ナンデ・ヤネンとアホチャ・ウカ2
テーマは「ウラン」でした。
「ウラン鉱山にて」
火星行きの赤い電車の窓からは、アステロイド鉱山が見える。
「ご覧よ。あの小惑星。緑色に光っているだろう?」
「ええ。綺麗ね」
「あれはウラン鉱の光なんだよ」
窓際に座った男女がロマンチックに語らう。
「ウランが光るの?」
「紫外線を浴びると緑色に光るのさ」
「マァ、素敵ね」
「なぁに言ってやがんだ」
「なんか言ったかぁ? ナンデ」
コクピットのモニターから、のんびりしたアホチャ・ウカの声が響く。
卵に八本足を生やしたような掘削機を操るナンデ・ヤネンは、ナビゲーションを担当する相棒を怒鳴りつけた。
「青く光ってんのはコバルトだろうが! ウランを探せってんだ」
「わかってるよぉ」
と、応えつつ、ウカは首を傾げる。
「でもよぉ、ウランなんて売れるのかぁ?」
「知るかよ。掘れって言われてんだから掘れ!」
「掘ってるのはナンデだよぉ」
「だから、会社が掘れってんだから掘れって言ってんだ」
「だから、掘ってるのはナンデだよぉ」
「わかんねぇ奴だな! だから会社が掘れってんだから黙って掘れってんだ」
「だからさぁ、掘ってるのはナンデだよぉ」
ナンデ・ヤネンとアホチャ・ウカの堂々巡りはしばらく続いたとさ。
おわる。
日本語喋ってますよね、この二人(笑)。でないとオチが通じない。
ウカは馬鹿正直で阿呆な子という設定ですが、これが案外難しい。この馬鹿正直さを上手く使おうと思うと、難しいんですね。
果たしてウランは宇宙空間で光ったりするのか、またまた深く考えておりません(笑)。