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語る脳子と、綴るは我子  作者: 木ノ倉ラ
【 第一部 『琥珀巡天』 】
1/43

読むにあたって

〇【はじめまして】



 みなさまに読んでいただく分際で生意気な話なのですが、拙作をお読みになるにあたって注意点が幾つかございます。もし宜しければご覧になってください。

 物語の方向性や意味が分からなくなったときに手引き代わりにお読みいただければ幸いです。



〇【注意書き】


『更新頻度』

 遅いです。


『展開』

 それほど速くはありません。


『文体』

 やや硬く、また時折変化します。三人称と一人称の区別が曖昧になっている箇所が幾つかあるので、そういった部分で引っ掛かりを感じる場合があると思いますが、根気強く読んでいただければ幸いです。


『レイアウト』

 スマートフォンとPCの両方で同程度に読みやすくするために、多くのなろう作品でとられているような細かい改行は行わない予定です。死ぬほど読みにくかったら是非教えてください。


『時系列』

 前後します。


『性描写』

 今のところありませんが、下ネタや露骨なネタはぶち込む可能性があります。また物語上およびキャラの性質上から必要だと判断すれば、品性を保ちつつ性行為に言及する場合があるかと思います。個人的には節度があればそういうのも良いと思います。注意したいのは男女ともに蔑視しないということです。が、登場人物の属する文化によってはそう見える部分もあるかもしれません。ごめんなさい。


『暴力描写』

 たっぷりです。

 素晴らしいでしょう。


『整合性』

 作品の内容がしばしば変動しますし、場合によっては大幅に展開が変わります。「あれ?この登場人物、前に読んだときはいなかったような気がするけど」。実は不思議のダンジョン方式です、なんちゃって嘘です。ある程度のお約束は守らないといけませんので伏線は事前に張っておくと思います。とはいえ、神経質な作者なので気に入らなければ自由に改訂します。すみません。


『解説パート』

 作中に§で囲まれた『解説パート』が挿入される場合があります。実際に見ていただいたらすぐに分かると思います。このパートは飛ばしていただいても結構ですが、ちゃんと読んでいただくと内容理解がはかどるはずです。フレーバーの一種です。このせいでテンポが悪い部分があります。脚注つけれないんで許してください。


『造語』

 作中用語として大量の造語を含んでいるために意味が取れない場合があるかと存じます。気軽に聞いてくだされば幸いですし、また説明をあえて省いている場合などは後々に作中説明が入る場合もあります。雰囲気づくりの為に読みは自由にしておくつもりです。


『エンタメ性』

 それほど富んでいません。地味な描写と長い説明セリフが長々と続く場合がありますし、話の展開も非常に遅く、気軽に読めるような作品にはすることが出来ませんでした。手直しなど試行錯誤中です。


『予備知識』

 また、『語る脳子と綴るは我子』を読むにあたっては幾つかの予備知識が必要になる場合があります。作中でも執拗に解説を加えるつもりですが、もし頭に入れていてくださると話が明瞭になると思いますので、もし興味がありましたら以下の予備知識まとめをさっと読んでから本編に入ってみてください。但し、多少のネタバレを含むので全く読まないという選択肢もあるかと思います。


 それもおススメです。



 それでは本編へどうぞ。

 お読みいただきありがとうございました。














以下は本編の予備知識です。

若干のネタバレとなります。














〇【作中世界について】


『作中世界』

 本作品の舞台は、あらゆる異世界と隔絶されているため、世界そのものに固有の名称がつけられることはありません。転生者もいません。ゆえにここでは単に「作中世界」と呼称しています。そこには約七つの大陸が存在しており、それらの大陸はそれぞれ広大な海『〇〇間海』によって隔てられています。本作は『中央大陸』を舞台に行われます。ちなみに第一綴の舞台は中央大陸湿部に位置する『ノーラン皇国』です。この国家については作中で情報を開示していきます。


『方角』

 というか東西南北ですね。

 これは、熱冷乾湿に対応しています。

 湿部国家の場合は大陸上方ということです。


『超能力』

 当作品には魔法や靈力、魔獣や呪術といったファンタジー要素が過剰に盛り込まれています。それらは作中ではなんとか共存している状態なので、作中人物のほとんどが何らかの特殊能力を使用します。そういうチャチな設定がお嫌いな方は楽しめないと思います。代表的なものは『魔力』と『靈力』です。この二つのワードが気に食わない方は『マジカ』と『闘気』に脳内変換してください。


『位相世界原理』

 そして当作品では、魔術や闘気を発現可能な理由として、『位相世界原理』を採用しています。これは、作中世界においてそれぞれのファンタジーパワァが満ち溢れている十二の『違界』がレイヤー状に重なっているという状態を指しています。より正確には十二の違界全てが同一領域に渾然一体となっている状態が作中世界です。人々はここから超能力のような力を引き出しています。作中で詳細に解説しますがかなり先になると思うので、代表的なものを紹介しておきます。


『実界』

 十二の違界のうちで最も頻繁に出てくるであろうものが『実界』です。これはいわば物理世界とでも言うべきものであり、器物としての人間や動物や諸物体が存在している場所のことを指しています。この界における法則である単純物理法則は、作中世界でも非常に強力なものですから、どんな地域でも基本的にはまずこれが働いていると考えてください。


