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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

おとぎ話をモチーフにしたショートショート集

神通力を奪われ奴隷にされた女神の怒りが頂点に達した時、女神は覚醒する~復讐はとろ火でじっくりと(改訂版)~

作者: 茜子


 朝、俺はいつものように斧を肩に担ぎ、木を伐りに出かけるところだった。


 あれ、いつもの斧とちがう!?

 俺は斧を持った瞬間、違和感があった。

 まあ、使えるなら構わんだろう。何しろ時間が惜しいからな。


 少し重い気もしたが、むしろ使いやすそうではないかと自分を納得させて出かけ、いつものように神秘の泉の周辺で木を切り始めた。


 確かに、この斧は切れ味がいいじゃねえか。


 順調に作業を進めていたが、突然、手元が滑ったような感覚がした。いや、違う。まるで斧を強引に引き抜かれたように、俺の手からするりと抜けていった。


 斧はくるくると宙を回りながら、泉の中へ一直線に吸い込まれていった。


「おいおいおい」


 俺は驚き、慌てて泉のほとりに駆け寄った。すると、泉の水面が不思議な光を放ち始めたかと思うと、なんと斧がゆっくりと浮かび上がってくるではないか。


 その斧の下から、女神が姿を現したのだ。

 美しい顔立ち、長い髪、優雅な雰囲気。

 だが……俺はその光景に言葉を失った。

 斧が、その女神の頭にしっかりと突き刺さっているではないか。


「な、なんてことだ!」


 俺は全身の血の気が引き、呆然と立ち尽くした。

 女神は涼やかな表情のまま、水面の上に立つように浮かび上がると、俺に向かって優しく尋ねた。


「この斧はお前の物か?」


 その声は穏やかで、慈愛に満ちているはずなのに、俺の罪悪感を倍増させた。


 俺はもうそれ以上立っていることができなかった。

 その場にひざまずき、頭を地面にこすりつける勢いで、ひたすら謝りつづけた。


「も、申し訳ありません!どうかお許しを!」


 俺の言葉が震えているのが自分でもわかった。

 斧が勝手に動いたなどと言い訳をする余地などない。

 ただ、この場を無事に切り抜けられることを祈るばかりだった。



「よい、よい、わらわは寛大な神じゃ。このくらい、どうという事はない。

 だが、斧はわらわの神通力を封じてしまったようじゃ。

 すまぬが、お前の手で斧を抜いてもらえないだろうか?」


 何と優しい神様だろう。俺は感動し、斧に手を伸ばしたが、斧はビクともしなかった。


「女神様、恐れながら申し上げます。斧が抜けません。

 私も長年木こりをしているので、腕っぷしには多少の自信がありますが、まったく抜ける気がしません」


「弱ったのう、このままではわらわも困る。

 わらわはこの泉と村を守る女神なのに、務めが果たせないではないか。

 何とかしてくれ」


「私も一本しかない斧が無くなると、明日から仕事が出来ません。弱ったなあ。

 そうだ!世界中から勇者、英雄を探しましょう。

 きっと斧を抜ける人間が見つかります」


「そうは言っても、わらわは泉の女神じゃ。この泉を出ることは出来ん」


「お任せください。私がこの泉に斧を抜ける人間を集めてごらんに入れます」




 ***




 初めは純粋に、斧を抜ける者を探すための呼びかけだった。


「すみません、女神様のために、なにとぞお力添えを」


 俺は村を駆け回り、力自慢の村人や旅の冒険者に声をかけた。


「しょうがねえな、女神様のためなら一肌脱ぐか」


 挑戦者たちは次々と泉に集まり、斧に挑んだが、誰一人として成功しない。


「おりゃああ!だめだ、動かない!」

「こんなに堅く刺さった斧、見たことがない!」

「これが抜ける奴がいれば、間違いなく英雄だな」


 次第に斧をめぐる噂が広まり、町や遠方からも挑戦者が現れるようになった。

 ある日、一人の吟遊詩人が泉を訪れた。そして泉で見た光景を面白おかしく語り始めた。


