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VIBES LOGIC - 生命の螺旋Ⅲ Life loop めぐりの螺旋  作者: 御園しれどし


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第一章:Life Cycle - あたりまえの日常

Life loop


(Intro: Slow, Ambient Beat)


あたりまえの日常 よどむ空気

更新されない視点 迫る終止


気づかなきゃ 静かに 腐敗してく

確かな足音 忘却に沈んでく


(Verse 1)

Make itメイキッなにかを創り出すとき

振り返る 自分がどう成ったかのHistoryヒストリィ


Let it goレリゴゥなにかを手放すとき

想い、馳せる 


去りゆくものの軌跡創る自分 

手放す自分その刹那を

レンズ越しに自分を見る


そっと見つめる その瞬間のGap

見えてくるのは 都会まちのMapマップ


山や川 この世の

真のすがた見つけられるのを

待っていたいのちが 目を覚ます


(Chorus)

「人」という文字が繋ぐ そのRelationリレィション

人と人それだけの定義じゃない New dimensionニュゥディメンション


人とモノ 人とこの世の

境界溶け合って 見えてくる 真実の正体


創ること 使うこと それは手の仕事ワーク じゃない 

「いのちのめぐり」というアーク(弧)



 1. 澱んだ空気の向こう側


 かつて「正義の暴走」に揺れた聖華市セイカ・シティは、今、奇妙な静寂の中にあった。


 高度なAI管理を捨て、人々は自らの手で火を熾し、道具を直す不自由さを選んだ。しかし、自由の代償は重い。かつての輝きを失った街には、更新されない古い価値観と、未来への焦燥が混じり合った「澱んだ空気」が漂い始めていた。


「……変わらないな。いや、腐敗が始まっているのか」


 街から遠く離れた山間の集落。


 久世カイは、築百年を超える古民家の土間で、壊れた蓄音機のゼンマイを慎重に巻き直していた。指先に伝わる金属の微かな軋みは、彼にとってかつてのデジタル信号よりも雄弁に『機械の体調』を語っていた。かつての音響解析師は、今や『音の修復リ・アレンジ』を営む職人となっていた。周囲には、重い機械油の匂いと、薪ストーブの中で爆ぜるナラ材の乾いた音が溶け合っていた。


「Make it(創ること)……か」


 カイは独り言ち、自らのHistory(歴史)を振り返る。


 システムを壊し、正義を問い直した先にある「あたりまえの日常」。それは、放っておけば忘却の彼方へ沈んでいく、儚いものだった。



 2. 再会と「レンズ」


「そのゼンマイ、少しだけピッチが狂っているわよ」


 土間の入口に、逆光を背負った影が立っていた。


 カイは手を止めずに、掠れた、しかし以前よりも深く響く声で応えた。


『日向……。いや、今は別の呼び名の方が相応しいか』


「好きに呼んで. 今はただの、生活を記録する放浪者レコーダーだから」


 アカリは以前の鋭いスーツを脱ぎ捨て、泥のついたブーツと実用的な作業着を身に纏っていた。彼女の首には、見慣れない重厚な「レンズ」がぶら下がっている。


「数年ぶりだというのに、挨拶はなしか」


「あたりまえの再会には、あたりまえの言葉で十分でしょう?」


 アカリは微笑み、そのレンズをカイの作業台に置いた。


『カイ。このレンズ越しに、今の世界を覗いてみて。……私たちが必死に守ろうとした『街の形』なんて、この星が描く巨大な循環サイクルの上に乗せられた、薄っぺらな皮一枚に過ぎなかったってわかるから』



 3. 真実のすがた


 カイが促されるままに、そのレンズを覗き込む。


 作業場の窓から見える、荒廃したはずの廃墟の向こう側. そこには、レンズのAR(拡張現実)によって補完された「真実のすがた」が浮かび上がっていた。


 コンクリートの割れ目からは、数千年の時を刻む地下水脈が青い光の帯となって噴き出し、立ち枯れたはずの巨木は、目に見えない黄金色の脈動を大気へと放っている。それはノイズのない、純粋な生命の設計図リファレンスだった。


「これは……」


「かつての宿敵が遺した、最後の遺産。……都市の効率という『澱み』の下に隠された、いのちのめぐり。山や川、この世の真の姿を見つけられるのを、彼らは待っていたのよ」


 アカリのレンズは、都会のノイズを消し去り、その場所が本来持っていた「解像度」を深くリ・アレンジしていた。


 しかし、その美しい光景の端に、不吉な黒い影が混じっている。

「リ・コンストラクト……。再び、このめぐりを止めて、冷たい効率の中に閉じ込めようとする奴らが動き出した」


「あたりまえを新しくする時が来たようね。カイ、もう一度、あんたの『魂の書き取り』が必要なの」


 カイはゆっくりと手を離した。


 修復された蓄音機の針が、溝に刻まれた記憶をなぞり始める。流れ出したのは、土の匂いと水の音を孕んだ、重厚なアンビエント・ビート。それは停滞した世界を再び回し始める、螺旋スパイラルの最初の一音だった。

(Verse 2)

そのサイクルを感じ取る こころばえ

ノイズを消して 静かに整え


働く意味を 

喜びにChangeチェンジ


暮らしの解像度 深くリ・アレンジ(rearrenge)


生きることは いのちを産み落とすこと

その真実に いつ辿り着くの?


答えは Right nowライナウ

いま、この時 逃しちゃいけない 魂の書き取り


(Outro)

ひとり立つこと 孤高のStepステップ

こころを澄ます 内なるTrapトラップ


自分を知ること それがMy Baseマイベース


みずからのよりどころ Facing the caseフェイシンダケース

(いま、ここ、この瞬間 自分自身を 見つめ直す...)


(Fade out)

あたりまえを 新しく いのちを 新しく...

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