『呪界』

 次によく出てくるのが『呪界』です。この界は第二界と呼ばれており、作中の重要なキーワードのひとつです。ここは人間の心や認識、あるいは目に見えない超常や神秘の力を媒介するフィールドです。その為、魔術師や剣士が戦うときには必ずといっていいほど『呪界』が介在しています。とはいえ物理法則は強大なので、戦闘は実界と呪界に重なり合って行うことになります。呪界は他にもさまざまな側面がありますが、とりあえず「アストラル界」と思ってもらえれば大丈夫です。


 で、この二つの界について覚えておくと、本編を読みやすくなるような気がします。覚えておかなかったとしても作品の展開には関わりがありませんので、まぁ困るようなことはないような気もします。


『十界と十界法則』

 はい。ある意味では作中で最も大きな役割を果たす用語がこれになります。十界は別名『綴ノ界』とも呼ばれ、法則は『編綴法則』と呼称されます。その意は、字のままに、物語を綴るということです。たとえば、作中人物が意味深なことを言う→そこに意味が発生する、主人公と目される人物が不自然に死なない、自信満々なキャラクターがすぐに死んでしまうなどなど、ありとあらゆる『お約束』が十界法則の一部分を構成しています。


 作中人物は、この十界法則を限定的に捉えたり、なんとなく扱ったりすることができます。それゆえにこの世界には必然的に物語性が生じることになります。また、別の呼称においてこれは『運命』と呼ばれます。十界における流れは、人々のあらゆる行為を予言しており、また定めていきます。現実のように、因縁深い二人が一生出会わないということは不可能です。以上より、作中で十界法則を垣間見ることのできる人物は、他の登場人物よりも数倍有利に暮らすことができるわけですが、『見えてる作者の手』はおそらく平穏無事な暮らしを取り上げるでしょう。


 まぁそれが物語のなかに生きるということで、それを破るには平和に完結させるしかありません。作中にはそれを目論む人物もいますが、大抵の人物は綴られるもしくは綴るということなど意識しなくとも、力強く生きていきます。


 まぁそれが一番ですよね。



〇【文化膜について】


 作中で『文化膜』の設定が明かされるのはかなり先になると思うので、先だってネタバレしておきますが、それを分かりながら読んでいくのもよいかと思います。とはいえいきなり出てきたこの『文化膜』ってなんじゃらほいや説明しろ、ってなるよりはましなんじゃないかと思い、項を割きました。


『文化膜』

 本編の半ばから出てくる『文化膜』という用語は最重要単語です。すべての国家や民族や都市はそれぞれの文化に応じた『呪膜』を違界に展開しています。いわばこれは境目のない無数のシャボン泡のようなものであって、この泡のなかにいる人々の認識が、この泡のなかの局所的なルールになります。つまり、その文化に応じた影響を内部の物体は受けるのです。この世界ではあらゆる法則が十二の違界に拠っているのですが、それらの世界法則の内で、どれが優先されるのかといった事柄に関わるのが『文化膜』です。はい、意味分かりませんよね。すみません。


 例を出します。たとえば、作中の国家である『ノーラン皇国』では超常の力を扱う剣士の勢力がとても強く、神様や伝説やおとぎ話、魔法といった目に見えないものの存在を人々が明確に認識し、信頼しています。その為、『ノーラン文化膜』の下では『呪』にかかわる性質の力が強くなっています。たとえば、達人の頭のなかのイメージだけで物体を斬れたり、天獣の名のもとに魂を縛る契約が結べたり。


 ということもあり、ある『文化膜』の下では、同一の文化に所属している人間がそうでない人間に比べて優勢になります。ホームの方が強いということです。気持ちが強ぇ方が勝つんだっ。冗談はさておき、『文化膜』はそれに対応した幾つかの攻撃によってダメージを受けるので、戦争時はなるべく早く文化を攻撃するのが基本戦略となります。タイマンでも、心を折ればある程度はマジで勝てます。


『ステ変動』

 以上の設定から、作中ではキャラクターの強さが状況に応じて変動します。ある国での最強キャラが他国ではその力を発揮できないという事態は頻繁に起こるので、強さのインフレはありませんが、設定崩壊に思える部分が生じます。作中でも説明は致しますが、足らない部分は脳内補完していただければ幸いです。




〇【中央大陸とその歴史について】


『乾湿戦争』

 さて、これも超頻出用語になります。


 実は、この大陸では本編開始の約十五年前に乾湿戦争という大戦争が終結しております。この戦争については何度も何度も作中で語られるのですが、重要事項として、作中人物のほとんどがこの戦争に従事していたという事実があります。その為、様々な人物が「作中では描かれておらず、彼らしか知らない過去」を前提として会話を進める場合があります。本当に申し訳ありません。酒の席でつまらない大人の話を聞く少女になったつもりで我慢してください。おのずと見えてくると思います。見えてこないこともあります。


