プロローグ
魔王が復活し、魔族と魔物を引き連れて人間の国に突如として侵攻を始めた。
各国は、突然のことに対応できず、いくつかの国が落ちた。
それでも、魔王の侵攻は止まらず、各国は恐怖に震えた。
人間らは協力し、対応することとしたおかげで、戦線は何とか拮抗させることができたものの拮抗状態が長く持たないことは明らかだった。
そんな中・・・・
「あぁ、どうするか。このままでは我ら精霊の住処も被害にあうことは避けられぬ。」
精霊王は今後の方針について考えていた。
「仕方あるまい。人間の中から勇者を選定し、四大精霊らの加護を与える代わりに魔王の侵攻に抗することとするか。よし、四大精霊よ来たれ。」
精霊王が声を上げると、どこからともなく、火・水・風・土の各大精霊が集まった。
「はーい。王様~。何の用ですかぁ?」
風の大精霊は緩く返事をした。
「こらこら、風のもっとしゃんと答えんか。」
土の大精霊は注意した。
「おお、来たか。我は魔王に対するため、これから勇者を選定する準備に入る。勇者が貴様らの祠まで来たら、試練を与え、試練を達成した暁には加護を与えるのだ。わかったか?」
「おぉ!!わかったぜっ!!!!」
火の大精霊は荒々しく答えた。
「それでは、失礼いたします。」
水の大精霊は丁寧に場を辞する旨回答した。
四大精霊は精霊王の前から、辞するとそれぞれに話をした。
「ねぇねぇ。精霊王様の案も良いんだけどさぁ。僕らも頑張ってみない~?」
「なんじゃ。風の?何をするつもりじゃ?」
「勇者のさぁ。仲間を僕らで集めるの~。異世界からさぁ、連れて来れば勇者の仲間になれる人もいると思うんだよねぇ~。」
「中々おもしれぇじゃねえかっ!!俺は乗っても構わねえぜ。」
「精霊王様の意見にないことですし、止めたほうが良いのではないですか?」
「まぁまぁ、水の。別に精霊王様に反している訳じゃなし。別にかまわんのではないかのぅ。それに勇者が負ければ我らも危ないのじゃ。」
「それはそうですが・・・・」
「なんだぁ?もしかして、自信がないのかぁ?ならいいぜぇ。水の姉ちゃんは何もしなくてもよぉ。」
「何を言うのです。そんなことはありません。分かりました。それでは、各自一人を連れてくるということに致しましょう。ただし、無理強いをしてくることは禁止。また、ただ連れてきても力にはなりませんし、転生させるということにしましょう。転生した子供が15歳になったら集まって、勇者の力になるようにしましょう。」
「じゃあ、そういうことにしよう~。早速探しに行ってくるねぇ~。」
「ほっほっほっほ。楽しいことになってきたのう。」
四大精霊は、話がまとまるとそれぞれに散っていきました。
風の大精霊は、自身の祠へと戻ると一言つぶやきました。
「これで計画通りに運べるよぉ~」と。
しかし、だれも予想していませんでした。
よもや四大精霊の誰もが勇者の仲間にしようとはしていなかったなんて。