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猫犬  作者: アホ
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団子蟲になりながら山田はある記憶の中のイメージを思い描いていた。

それはノーベル賞受賞公演として注目のもと全世界に中継および配信された彼の演説だった。

講演のタイトルは「恥ずかしい日本の私」。

ハゲてしまった自分の容姿に悩む心情を文学に結晶するまでの過程に即して率直に語った名演説として巷に語り継がれているものだった。

ニュース映像として一部が切り抜かれ、特にハゲを自覚する際の実存が崩壊する件は何度も繰り返し全国的に放送された。

山田は自分の丸くなったハゲ頭のテレビ映像を思い出して赤くなった。

頭髪を失った頭部は間抜けな球形を表していた。

ダンゴムシ、ハゲ頭、地球…


作家山田太郎の内部で新しい文学的着想が胎動しつつあった。


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