「この斧は、古の神々が遺した秘宝なのだ! 抜いた者は世界を救う力を得るという!」


 話は瞬く間に広がり、「伝説の斧」として語り継がれた。俺は考えた。


「これ、もしかして商売になるんじゃない?」





 俺はショーを開始した。挑戦者からは参加費を取り、見物人からは見物料を取った。泉のそばには屋台が並び、泉の周りでは、特製のお菓子や記念グッズも販売され、どんどん賑やかになっていく。


「はい、挑戦記念の女神斧ペンダント、 1個銅貨 3枚だよ!」


「こちらは斧型のチョコレート菓子! 女神の加護付き!」


 さらには、泉の水を瓶詰めして「泉の奇跡の水」として販売。挑戦に失敗した者たちにも絶大な人気を博した。



「はい、順番ですよ。並んで、並んで。そこ、横入りしない」


 参加者やら見物人が泉の周りに一杯だ。わいわい、がやがや、うるさい。


「おーい、伝説の斧の挑戦者が並ぶのはこの行列でいいのか~?」


「斧が抜けたら天下の英雄になれるんだよな?」


 俺は、伝説の斧の挑戦者たちに叫ぶ。


「挑戦者は、参加費として銀貨 1枚を払ってくださーい」


 彼は、見回りのアルバイトに念を押す。


「見物客は銅貨 1枚だ。きちんと取れよ。只見はさせるな!」


 俺は、女神の近くの席に座る見物客に向かって叫ぶ。


「特等席は、銀貨 1枚ですよ~。

 女神様、表情硬いですよ。もっとにっこり笑ってください」


 アルバイトの女の子が見物客の間を歩く。


「女神せんべいに、女神饅頭いかがですか? 泉の水で炒れたお茶いかがですか?」



 こうなると、最初に態度が変わったのが木こり仲間だ。若手は俺を兄貴と呼ぶし、年上の連中も俺を「さん」付けだよ。


 驚いたのはそれだけじゃない。村中の半分くらいの人が「さん」付けだ。

 いままでは俺のことを「あいつ」だの「おい」だの呼び捨てにしてた連中がだぜ。


「さすが、木こりのジョージさん」


「いや、おれは前からあんたは将来大物になるって分かってた」


 そう言ってすり寄ってくる奴もいた。






「女神様、これは斧を抜くための資金集めです! もっと、笑顔でお願いします!」


 一方で、斧が刺さったままの女神様は、不満そうだ。


「木こりよ、これはどういうつもりじゃ? わらわをこんなふうに使うとは、話が違うぞ!」


 女神様は怒りと悲しみをこめて問い正したが、俺はそれを聞き流した。



 最初は「女神様を救うため」という言葉に納得していた村人たちも、次第に俺のやり方に疑問を持つ奴が出てきた。


「これはさすがにやりすぎだろう」「女神様に失礼ではないか」――一部の物わかりの悪い村人たちからそうした声が上がり始めたのだ。


 しかし、俺は自分の地位を守るため、先手を打ったんだ。金儲けに目覚めてからやることが冴えてるね。

 だって、力がなければ、いずれ俺がやることを横取りする奴が出て来るからな。


 元冒険者で力のある、ならず者を雇い、村人たちの反対を力で抑え込んだ。

 それだけじゃない、俺のアイデアで潤ってる商売人からは「保護料」を貰うことにした。

 当然だろう? ならず者を雇うんだって金はかかるんだ。それを俺が一人で負担する義理はないもんな。

 逆らう奴らには実力行使、つまり暴力を振るった。


 それだけではない。俺は手下を使い、村にやって来た勇者や英雄を見張らせた。

 その中で、本当に斧を抜けそうな奴が現れると、そいつらをだまして、参加させないようにした。


「斧を抜かれたら俺の権力が終わる」からな。




 こうして、俺は村の実権を握り、村長の座にまで登り詰めた。村は次第に俺の支配下に置かれ、誰も俺に逆らえない。


 村人はすれ違うと、皆ペコペコお辞儀をする。いい気分だ。


「こんにちは、木こりのジョージさん」


 俺の事をそんな風に呼ぶバカがいた。俺はもちろん思いっきりぶん殴ってやったよ。元木こりの俺は腕力が強からな。相手は一撃でぶっ倒れたよ。昔ならいざ知らず、今は村長だぞ。


