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スーパーチートデー

作者: materialism
掲載日:2026/04/30

スーパーチートデーというものを私は設定している。


現代日本において、飢渇というものに苦しめられている人はいない。

飲みたい食べたいというのはただの欲望であり、飢えや渇きに苦しんでいるわけではない。

だが、現代医療において、日本人は大体食べ過ぎに分類される。体重、血糖値、コレステロール、血圧、その他各種の値はどれも食べ過ぎなければ健康的な数字を維持できるのだ。(作者注:個人の感想です)


そこで私は人間ドックの3か月前から食事制限を実施する。


私はやや血糖値が高く、また血圧やコレステロールも高めであるため、

米やパンを止め芋類を食べるようにし、またバターやトンカツなどの油が多い物も禁止だ。

もちろん、塩分、脂質が多いラーメン屋のラーメンなども禁止であるし、

芋を食べるときに食卓塩を振るのも禁止だ。


野菜はあまり好きではないが、キャベツや豆苗などの癖の少ない野菜を齧り、無塩の芋を食べる毎日。


そして、チートデー、体を飢餓状態にしてしまうことでかえって痩せにくくなるのを防ぐための日には、汁なしラーメン、水かけうどんなどを好きなだけ食べるのである。

汁なしラーメンと言うとスープ無しのラーメンだと思うかもしれないが、私の場合、汁なしラーメンとは、かける汁が全く無いラーメンのことである。

それでも慣れてくると、麺自体に練り込まれている塩味で美味しく食べられるのが不思議である。


こうして、低カロリー、低血糖、低コレステロールの食事で、2週間に一度のチートデーを挟みながら、

三か月過ごすと、見事、人間ドックはオールAという結果で終わるのである。


何もそこまでと思うかもしれないが、私の部署には再検査のために

仕事を休むなんて概念は無いのである。皆はそこでああでもないこうでもないと言い訳をして

再検査を回避しているが、私はそういったことは苦手なのだ。

よって、この三か月の修行にも似た食生活を送るようにしているのである。


ただ、人間ドックの当日にもなると、欲望との闘いも限界に近くなってくる。

ただでさえ我慢しているところに、人間ドックの前の日の夕ご飯が禁止される。

最近では消化が良い物なら食べて良いとされることもあるようだが、

私はそれに甘えて夕ご飯を食べてしまって、血糖値が高く出たことがあり、

数値的に夕ご飯を食べることはできないのだ。


そのため、朝の人間ドックが行われる病院への道はフラフラである。

血糖値不足の頭で考えることは唯一つ。これが終わったら何を食べてやろうかという一点である。


まずは何より、ラーメンであろう。チャーシューを大量に乗せて、もちろんスープは完飲である。

しかし何よりも大事なのは鶏油と書いてチーユである。

鶏油は、鶏の皮を加熱して抽出した黄金色の油であり、

濃厚なコクと香ばしい風味をプラスできる「魔法の調味料」である。


今となっては東京でも普通に食べられるが、昔は横浜でしか食べられなかった家系ラーメン。

そのスープのメインとも言える油である。一応、お好みで増減はしてもらえるが、

もちろん、油は多めで頼む。油少なめとか頼む奴は家系に来るなと言いたい。(作者注:個人の感想です)

初めて家系ラーメンを食べたとき、ラーメンを蓋のように覆う油の層に度肝を抜かれたものだが、

今となってはあの油の層にダイブして溺〇しても本望である。むしろしたい。


次はホタテである。行きつけの天ぷら屋に行き、大将に揚げてもらったホタテを油が落ちる前に食いつくのが至高である。

このホタテ。天ぷら屋には天つゆ、塩、抹茶塩など色々とついてくるのが普通ではあるが、このホタテだけは何も付けてはいけない。

これは減塩とかそういうものではない。純粋にホタテ本来の塩味で十分どころか、お釣りがくるのである。

まさに母なる海の恵みである。

カラッと揚げてあるので衣はカリっとしているが、中身のホタテはまだ半生で、

磯の香りが鼻を突き抜けるのである。これを最高と言わずして何を最高と言うのか?


最後はステーキである。ははあ、某ファーストフード店だなあと思われるかもしれないが、

美味しい肉料理を食べさせてくれる店はなかなか無いものである。私が見つけられていないだけかもしれないが。

そこで私は美味しいステーキを食べるとなったら家で食べる。

前日から和牛ステーキ肉を買い、塩で下味をつけて冷蔵庫に保存しておく。

そして時間をかけてグリルで焼くのである。このときばっかりは減塩とか言わずタップリ練り込まれた塩が、まったりとした和牛の脂と交じり合って、最高の香りと風味を醸し出す。


ああ、これこそがスーパーチートデー、生きている証である。


(作者注:普段から節制するのが一番です)

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