仏教之奥義ノ書 上巻 その3
⚫︎私は次の約束を守ります
あなたは神仏の言葉があるなら、それに対する悪魔の言葉があると考えたのではないだろうか。例えば、暗闇・憎悪・不運・飢饉・絶望 …… などである。
しかし、悪魔の言葉や文字というものは存在しない。なぜならば、言葉や文字そのものにはいっさい罪などないからである。
悪魔の言葉と感じてしまうのは、あなたの精神が修行不足のため起こるのである。あなたの心の問題なのだ。
例えば、『悪』という言葉・文字を悪魔の言葉としてわれわれから追放したとしよう。そうすると「悪いことをしてはいけませんよ」と伝えることさえできなくなってしまいます。
よって、どんな言葉や文字でもそれ自体には感謝しなければいけません。
あなたはこの約束を守らなければ ならない。
⚫︎私は次の約束を守ります
まえに神仏の言葉は無数にある、といいました。どの言葉を毎日見るか一度決めたら、少とも五十日はその言葉を観つづけてください。
今日はこの言葉、明日はこの言葉と毎日ころころ変えてしまっては、たとえ神仏の言葉であってもあなたの心に浸透していきません。
だから、一度選んだら、それを観続けましょう。
あなたはこの約束を守らなければならない。
⚫︎私は次の約束を守ります
あなたは毎日観る神仏の言葉をえらぶとき、10個以上選んではいけません。たくさん選んだら毎日観続けても心の中に浸透していく度合いが小さくなってしまうのです。あれもこれも選びたい気持ちはわかりますが、抑えてください。5〜8個にしておきましょう。
あなたはこの約束を守らなければならない。
反対にたった一つしか選ばないのはどうでしょう。じつをいうとこれはアリです。
言葉を5〜8個から1個に減らすのは易行へ進んでいるからです。
例えば『感謝』という言葉を選んだとします。ひたすら朝昼夜と「感謝」という言葉を観続けていると、感謝・感謝・感謝と心に深く浸透していきます。これはたいへんシンプルで力強い。
先端のより鋭い杭の方が地面によく突き刺さるように、神仏の言葉はあなたの心に深く染み込んでいきます。
では、なぜ5〜8個選べというのでしょうか。それはたった一つだと、初心者はありがたみを感じないし、飽きてくるからです。
ありがたみが薄いと飽きてくるのが早くなります。飽きてくると面倒くさくなりやがて苦痛になってきます。易行のはずが苦行へ変化するのです。
これを避けるため5〜8個選べというのです。
蓮如は浄土真宗の日々のお勤めに親鸞の教行信証と和讃、念仏をおりまぜた正信偈をすすめるようなりました。本当は「ナムアミダブツ」と何度も唱えるだけでいいのです。しかし、念仏を唱えるだけでは信心の薄いものはありがたみを感じないし、飽きてしまうのです。
あなたは修行を続けるために工夫をしなければいけません。これもここで約束をしておきましょう。
⚫︎私は次の約束を守ります
あなたはこれから毎日『神仏の言葉を観る』修行を続けます。しかし、あなたはこの修行をおこなっていることを誰にも話してはいけません。
⚫︎私は以上の約束を守ります