「お前、口の利き方に気を付けろ」


 そういうと、相手は平謝りした。俺は村では怖いものなしだ。


 女神は泉の中から村を見つめているだけで何もできなかった。最初の頃はなんであんなに女神を恐れていたんだろう? 力を失った女神なぞ怖がる必要なかったんだ!!




 俺の興業は日ごとに規模を拡大していった。挑戦者の列は数百人にもなり、ついには王国中の英雄や騎士団が集結する騒ぎとなった。泉の周囲には特等席が設けられ、金貨を支払えば至近距離で斧を観賞できるサービスも始まった。


「特等席のお客様には、女神様の直筆サイン入りパンフレットをプレゼント!」


 女神は心底呆れた様子で、俺を見つめた。


「木こりよ……お前、本当に斧を抜く気があるのか?」


 俺はにっこりと笑った。


「もちろんですとも! 抜ける日を楽しみにしていますから!」


 ある日、とうとう国王が現れた。国王は噂を信じ、斧を手に入れることで自らの王位を不動のものにしようと考えたのだ。しかし、国王が全力で挑んでも斧はビクともしなかった。


「これは……本当に伝説の斧なのだな!」


 国王の挑戦がさらなる噂を呼び、ついに泉の周りは祭りのような騒ぎとなった。俺は興業で得た富を元に屋敷を建て、使用人を雇うまでになっていた。元は筋肉質だった俺は、今や随分と恰幅がよくなり貫禄がついた。


 見た目のいい女たちはメイドとして給金も弾んだ。メイドたちから「ご主人様」と呼ばれるのは嬉しかったな。昔は、木こりの俺なんか目もくれなかった女たちがだぜ。


 ある日、俺は思い切ってメイドの尻を触ってみた。驚いたことに女は何も文句を言わなかった。やはり、おれは偉いんだ。だから、何をやっても許されるんだな。


 最初は村人からメイドやら召使いを雇ってたが、その内それでは飽き足りなくなって、王都から選りすぐりの美人を集めて愛人にした。





 村も見物客が増えたことにより宿屋、食堂、土産物屋などが増え、大いに栄えてはいった。

 女神が文句を言おうもんなら、俺は逆ギレした。


「泉の女神が村や村人に尽くすのは当たり前だろう。

 神の力を失った今、勤労で恩を返すのが筋だ!」


 さらに、俺は泉にカップルがコインを投げると結ばれる、という噂を流して、その投げ銭を女神に集めさせた。

 自宅のメイドに命令するのと同じノリだった。


「泉に投げ込まれるコインを拾い集めろ」「客が泉に投げ込んだゴミを集めてこい」


 女神は怒った。「神であるわらわに、何という罰当たりなことを言うのだ」



 俺は内心恐ろしかったが、相手は力を失った女神だ。最近はメイドに言いがかりをつけて叱りつけて楽しんでるから、同じように言ってやった。


「力を失った、ただの女神気取りが、俺に逆らうつもりか?

