう。彼女なら呪術に詳しいし、口も堅い」

「私から声を掛けても?」

「そうだな――いや、私から話を通そう。どのみちベン殿にも伝えることになるだろうからな」


騎士団が突然ペトラに声を掛ければ怪しむ人間が出て来るかもしれない。だが、ライリーであればベンに接触したところで疑う人間はいないはずだった。


「承知いたしました。それでは――殿下にはお手数をおかけ申し上げますが」

「構わない。そうだな、今日中にはベン殿に伝えると約束しよう」


ライリーの言葉にスペンサーは恐縮した様子で頭を下げる。構わない、と首を振ったライリーは代わりに質問を口にした。


「バーグソンに関しては残念だったが、他の魔導士たちの調査はどうなった?」

「は。順調に進んでおります。どうやら協力関係にあった者も多く、前後関係や人間関係を把握するのに多少時間が掛かっておりますが――ベン・ドラコ殿が以前調査してまとめて下さった資料が役立っております」

「そうか、それは良かった」


スペンサーが簡単に説明してくれたところによると、横領に関しては中心人物が数人いるらしい。特に巨額の横領に関わっていたのは第二位階魔導士バリーだという。彼はベン・ドラコが魔導省を追放された五年前に第二位階に昇進したが、どうやらバーグソンに金を積んだと言う話だ。更には魔導省の中でも在籍期間が長いため、それを鼻に掛けて若手の魔導士や文官に無理難題を吹っ掛けていたようだった。


「経理の文官の弱味を握って、自由に使える金を確保していたようですね。それにあやかろうと追随した魔導士も多数いるようです。ただ、彼らがしたことは横領のみですから――裁くにしても魔導省からの追放と、悪質かどうかによって魔導士資格の剥奪程度となるのではないかと思います」

「全くろくでもないな」


頭が痛いというようにライリーは溜息を吐く。ようやくリリアナの手が温かくなったことに気が付き、ライリーは微笑を浮かべて間近にある婚約者の横顔を一瞥した。

視線をスペンサーに戻すと、騎士団副団長はなんとも言えない表情でライリーとリリアナの事を眺めている。しかしライリーが自分を見たことに気が付くと、すぐに礼儀正しく視線を逸らした。


「つまり魔導省では横領が恒常化していたということか。これはつくづく、長官以下全ての魔導士を同時に捕縛する計画にして良かったな。そうでなければ取り逃しも多かっただろう」


魔導省に勤める魔導士たちは身内意識が強い。その上、不正に手を染めている者たちは妙な連帯意識を持っていることが多い。そのため、ライリーたちはそれなりに早い段階で国王に呪いをかけた術者がバーグソンだと突き止めていたが、敢えて情報を伏せて極秘に魔導省を一掃する計画を立てていた。信頼のおけるごく少人数に密命を出し、大公派に知られないよう手を回した。


「魔導省を確実に国王派に取り込むためには、バーグソンを支持する魔導士たちを一掃しなければならなかったからね。当然、何の罪も犯していない者を罰することは出来ないが――報告を見る限り、罪を犯した魔導士はほぼバーグソンと繋がりがあったようだし。それに、魔導省に残っている魔導士の中でバーグソンと個人的な利害関係がある者は片手に収まる程度になった」


ご苦労だったね、とライリーが労うと、スペンサーは「は、勿体ないお言葉誠に感謝申し上げます」と恐縮したように頭を下げた。


王国内の権力を確保するには、貴族、王立騎士団、そして魔導省の三つを抑える必要がある。これまではずっと、ライリーを支持する国王派と、それに敵対する大公派がほぼ拮抗していた。どちらかといえば大公派の方が僅かではあるが優勢に傾いていた。

貴族は国王派と大公派に二分され、王立騎士団は団長と副団長を含めた大半が国王派、一方魔導省は長官バーグソンが完全に大公派だった。魔導省を国王派に組み入れるためには、長官を国王派の魔導士にしなければならない。国王派にとっては幸運なことに、バーグソンは様々な罪に手を染めていた。

ライリーは他に何か得られた情報はないかと、スペンサーに尋ねる。


「他には何か問題はなかったか?」

「それが――」


スペンサーは言い澱む。すぐに否定しないということは、他にも気に掛かることがあるのだろう。しかし常に率直に物を言うスペンサーにしては珍しく逡巡していた。


「ベン・ドラコ殿の報告書には禁術に手を染めている魔導士がいると示唆する文章がありました。しかし、尋問しても禁術に携わっていると疑わしい魔導士が一切見つからないのです」


禁術に類する術に関わっていた者はいるのですが、と彼は続けた。だが実際にはバーグソンが国王を呪った証拠だけで、他には何も見つからない。実際に何もないのかもしれないが、違和感が残る、とスペンサーは告げる。


ライリーは低く唸った。魔導省の人事を一掃するに当たり、ベン・ドラコが以前から少しずつ集めていた横領や不正の情報が非常に役立っている。罪を犯した魔導士を魔導省から追放することはライリーの悲願の一つでもあった。大公派に対抗するという理由だけでなく、魔導省を本来あるべき姿に戻すという目的は間違いなく存在している。

