仏教之奥義ノ書 下巻 その2
⚫︎私は魂の成長を加速させる!
仏教が何千年も続いてきた最大の要因は、シャカが根気ある人物だったからである。シャカは生まれながらにして偉大な人物であったわけではなく、多くの人々を一瞬で教化するすることも、一度会っただけで魅力ある人と認められたこともない。
シャカはバラモンでなくとも救われる道があること、すなわち易行による悟りがあるという、ただこの一点だけを根気よく毎日毎日、一人一人に説いたに過ぎない。たった一つのことを毎日はなすことなど実は誰にでもできることなのだ。
しかし、一人一人…と毎日続け、その人数が増えてゆき、その一人一人が別の一人をシャカのもとに連れてくる。あるいは一人一人がシャカの教えを一人一人へと伝えていく。そのくり返しがやがて勢いづき過去から現代へと仏教徒を増やしてきたのだ。
今、シャカの教えに心をゆだねる多くの人々も、一番初めは一人だったのである。ゆえに大いなるものにたどり着かんとすれば、日々の積み重ねが大切なのである。
あなたの修行がどれほど些細なもの、幾つかの『神仏の言葉を観る』というだけであったとしても、その積み重ねが勢いづき重みを増していけば、きっと素晴らしいものになるに違いないのだ。
⚫︎私は魂の成長を加速させる!
科学の研究もたった一つの実験から始まる。一回の実験結果は単なる点に過ぎない。その実験を何度も何度もくり返すのだ。その実験が勢いづいてくると多くのデータが集まり、そこから共通性・連続性を見出すことにより、目をみはる方程式や偉大な法則の発見にたどり着くのだ。
あなたの日々の修行は、一回の実験に過ぎないが、この繰り返しが勢いづいて、やがてあなたを悟りへと向かわせる。
⚫︎私は魂の成長を加速させる!
大道芸であろうが、将棋や囲碁であろうが、スポーツであろうが、名人と呼ばれるような人の技は誰でもいきなり直ぐにできるわけではない。そういった名人・達人の技は日々の訓練の賜物であるのだ。
しかもそれは名人芸専用の特別な訓練ではなく。誰でも行っている『基本』あるいは『基礎』と呼ばれる訓練の積み重ねなのだ。最初は失敗が多くても、基礎の訓練をくれ返していると失敗は少なくなり、やがて名人芸へと発展するのだ。
あなたの日々の修行も、これた名人・達人の基礎訓練と同じである。はじめは程度の低い修行とおもわれても、それが積み重ねられると大いなる修行へと発展するのである。
⚫︎私は魂の成長を加速させる!
あなたはいきなり大きな壁を跳び越えることはできない。一足飛びに悟りへはたどり着かない。跳び越えるには助走必要だ。その助走こそが日々の修行である。
あなたは日々修行をすることによって、まず魂を揺り動かさなければならない。揺り動かし助走をつけ覚醒させる。修行に勢いがつけば覚醒し、乗り越えられなかった大きな壁を超えることもできるようになるだろう。こうしてあなたは悟りへと到達するのだ。
したがって、悟りへと第一歩は日々の修行なのである。その修行を積み重ね魂の向上に勢いをつけなければならない。
⚫︎私は魂の成長を加速させる!