 お前は人間の女と変わりがない、何もできないんだよ」


 女神は今にも泣きだしそうな顔をした。やはり、何もできないんだ。俺は相手も弱みを握った。思い切って顔をぶん殴ってやった。


「痛い、何をするのじゃ!」女神が恐ろしい顔でにらむ。


 女神は殴れば痛みを感じるようだ。これは新しい発見だった。


 斧が頭に刺さっても何もなかったのに不思議だったが、とにかく人間の女と同じように暴力でいう事が聞かせられることが分かった。


 泉の底に溜まった投げ銭を拾い集めたり、泉に投げ込まれたゴミを回収したり、させても泉から離れることはできないらしい。彼女の神通力は斧のせいで完全に封じられている。俺は満足した。



 女神を初めて殴ったその日、家に戻った俺はご機嫌だった。


 天に登るというか、高い空から周りの人間を見下ろすような気分だった。

 もちろん、かわいそうだとも思ったよ。女神の顔が苦痛と悲しみでくしゃくしゃになるのを見るのは。

 だけど、それ以上に神が、俺に手も足も出せなくひれ伏している姿は、痛快だったんだ。それは人間の女を相手にする時と変わらない。だけど、人間の女はもう飽きた。




 昼間、大っぴらには出来ないが、営業終了後、女神と二人きりになればこちらのものだ。


 素手で殴るのはこちらも痛いので、こん棒を使って殴るようになった。女神は、痛みは感じるようだがケガはしない。少なくとも、アザとか傷がつくことはないようだ。俺はとにかく女神に俺のいうことを聞かせることが、とにかく楽しくてしょうがなくなっていた。何でもいいから、難癖をつける。


「お前が怠けるからだ! 泉がきれいじゃないと客が減るだろうが!」


 怒り狂った俺は、棒を振り上げ、女神の身体に痛みを刻みつけた。


「やめろ……やめぬか!」


「違う、『やめてください』だろう。『やめてください』と言え!」


 俺は女神に奴隷のような受け答えをするよう強要した。

 だが、相手は誇り高い女神だ。人間の女と違い、中々いうことを聞かない。


 俺はこん棒で女神を殴り続けた。


「グオ……」「ギャ……」


 女神の悲鳴は森にこだました。だが、助けを呼ぶ声など届くはずもない。

 痛みに耐えかね、膝をつき、涙をこぼす女神を見て、俺は満足そうに笑った。


「ほら見ろ。お前は俺の言うことを聞いていればいいんだ」






 中々言葉遣いを改めようとしない、愚かな女神を教育するため、俺は鞭を使うことにした。


「ギャアアアアアアアア」


 悲鳴の上げ方が違うよ。やはり鞭は効果的なようだな。

 だが、鞭を使うと服が破れてしまう。明日の興業に差し支える。


「どれ、服を脱がしてやろう」


 俺は女神の服に手をかけた。


「や、やめて」


「違う、『やめてください』だろう」


「……や、やめてください」女神はそういうとがっくりうなだれた。


「だめだ『やめてください。ご主人様』と言え!」


 女神は俺をものすごい目でにらんだ。


「や、や、やめてください。お願いします……ご、ご、ご主人様」


「ワハハハハハハ」


 俺は愉快でならなかった。あの女神がだよ、俺の奴隷になったんだ。

 もう、世界中怖いものが無くなったような気がしたね。





 だが、俺は服を剥ぎ取るのを止めなかった。人間の女は裸にすると大人しくなることを知ってたし、一度女神の体が人間の身体と違うのか見てみたいと思ってたんだ。


 素っ裸にした女神の体は、それはそれは、素晴らしいものだったよ。すべすべしたきめ細かい肌は人間の女とは比べ物にならなかったし、何とも言えないいい香りがするんだ。


 だが、局部は人間の女のそれと変わりはなかったがな。




「斧の刺さったお前は、ただの人間の女と変わらん。色んな美人との楽しみも味わいつくしたし、たまには女神様から、私にサービスしてもらいましょうか」


 俺は好色な表情を顔に浮かべて、服を脱ぎ始めた。


「あんたほど美しい女は、人間にはいないからな!」


 俺は女神の顔に右手を伸ばした。


「実は、お前をどうしても抱きたいという需要は、王侯貴族の中にも多くてな。

 その前に俺が味見するという訳さ。昼はショー、夜は夜伽で、アンタが稼いでくれると、

 こりゃ、笑いが止まらないぜ」


女神の顔が、怒りでどす黒く膨れ上がった。


「おどれ、呪ったる!」



 その時である。女神の頭の斧が白く輝いた。

 なんだ?


