腹上死しやがれクソ野郎
夢を見た。糞みたいな夢。いつもの白黒の世界は鮮やかに彩られ、馬鹿みたいに舞妓が踊り狂っていた。御想像道理の『かの』舞妓である。変わったところは、二の腕のtattoo、それとコンドームを履いていることぐらい。
二の腕にはマリファナを燻らす天使と青い蛸が彫られている。頭と腰を振って、何かを叫んでいる。何かとは、『声』。文字にできない『声』。自分の夢だから分かる。
ただ、自分自身何も感じることはない。バス停で援交してるマドンナを見かけた時と同じ。自分と同じ制服が血と胃液で汚れていくのを見てる時と同じ。
全裸で駆け抜ける通行人の中に、舞妓と自分だけの空間を感じる。
通行人はただの脇役。
舞妓が主人公。
自分は傍観者。
通行人は、常におびえた顔をしている。割れた鏡みたいに断片的にバカみたいな顔が見える。目は着るものを探してる。
そんなバカみたいな夢。
脳裏で生まれたはずのそれは、生まれた場所から一歩も動かない。
蒸し暑い真夏の色が混ざった光を浴びながら。