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謝罪の気持ち

フェリシアは自室の枕に顔をうずめてじたばたしていた。


今日はいろんなことがあった…。朝帰りに、エスコートに、壁ドンに、サフランの花束。どれもこれも「やらかした」感がある。


ただ穏便に婚約をして、穏便に破棄したいだけだったのに。

それなのに、たった1日でアイザックに悪評を立て、怪我までさせてしまった。とどめに「別れましょう」の花束を投げつけてしまうという…。

申し訳なさすぎる…と同時に、ふつふつと怒りも湧いてくる。


(相手はいません、って確か言ってたはず。なのに良い関係の令嬢を侍らせて、話が違うわ…

相手がいるなら、朝帰りとか、プロポーズとか、思わせぶりな言い方しないでほしいわ、んもう)


婚約のフリなのだから、相手がいることを秘密にしていても、いいじゃないか。話す義務はない。恋愛は自由だ。頭ではわかっている。だが、なぜかイライラとする。なぜだろう。騙されていたということが、嫌なんだろうか。

ああ、でも『俺も学園を卒業したら親の決めた相手と適当に結婚する予定』とは言っていた。その相手がアリアなんだろうか。


(そうよね、アリア様も父上が…っておっしゃってたし。きっとお父上同士でお話を進められているのね)


騙されたような気がしていたが、単なるフェリシアの思い違いだったようだ。そうなると、2人の邪魔をしているのは、自分の方だ。そう思うと、とてつもなく悲しい。


アイザックとまともに話すようになって、まだ2日ほどだ。でも、結婚相手がいるにもかかわらずアイザックは私のことをちゃんと考え、最善な行動をしてくれていた。それをかき回してしまったのは、自分…。


「明日は、ちゃんとお詫びをしないと…」


そう決めて、フェリシアは目を閉じた。

が、眠れない。

どうにも気が立っているようだ。

仕方がないので、お詫びについて考える。何をしたらお詫びになるんだろうか。

先日、残業代と言っていたので、やはりお金を包んだ方が良いんだろうか。

それとも消えものの方が安パイだろうか。しかし甘いものは好きではないと言っていたし、もう夜中だ。今から料理人を起こして、作らせるのも申し訳ない。


「…あ」


先日、馬車の中でアイザックがつまんでいた砂糖菓子を思い出す。手が進んでいたので、あれなら仕事中に食べてもらえるかもしれない。

よし。心を決めて、フェリシアは厨房へと向かった。


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