そのため、禁術に関わっている魔導士を見つけることは、横領といった不正を行っている魔導士を見つけるよりも優先度が高い。しかし、簡単に見つけられないことも確かだった。


「ベン・ドラコ殿に調査して貰えれば早いのかもしれないが――彼が尋問したところで、魔導士たちは頑なに口を開こうとはしないだろうな」


溜息混じりにライリーがぼやけば、スペンサーだけでなくリリアナも深く頷いている。

魔導省の中で、ベン・ドラコの人気は二分されている。普通の若い魔導士たちや心ある古手の魔導士たちからは好意的に捉えられているが、ニコラス・バーグソンやソーン・グリードに連なる魔導士たちには毛嫌いされていた。横領等の罪で捕縛された魔導士たちの様子を人伝に聞いても、ほぼ間違いなくバーグソンと同じ穴の狢だと予想がつく。


「禁術に関しては、今後ベン・ドラコ殿やペトラ・ミューリュライネン殿に魔導省内部から探って貰うこととしよう。騎士団はこのまま魔導士たちの取り調べを続けてくれ」

「御意」


深く首を垂れたスペンサーは、他には用がなかったらしく挨拶を口にして部屋を出て行く。副団長の気配が遠く離れたところで、ライリーは隣に座るリリアナに体ごと向き直った。


「サーシャ」


薄緑色の瞳をした少女がライリーを見上げる。その表情は落ち着いていて、スペンサーが“呪殺”という言葉を口にした時に滲ませた恐怖のような感情は一切窺えない。しかし、ライリーはようやくリリアナが見せた綻びを見逃すつもりはなかった。


「さっき副団長が“呪殺”と言った時に、何を思ったのか教えてくれるかな」

「――仰っている意味が、良く理解できませんわ」


案の定だ、とライリーは苦笑を浮かべそうになる顔を引き締める。

普通に尋ねてもリリアナが素直に心中を告白してくれるとは、端から思ってはいない。しかし今回ばかりはライリーも引くつもりがなかった。


「普段は何があっても動じないのに、バーグソンが呪殺されたと聞いた瞬間震えていただろう? 手も冷たくなっていた。何か恐ろしく思ったから、その気持ちが体に出たんだ」


ライリーは真摯にリリアナを見つめて告げる。ほっそりとした手を握って、視線を逸らすことも許さず無言で返事を促した。リリアナはしばらく困ったように曖昧な微笑を浮かべていたが、ライリーに引く気がないことを悟ったのか、小さく溜息を吐いた。


「――大したことではございませんのよ。ただ、一つの可能性が思い浮かんだだけですの」

「一つの可能性?」

「ええ」


不思議そうに問うたライリーに、リリアナは静かに頷く。


「それは長官の死因に関すること?」

「そうですわ」


リリアナは一瞬視線を床に落とし、ゆっくりと顔を上げた。そして小さく、わずかに掠れた声で脳裏に浮かんだ可能性をライリーに囁いた。


「もしかしたら、長官は隷属の呪いを掛けられていたのではないかと――そう思いましたの」


それは、ライリーにとって予想外の言葉だった。勿論、王太子であるライリーは一般的な貴族よりも遥かに多くの書物から古今東西に関することを学んでいる。その中には当然のように禁呪に関する知識も含まれていた。だから知識としては“隷属の呪い”の存在を知っている。しかしライリーが学んだ書物にもその仔細は書かれておらず、使える人もいないはずだった。


「まさか――いや、でも可能性として考慮すべきだな。隷属の呪いに対象者を殺害する内容も含まれている、とは聞いたことがある。だが、現在我が国に隷属の呪いを使える者はいるのか?」


ベン・ドラコやペトラ・ミューリュライネンが無理と言うのであれば、ほぼ不可能であるには違いない。だが二人が隷属の呪いの詳細を知っているのか、ライリーは知らなかった。

リリアナは淡々と答える。


「普通に考えれば、存在しないのではないかと思いますけれど――でも、あるいは」


ライリーは再びリリアナの指先が冷えていることに気が付いた。握る手に力を籠め「サーシャ」と名を呼ぶ。リリアナの双眸が焦点を結び、近くにあるライリーの瞳を見つめた。


「貴方が心配することはない。私がどうにかする。それにベン・ドラコ殿とペトラ・ミューリュライネン殿にも協力を依頼するのだから――あの二人にも頼めば安心だろう」

「そうですわね」


リリアナは口角を引き上げる。その表情に違和感を覚えたライリーは言葉を発しようとするが、それより早くリリアナが口を開いた。


「ウィル、お心遣い痛みいります。時間も惜しいことですし、打ち合わせに戻りましょう」

「――――そうだね」


心の底から同意はできなかったが、確かにリリアナの言う通り時間はそれほど多くない。午後にはベン・ドラコと会って今後の予定の最終確認をする必要がある。リリアナとの打ち合わせは、その会談を見据えてのものだった。


「それじゃあ、始めようか」


ライリーはリリアナから手を離して、卓上にあった書類を手に取る。にっこりと笑みを浮かべてリリアナに書類を渡すと、彼女もまた普段と変わらない笑みで応えてくれた。



*****



――ニコラス・バーグソンが死んだ。

その知らせを聞いた時、リリアナの頭に浮かんだのは“まさか”という言葉だった。


(バーグソンが――死んだ?)


