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地球がおむずがり状態を克服し回転を始めたとき、自転しかしなかったため、しばらくの間他の惑星は地球の周りを回っていた。
ところが自転しつづける者の周りを公転しているのが馬鹿馬鹿しくなったため次第に誰もが公転をやめてしまった。
太陽→地球という中心の移動のあとで今度は遠くの惑星が良いという感じが生まれ、一番遠くの冥王星を中心に据えることになった。
冥王星までの距離が長いため一年がかなり長くなった。
気がついたのは木星だった。
「あいつはもう惑星じゃないらしいぞ」
google検索でヒットした情報によると確かに冥王星は準惑星というランクに落ちていた。
「まじかよ!」
「やめてくれよ」
太陽を含めて全ての惑星がやる気を失った。
準惑星などというものの周りを公転してしまった悔しさが全身に広がった。
彼らはてんでバラバラの方角に移動し始めた。
宇宙の法則が目に見えて崩壊し始めた。