「女神の怒りがレベル 99に達しました。

 女神の怒りのチャージが完了しました!」


メッセージが斧から流れた。なんだ?レベル?チャージ?


斧が女神の頭からコロリと落ちた。

何かが俺に向かってきて、ものすごい音がしたところで、俺の記憶は途絶えた。




 *****




 俺は白い世界に立っていた。


「おい、ここはどこだ?」


 俺は、そこに立っている黒づくめの男に尋ねた。


「いや、中々楽しませてもらいましたよ」


 男は俺の問いかけには答えず、ニヤニヤしている。


「あなたのご協力のお陰で実験は大成功ですよ。

 普段、人間に姿を見せるなんて滅多にないのですが……

 一言、あなたにお礼を言いたくて姿を現しました」


「ふざけるな、俺を誰だと思っている。神秘の泉の村長だぞ。

 ヘラヘラしてると痛い目に合わせるぞ」


「くっくっくっくっく……」


 男はそれを聞くと、おかしくて仕方がない、とでもいうように含み笑いをした。


「いや、申し訳ございません。あなたが余りにも笑わせてくださるもので」


 男は笑いを止めてこちらを見た。しかし、口元は大きくVの字に切れ上がったままだ。


「ここは、あなたたちの言葉で『あの世』とでもいえばいいでしょうか。

 あなたは幸運でしたよ。苦痛もなく一瞬で死ねたんだから」


「なにふざけたこと、ぬかしやがって。

 現に俺はこうしてピンピンしてるじゃねえか」


「それは、あなたの魂が生前の状態を保っているからですね。

 でも大丈夫、肉体から離れた魂は、しばらくするとバラバラになって消えてしまいますから」


「な、なんだと!おい、お前、何とかしろ!俺はまだまだやることがあるんだ」


「生き返りたいとでもおっしゃるんですか?」


「当たり前だ。俺はこれから女神を使って大儲けをして、傭兵を集めて、やがては国を乗っ取るんだからな」


 男は上を向いて、声を出さずに大笑いした。


「よろしい、あなたにはお世話になりましたから、一度だけ願いを叶えて差し上げましょう。

 これからあなたを生き返らせて差し上げます」


「おお、ありがたい!ところであなたの名前は?」


「私に名前などありませんが……強いて言えば、ミスターSとでもお呼びください」




 ******




 私――元泉の女神、今は真っ黒な怪物の姿をした魔王――は、木こりの死骸を眺めて後悔していた。


 しまった!怒りの余り、うっかり殺してしまった!


 残念で仕方がない。こうなったら、せめて死骸をバラバラにしてむさぼり喰ってやろう。

 その後、村の住人から見物人まで皆殺しだ。



 その時、木こりの死体が動き出した。「う~ん、あれ、ここはどこだ?」


「おや?生きかえった!?」私はこれ以上出来ないくらいの、会心の笑みをこぼした。


 大きな腕で木こりが逃げないようにつかむ。


「うふふ、これから、死なないように、じっくり殺してあ・げ・る!!」


「うぎゃあああああ、やめてくれ、爪が食い込む」


「やめてくれ、じゃない『やめてください』でしょう?」


 私はギザギザの歯だらけの大きな口を開けてあざけった。


「や、やめて、やめて、やめてください」


「どの口が言ってるの、この口かな?この口が言ってるの?」


鋭い爪を口に差し込み、ナイフのような切れ味を試す。


「うぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「安心して、死にそうになったらヒールをかけてあげるから。

 死ぬことはないわよ、当分。」



以前書いた作品を全面的に書き直したものです。

もしも、少しでも「面白かった」「良かった」などと思ってくださいましたら

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