それも死因は“呪殺”だという。

頭は焦燥で真っ白になり、指先からどんどんと体温が奪われて行くのを感じた。そしてふと気が付けば、温かいものに包まれている。何気なく視線を向けると、心配を滲ませたライリーがリリアナの冷え切った手を温かく包み込んでくれていた。

いつの間にかリリアナよりも一回り大きくなった手は剣蛸が出来ていて、固くざらざらとしている。しかしその温もりは心地よく、リリアナは自覚のないまま安堵の息を吐いていた。ようやく頭が回り出す。

淡々と話を続けるライリーとスペンサー副団長の会話を聞きながら、リリアナは一人前世で遊んだ乙女ゲームの内容を思い返していた。


(ゲームでは、バーグソンは生きていたはずですのに)


ベン・ドラコが存在している以上――そして魔導省に舞い戻ったからには、既に乙女ゲームの内容から逸脱していることは間違いがない。ゲームではベン・ドラコは姿かたちも存在していなかった。彼が既に居なかったからこそ、攻略対象者であるベラスタ・ドラコは魔導省に最年少で入省した。しかし彼は当然長官にはなっていない。

つまり、ゲームの世界には魔導省の長官がいた。そして長官の名前は“バーグソン”――ニコラスという名前までは出ていなかったが、ほぼ間違いなく彼のことだろう。ゲームのバーグソンは、終盤まで生き長らえていた。彼の最期は描写されなかったが、少なくとも死を匂わせる表現は存在していた。


だからこそリリアナは、バーグソンが捕えられこそすれ死ぬことはないと思っていた。


(それに――呪術で殺された、なんて――まるで)


“隷属の呪い”ではないか、と思い至るのにそれほど時間は必要なかった。

一般的な呪術で人を呪い殺すことはできなくはない。だが、それにしては死んだ時期があまりにも絶妙だった。普通、呪殺は時間が掛かる。そしておおよその時期を指定することはできても、特定の日時に殺すことはできない。魔術であれば可能だが、王立騎士団の地下牢で魔術は使えない。


体の中に埋め込まれた呪術、そして恐らく術者が思う通りの時刻に殺害できるもの――その二つの事実が指し示すものは、リリアナの知る限りでは“隷属の呪い”だけだった。


(“隷属の呪い”を使える術者は存在しない、何故ならその術は禁呪であり、詳細を記した書物はこの国にはないから――)


それが常識だ。しかし、リリアナにはたった一つだけ心当たりがあった。


(あの日――わたくしがお父様を殺す直前、お父様はわたくしに隷属の呪いを掛けようとなさった)


つまり今は亡きクラーク公爵は、隷属の呪いをどのように掛けるのか知っていたということだ。他に知っている者が居ないとは限らない。だがその可能性は限りなく低い。


(術者が亡くなれば、その呪いは消えるはず。でもバーグソンの呪いは消えていなかった)


その事実が指し示す可能性は、ただ一つ。

ぞっとする気持ちを抑えたくて、リリアナは無意識に胸を抑え込んだ。


(お父様はお亡くなりになったはずよ、だってわたくしがこの手で殺したんですもの)


そして父の遺体はクライドが処理した。棺に入れられた父の姿も己の目で見た。疑いようもなく、父は死んだ。

それなのに――バーグソンに掛けられた“隷属の呪い”は作動した。もしかしたら、リリアナの父が誰かに“隷属の呪い”の掛け方を教えていたのかもしれない。だがその可能性は限りなく低かった。他人に教えることに抵抗がないのであれば、兄クライドはもっと早く公爵家の仕事を教えて貰えただろうし、権限もより早い段階で移譲されていただろう。

前当主エイブラムは、全てのことを自分で把握しておきたいと考える性質だったし、大切なものは決して手放そうとはしなかった。

その父が、禁呪である“隷属の呪い”を他人に教えることなどあり得るだろうか。


全てはリリアナの推測でしかない。もしかしたら、全く違う事実が存在しているのかもしれない。しかしリリアナにとっては、一連の推察が全て事実のように思えて仕方がなかった。


(――お父様は、生きていらっしゃるの――――?)


そんな馬鹿なと一笑に付せられたらどれほど良いことかと思う。だが、笑い飛ばそうとしても、それを抑えつける恐怖の方が大きかった。


「サーシャ?」


どうしたの、と心配そうな表情でライリーが尋ねる。リリアナは微笑んで首を振った。

ライリーは何を考えているのか教えて欲しいと言う。だが、それを告げるためにはリリアナが父を殺したことも、父が隷属の呪いを使える可能性も――全てを詳らかにせねばならない。


そんなことは、できるはずもなかった。



22-3~4

33-1

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