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心の支え
カーテンは締切られており、薄暗い部屋に不健康そうな男が一人。焦点の合ってない目を部屋の隅に向け、ただ茫然としている。
部屋はパンやカップラーメンのゴミが、片付けられてないまま放置してある。
机の上に雑に置かれた封筒から、数枚の1万円がはみでている。
チッ、、チッ、、チッ、、チッ、、チッ、、チッ、、チッ
時を刻む音、彼の呼吸の音のみ部屋内に広がる。彼の呼吸は浅い。そして、落ち着いている。
この状態でいったいどれだけの時間が経過しただろうか....時間の感覚がまるでない。
─そして、彼の時間はいたずらに過ぎていった。
* * * * * * * * * * * * * *
同時刻.....
ピーポーピーポー
人は皆、慌ただしく動き、とても夜だとは思えないほど、町は切羽詰まっていた。
けたたましい救急車のサイレンが赤く黒ずんだ空の中で響きわたる。
金粉がばらまかれるように散らばる火の粉が、キラキラと空に舞いそして、吸い込まれるように飛んでいく。
その光景は悲しく、残酷で儚く消えていくものだった──