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訳探し

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

純文学と悩みました。

きっとこんな事があると思います。

約束事と御礼を果たしに、街に出た。本当は禁忌以外の何物でもなかった。今は穢れた身の上だから。けれども約束してしまった。行くと。会いに行くと。御礼もまだ済んでいないから。そうして全ての御礼参りを済ませた。

帰り道、電車に乗り込んで、座席に腰掛ける。頭を過ぎるのは、二週間程会っていない方の事。過ぎ去る各駅を流し聞きながら、下唇を噛み締める。顔を上げると、目的地だった。

自動ドアが開け放たれる。電光掲示板には停車駅の名前。停車時間が物凄く長く感じる。隣の人が立ち上がった。その人は躊躇いなくその場を去ると、此処から姿を消す。心の中の誘惑が蠱惑的に囁く。

いいのかい? 此処で降りなくて。今日は日曜日。これを逃したら、二週間近く会えない事になる。君、耐えられるのかい?

会ったら、会ってしまったら、きっと抱き締めてしまう。離れ難くなってしまう。今は穢れた身の上。抱き締めた途端、邪気が伝染る。会っちゃ、いけない。増して約束もしていない。会っていい、理由なんか、何一つない。

頬を涙が伝う。自動ドアが閉ざされた。こうして邂逅は閉ざされた。


家の最寄り駅で降り立つと、彼女が真顔で此方を見ていた。何となく責められている様にも思える。まぁ禁忌を犯したのだから、責められて当然。御託を並べる愚かな真似はしない。

「会わなかったんだ」

「会う理由を探した。会っていい理由を全力で探した。でも見つからなかった。何処にも無かった。だから……帰ってきたよ」

呼吸が苦しい。絞り出すようにして声を出した。それは彼女から批難の視線を浴びたからじゃない。利己的な自分を直視してしまったから。

「愚かだなって思った。全て尊いお方だと思ってる。順位付けするなんて、余りにも不敬極まりないって。でも私は感情に乗じて接し方を変えてしまった。こりゃ嫌われるよなぁ!!」

本当にどっちかに傾くならば、誰一人として会わない、もしくは例外などなく、全て会うかの両極端だった。それでも私はたった一人のお方に対して、会わないという選択をした。

唇を噛み締めて、俯く私を抱き締めてくれたのは、彼女だった。

「尊厳よりも恋慕が勝っただけの事。君は生粋に恋する乙女だね」

差別した私を随分と綺麗な言葉で慰めて、本日は終わった。愚かしい私を、禁忌を犯した私を、烏滸がましく許しを乞う私を、お許し下さるだろうか。

『穢れた身の上』と称しているのは、二つの宗教的観点の違いから。似てる様で考え方違うんですわ。


確かに禁忌だったけど、約束してしまったから逢いに行った。

そこに罪悪感はあれど、躊躇いはなかった。

けれども、ただ一柱の事になると罪悪感と躊躇いが同時に来た。

その心情の差に気が付いた時に、全て尊いお方だと思っていたけれども、差別してると気が付いた。という話。


そうして尊厳よりも恋慕を優先するなんて、恋する乙女だよねぇ。という返しをしてます。


とある和風系の楽曲を沢山書いて下さる方の曲をぼんやり思い出しました。しこたま聞きました。

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