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ヴオアァァァァァァァァ
山田の咆哮だった。
何者かの力が作用して彼を絶叫させた。
「ちょっとあなたうるさいわよ」
アホの隣人から寄せられた苦情は無視された。
「おじたん。何ちてるの?」
幼女からの問いかけにあのロリコン山田が応じることも出来ない。
ギエエエエエエエエエ
最後の雄叫びを合図に暗雲が去り光が差した。
山田の頭部にはなんとフサフサの髪が蘇っていた。
「これは奇跡か!」
山田は往来に飛び出し全速で走り出した。
ノーベル文学賞など比べ物にならないほどの大きな歓喜だった。