『バルニア帝国』

 また、この大陸では本編開始の約二千年前にバルニア帝国という国家が栄華を極めています。この国家は千年の発展の末、作中時間の約千年前に内乱によって崩壊しましたが、大陸中に大規模な文化的影響を与えてしまいました。その為、作中には『バルニアの遺産』として幾つかの技術が出てくることがあります。それらの多くは帝国崩壊の後にはロストテクノロジーとなっておりましたが、本編開始の時点では幾つかの技術が『脳子』によって『復元開発』されています。


 たとえば、作中国家が夢中になっている『術式』がその代表的なものです。


『都市国家時代』

 ちなみに余談ですが、中央大陸ではバルニア帝国崩壊後から約五百年の動乱期がありました。この時期を大陸の歴史家たちは、『都市国家時代』と呼称しています。領土を維持できない多くの地方領主や属国の王が、自らの治める直轄都市とその近辺の土地だけを領土とした為に、大陸中、特に湿部地域に『都市国家』が幾つも発生し、それらは長きに渡る争いを繰り広げた末に少しずつ合併していきました。この戦争を『都市間戦争』と呼びます。


 作中の大国であるノーラン皇国もこの戦争で領土を画定した新興国の一つです。色々とご不便をおかけしますが、乾湿戦争や中央大陸の歴史については次第に明かされていくと思いますのでそれまでよろしくお願い致します。一応年表ものっけて見ましたが、本編には大して関係ないです。



〇【魔法と呪文について】


魔法は特殊な記号『∫』で始まります。

呪文は特殊な記号『∬』で始まります。



〇【術式について】


『術式技術・術式陣』

 幾何学模様で構成される魔術の方法です。有り体にいえば魔法陣ですが、それよりも数倍複雑であり、言語化することは到底できません。しかしながら、才能のある者には直感的に全体の構成が把握されうるというちょっと特殊な性質を備えています。作用理論(どのように作用しているか)は複雑怪奇ですが構成理論(どのようにすれば発動するか)は割と進んでおりまして、この魔術は組み上げ方によってはいかなる事象も起こしうるとされています。少なくとも呪界においては。


『術式陣の見た目』

 本作品の性質と作者の能力の限界から、術式技術が目に見える形であらわれることは恐らくありません。とっても複雑な魔法陣か電子回路紛いの落書きを想像して、脳内補完してください。



〇【戦錬士について】


 本作品で超常の力を持つ者はすべて『戦錬士』と呼称されます。


 ここでは主に魔法に関わる者を取り上げることとします。若干ですがややこしいので。まず、『魔法士』。二十四定式の属性魔法を使用できる人間です。適正がありますが、ある程度の魔法までなら誰でも使えます。例えば、無属のラモンは魔力さえあれば属性についての才能はいりません。この才能は天獣の加護とも呼ばれますが、関係があるのかは不明です。


 次に『限定魔術士』。属性魔法を無詠唱で完全制御できる人間です。努力と才能により、一部の魔法士はこの段階まで到達しますが、それには基礎魔力量や魔力の可能顕現量が大きく影響しています。非常に希少です。それから、『魔術士』。自らの空想を術化・発動できる人間です。ほぼ皆無です。基本的には空界に接続していますが、稀に靈気を用いた魔術を用いる者もいます。魔術士はしばしば第六繋者とも同一視されますが厳密には違います。


 そして『術式士』。術式魔導に精通した人間です。こちらの世界でいうところの科学者に近いです。彼らは基本的に呪術を見下し、侮蔑しています。術式技術を、実界から違界への有意味な干渉と捉えていますので、彼らの真の目的は真理を探究することにあるとも言えるでしょうか。ちなみに『魔法士・限定魔術士・魔術士・術式士』をまとめて『魔司士』と呼称します。その他に『魔導工学士』や『記述樹学士』などもそう呼ばれます。


 あとは、『呪術士』。呪術の使い手です。多くは神秘の騙り手でしかありません。彼らはしばしば、術式も自身の呪術理論に含めますので術式士に嫌われています。また呪術士とは、広義では呪界に影響を及ぼせる人間のことです。そのため、学者群や王侯貴族などは剣術士や魔法士も呪術士と見做すことがあります。そもそも『呪』には『呪界に関わるもの』と『諸事物の関係性に空想でもって干渉すること』の二通りの意味があるのですが、剣術士の靈力も我々から見れば、単なる空想に過ぎないというわけです。


 はい。『剣術士』は五大流派とバルニア式剣術の使い手に限ります。『剣士』は五大流派以外の剣術の使い手です。『闘術士』とは、剣を用いない靈気の使い手です。数は少ないです。とまぁ以上が戦錬士の種類になります。実際にはもっと多くの種類に細分化できるのですが、主要なものはこれくらいになるので十分だと思われます。特殊なものや例外にはその都度の解説を加える予定になっていますのでどうかご容赦くださいね。


〇【おわりに】


 これで予備知識は終わりです。


 これらを頭に入れておけば停滞している物語と進行上の設定矛盾を除いて無問題かと思われます。頑張って最後まで完走目指しますので是非ご愛読ください。楽しんでいただければ幸いです。


 では、お手柔らかにどうぞ。

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