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第8章  【須弥山の攻防①】

 前ループとは違って色々とあったが、これでようやく須弥山しゅみせんを目指せる。

 毘沙門天や哪吒三太子がそろそろ襲って来る頃だ。哪吒三太子の投擲武器で、私の首が落とされたんだっけ?今度は気を付けなきゃ。須弥山を登り始めたら、偽降伏して来るラーヴァナと阿修羅アスラ王に気を付けなくては。前ループと少しずつ変化してるから、須弥山の頂上に行く前に襲って来る可能性もある。油断してはダメだ。

 進軍していると遠目で何かが浮いているのが見えた。

「ドラゴンだ!龍だ、龍!」

前ループでは会えなかった。やっぱりいたのかドラゴン、とテンションが上がった。

「あれは青龍です」

忉利天の東方守護のはずが何故こんな所に?と魔族達は訝しんだ。警戒しながら青龍の下まで来た。

「罪深かき者達よ、その罪業も癒えぬうちに須弥山を登ろうと言うのか?」

「ダメかしら?天帝に用があるの」

私は進み出て、悪びれもせず言い放った。青龍は上空で八の字を描き、身体をくねらせながら舞う様に浮いていた。

「愚か者ども」

青龍は呆れた様に呟くと、青白い炎を吹いた。確か青い炎は1万度〜だったかな?

闇灼熱炎防御ダークバーニングシールド

超高温の炎を完全に防ぐ防御魔法だ。

 青龍が炎を吐き終わるタイミングを計って、その口の中へ『光之神槍ライトニングジャベリン』を叩き込んでやった。貫通効果がある為、青龍の口を突き破った。痛みで、暴れて長い尾を振って叩き付けて来たが、物理防御魔法で防いだ。怒りで再び炎を吐こうとしたが、炎が穴から漏れて上手く吐けなかった。

上級回復ハイヒール

私は青龍の傷を治してあげた。

「何を考えている?小娘」

「天帝に会いに行くだけだって言ったじゃない?急に襲って来たから、身を守っただけよ。正当防衛だわ」

「天帝様に何の様だ?」

「私、天帝の愛人なの」

青龍も魔族も凍り付いた。

(ちょっと、魔族までフリーズするって、どう言う事よ?)

「お前が?なるほど…その器量なら…確かに天帝様の好みかも知れん…」

最後の方は独り言の様に呟いた。

 天帝の女好きは有名だ。確かに有り得ると思わせるには十分な理由だった。

「だが、何故軍勢を引き連れているのだ?天界に攻め込むつもりだろう?お前の口車などに乗ると思うか?」

「私達は魔族なのよ?ここに来るまで、どれだけ問答無用で襲われたと思っているのよ?命の保証が無いんだから、そりゃ兵を引き連れるでしょう?それに、敵対意思があるなら、貴方の傷を治したりはしない!」

「ははは、口が上手いな。だが確かに傷は治してもらった。お前には借りがある。この場は見逃して、天帝様に報告させてもらおう」

そう言うと青龍は去って行った。

「ふぅ、本当の話に嘘を混ぜると真実味がわくでしょう?」

流石は女帝様だと、魔族達の動揺は収まった。

(前ループで帝釈天の愛人だったのは本当だけどね…)

私達は、須弥山に登り始めた。ここからが本番だ。

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