表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

予報

テーマは「予報」でした。


 予報が外れて、今日は塩が降った。

「なんだよ、砂糖じゃないのかよ」

 僕たちは慌てて塩対策の防護服に着替え、外の砂糖瓶と塩瓶を取り替える。砂糖と塩を間違えては大変だ。

「順番で言ったら、今日は『さしすせそ』の『さ』だろ」

 しおうさぎの着ぐるみの中からチーフのダミ声が聞こえる。防護服はわかりやすいよう、それぞれ、ゆるキャラのデザインが採用されている。勿論、政府指定の公式防護服だ。

 塩が降る日はしおうさぎ。

 わかりやすい。

 重力の小さいこの地では、塩も砂糖もゆっくりと降り積もる。厚く立ち込める雲から舞い落ちる結晶が、街を白銀色に染める。

「最近予報が外れますね」

「異常気象だよ、異常気象」

 チーフの長い耳が、苛ついたように小刻みに動く。

 確かに最近の天気はおかしい。この前は『あ』の日だったのに、飴ではなく、チョコが降ってきた。

「一個ズレてんだ」

 隣の店の店長が、僕たちの会話に首を突っ込む。

「『さ』の日に塩。『か』の日にキビ。」

「ああ……そういえば」

 僕が頷くと、店長は「だろう!」と、首を縦に振った。しおうさぎの長い耳が前後に激しく揺れる。

「じゃあ、飴の日にチョコが降ったのはなんでだよ?」

 チーフが食ってかかる。しかし顔は相変わらずニコニコしたしおうさぎ。

「チョコはチョコでも板チョコだったじゃねぇか。だから『い』だよ」

「なぁるほど~」

「一個ズレたからって、なんだってんだ」

「何が降るか予測がつくじゃねぇか」

 あ~あ。また始まったよ。チーフと店長は犬猿の仲なんだよなぁ。

 今日はしおうさぎだけど。






おわる。


SFなのか、ファンタジーなのか、自分でもよくわかってません(笑)。

少し(S)不思議(F)というやつでしょうか。

「しおうさぎ」という語呂が好きでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